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MT-10SPといえば、ヤマハのハイパーネイキッド、MTシリーズの旗艦たる電脳マシン。

その乗り味はいかなるものなのか?

今回はMT-10spに試乗させていただきました。

私たち一般ユーザーにとってこのハイパーネイキットがどのような存在になのか。

その点にもフォーカスして試乗しました。

見た目以上に「鮮烈」な乗り味

さて皆さん、ヤマハMT-10SP、と聞いて何を思うでしょうか?

 

もしも皆さんが、保守的な「オートバイ象」を持っているとすれば、このロボットっぽいルックスは相当「異端」に見えるはず。

筆者も30年ヤマハに乗り続け、今もXJR1300Lに乗っているわけですが、正直『受け止め方のわからないバイクだな』というのが第一印象でした。

しかし今は試乗を終え、寝ても覚めても頭の中でこのバイクの事ばかり考えてしまっています。

つまりそれだけ鮮烈な乗り味だったのです。

その「乗り味」については後述していきいますが、まずはその乗り味を鮮烈たらしめている各部の様子を見ていきましょう。

見るにつけ引き込まれる前衛芸術

見る人を引き込む「Zライン」

ヤマハとしては「既成概念を打ち破りながら新基軸を作りたい」として、あえてパーツパーツの集合体が一つの形を作り上げているように見せる狙いがあったそうです。

つまりそうですね、例えばトランスフォーマーみたいな感じを狙ったんですね。


こちらはR1


こちらはMT-10SP

R1との相関性のあるMT-10シリーズ。

こうして同じ角度で骨格を見比べると、非常に良く似ています。

それでいて、だいぶアレンジが加えられていることもわかりますね。

R1の「凄み」を表現するため、単に受け継ぐだけでなく、ロードスポーツとして「トランスフォーム」したというところでしょうか。

パーツパーツが存在感を持っていてゴツゴツしているんだけど、なぜか統一感がある。

これらのパーツ群は流れるような「Zライン」と呼ばれる中にパーツを配置していくようになっているのだそうです。

今までのバイクを見慣れてしまうと確かにとっつきにくいデザインかもしれません。

でも何度も見ると見るたびに「待てよ?やっぱこれカッコいいじゃん!」と引き込まれていくから不思議です。

 

前衛的なこの「顔」。

流線形のつるっとしたデザインを見慣れているせいか、その「顔」もかなりゴツゴツしたイメージですね。

何となくロボットにギロリと睨まれているような気持にもなります。

ライトはR1と同じLEDヘッドライトを流用したもので、その個性的な「顔」はあえて隙間を多く見せて造られていることが解ります。

このデザインを担当するのは、V-MAXなど長年ヤマハのデザインを手掛けてきたGKダイナミックス。

今はネオレトロもブームなわけですが、あえて「近未来」を前面に打ち出したデザインは本当に前衛的ですよね。

さらに、実車を前にしてさらにエンジンをかけてみる。

するとその段階で「なるほど、こいつの顔はやっぱりこうであるべきなんだな」と納得できてしまうんですね。

人の概念を打ち破ろうという冒険的なデザイン。

そこを思い切って斬り込んだうえで魅せてくれるGK ダイナミックスは流石だと思います。

CP4エンジンはこの顔の「声」

エンジンをかけると「ドリュリューン」という、Ⅴ4エンジンにも似たクロスプレーン独特の音が響き渡ります。

エンジンはYZF-R1(S)同等のクロスプレーンシャフトに連結された水冷直列4気筒が搭載されています。

R1比40%のパーツが新開発のものとなったMT-10シリーズ のエンジン。

これははスタンダード・SP共に共通のもので、最高出力は160馬力。

R1の200馬力を考えると少ない数値のように思う人もいるかもしれませんが、国内仕様でしかも公道上で使用することを考えればこの数値は余りあるものです。

「クロスプレーンって何よ?」という方のために

これはR1のものですが写真を見ていただくとお分かりになると思います。

クランクシャフトがコンロッドと連結されている部分に一つずつ目をやると、90°ずつ真上⇒右⇒真下⇒左の順になっていますね。

こに位置関係を真横から見ると十の文字のようになるのでクロスプレーンというわけです。

4ストロークエンジンは2回転に一回、つまり720°に一回の燃焼が基本です。

バイクの直列4気筒エンジンでは、各気筒が請け負いながら180°に一回という均等な間隔で燃焼させるエンジン(フラットプレーン)が一般的です

これをクロスプレーンの場合は270°⇒180°⇒90°⇒180°という不均等感覚で燃焼を起こすんですね。

なんでそういうことをするかというと、振動を抑えてアクセルフィーリングが良くできるのと、要するにトラクションをよくすることができるからです。

このおかげで、音が「ヴォウォ~ン!」という吠えるような感じの独特な音になっているわけです。

このエンジンンは、2004年にmotoGPマシンYZR-M1に初搭載されたものが由来。

つまり自分のアクセルワークでGPサウンドが楽しめてしまうんですね。

このワイルドな音を聞けば、このマシンがこの顔をしていることに合点が行ってしまうのではないでしょうか。

SPの足回りはお買い得!

MT-10SPには、R1Mと同じタイプのオーリンズ製電子制御セミアクティブサスペンションが標準で装備されています。

フロントサスはNIX43をベースとしたもの。

チタンメッキのインナーチューブは見るからにゴージャス。

ブレーキは当然ABSが備わっています。

サスから伸びたセミアクティブサスのコードに、期待感をそそられます。

リアサスはTTXベース。

「電子制御」な感じで、オーナーになればその所有感も相当なものでしょう

もし、これらをスタンダードのMT-10に後付けしようとしても、SPのと価格差以上の金額が必要になると言いますから、迷うのであればSPを選ぶ方がお得です。

今回写真をご用意できませんでしたが、ステムの下側には電子制御ステアリングダンパーまでが装備されています。

車速やエンジン内の液圧変化をコンピューターが読み取って瞬時にダンパーを調整し、常に最適な走行状態を維持してくれると言いますから驚きです。

このセットには調整段数がなんと32段階の調整が可能。

しかもそれが乗車したまま手元のボタンでできてしまうなんて、長生きはするものですね。

SPだけのお楽しみ

SPではパワーモード(PWR)やトラクションコントロール(TCS)

そしてクイックシフターのオン/オフ、それに先述の電サスの調整をR1と同様のTFTフルカラー液晶メーターを見ながら、

 

手元のジョグダイアルやボタンでセッティングを決めることができます。

クルーズコントロールまでついているので、これは長距離でかなり楽でしょうね。

セッティング次第ではR1と同じトラックモードを選択することができ、なんとラップタイム計測から、アベレージタイム表示までできてしまうのは驚きです。

やっぱり中身はR1のトランスフォーマーなんですね。

全く異次元の乗り味

快適かつスポーティーなライディングポジション

さて、こうしたスペシャルギミック盛りだくさんのMT-10SP。

いよいよ試乗となるわけで、かなり緊張します。

シート高は825mm。

スタンダードとは異なるシートはアルカンターラ調。

腰のある上質な座り心地です。

身長162㎝の筆者にして、片足で親指の付け根までちゃんと接地させることができます

マシンを起こすと、高重心でロールが軽いことがわかります。

また、筆者は普段XJR1300Lに乗り慣れていることもありますが、意外なほどハンドル切れ角が少ないのに気づきました。

やはりこの辺はR1ベースなんだなぁと思ったところです。

しかしライディングポジションが非常に楽

気持ち程度前傾した感じのMT-10SP。

しかしMT-10SPはハンドルがグッとライダーに近い位置にあるため、脇が締まった形で乗ることができます。

XJR1300Lではライダーの脇は完全に空き、腕を伸ばしている感じになるので、やっぱりMT-10SPの方が楽だと思いました。

スイッチ一つで豹変する乗り味

走行モードはA~Dまで4つのパターンがあります。

これはMODE-Aがハイウェイ、BがワインディングCがツーリング、Dがアーバンという形です。

この一つ一つを先ほどのボタン類であらかじめ任意のセッティングをして、パターンとして記憶することができます。

そしてこれらを、左の人差し指で走行中に簡単に呼び出すことができるんですね。

今回は公道で15分という限られた試乗で、さすがに全部のセッティングを試す余裕はなかったのでプリセットの状態で走行しました。

まずは一番フレンドリーなDモードでアイドリング。

アクセルをひねれば「ヴェリューン!ヴェリューン!」という音と共にタコメーターが「るぉっ!るぉっ!」と動きます。

両極端の違いをと思い、今度はAモードでアイドリング。

すると先ほどとは打って変わって「ヴァンっ!ヴァンっ!」と排気音も歯切れ良いものになり、タコメーターも「スパンっ!スパンっ!」と全く違った動き方になります。

乗車前のこの時点で、電子制御の面白さに対する期待値が上がります。

とりあえずDモードで走り出しました。

街乗りモードということでピークはかなり抑えられた感じになっています。

その代わり、低速からのトルク感は直4とは思えないほど野太いもの。

MTシリーズの意味は「Master of Torque」だということですが、これは伊達ではありません。

クラッチを開けるだけでスルスルと走り出し、街の景色を流しながら心地よい音と共に快走できます。

そして今度は信号待ちでAモードに変更。

するとGPサウンドを響かせながら怒涛の加速がつきにけるようにどこまでも続いていきます。

212㎏の車重と100㎏近いオッサンを「ぐぉぉぉぉっ!!」と瞬間ワープさせる勢いです。

メットの中で思わす「い、いまのは何だ?」と汗一筋。

Bモード・Cモードにも入れたものの、くまなく様子を見る時間がなくて残念でした。

しかしどれも明確にキャラが立っていたのは覚えています。

ツーリングを楽にするレーシングアイテム

MT10シリーズにはR1同様のクイックシフターが装備されています。

これはUP側にのみ有効なのですが、クラッチ操作なしでどんどん加速することができます。

更にスリッパ―クラッチも内装されされているので、例えばバンク中にシフトダウンしてもほとんど姿勢を乱すがないんです。

街乗りを重視する中でもこれはかなり助かりますね。

もちろん走行会に行っても相当なレベルで楽しむことができるでしょう。

また、実際限られた中での短い試乗でしたが、これらのおかげで乗り方の幅がかなり豊かになるという実感を得ました。

筆者はかつてサーキットでR1やR6を走らせていて、今はXJR1300Lに乗っているわけですが、

やっぱり、たまに峠道に差し掛かると、若気の至りが蒸し返されます。

そんな時、スイッチ一つでバイクの方が「その気になったらやりますよ」というわけですから、いい意味で「怪しからんバイク」です。

でもそうやって、ジキルとハイドを掌の中で自在に操るような感覚は本当に面白いものです。

MT-10SPの価格は1,998,000円(税込)、スタンダードの価格が1,674,000円(税込)

1台のバイクの中に4台かそれ以上のバイクを同居させるようなことができるわけで、ある意味お買い得なバイクなのかもしれません。

皆さんもぜひ一度、2度3度と味わえるこの不思議な乗り味をお試しになってはいかがでしょうか?

試乗のお問い合わせは

近未来的ハイパーネイキット。

今回は、東京調布市にあるYSP三鷹様のご協力でこのMT-10spに試乗させていただきました。

ご試乗に当たってはご予約が必要です。

詳しくはこちらまでお問い合わせください。

更に全国のYSP店でもMT-10SPの試乗車を持ているところがあるようです。

そちらについてはこちらまでどうぞ。




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