HONDAモンキー125が原二になったその背景・価格や発売時期まとめ
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モンキーも125ccになる時代

モンキーといえば50㏄のファンバイクとして文化を築き上げ、50年の長きにわたって愛されてきたモデル。

買うかどうかはわからなくても、とにかく「モンキー」がこの世にあることに安堵する。

その小さな車体は、バイクの文化の一端を担ってきた名車としての大きな存在意義があるように思います。

それだけに、昨年の「製造中止」の発表は多くのファンを悲しませましたね。

その悲しみを打ち消してくれたのが、2017年の東京モーターショーでのモンキー125の発表。

すでに多くのファンがその発売を今か今かと待っています。

多くのメディアも発売日や価格の予想をしていますね。

もちろん当稿でも後述していきますが、特に今回は「モンキーが125㏄になったこと」。

この変化の意義について掘り下げていこうと思います。

モンキーは原付125㏄化の先頭に?

2016年にタイで行われたバンコクモーターショー。

こちらには「モンキーコンセプト」というバイクが世界初展示されていました。

このバイクを『モンキーが125になるなら、50㏄も終わるな』と、50㏄の終焉の象徴のように捉えられた方も少なからずおられたようです。

(※関連記事中には150㏄とありますが、それはそれで面白いですよね。)

 

確かに今は深刻な「50㏄離れ」が進む一方、125㏄(原付二種)市場はかつてない活況を呈しています。

多くの方々も「なんとなく知っていること」だとは思いますが、実際の数字にはかなり衝撃的です。

 

原付一種

(50㏄)/台

原付二種
(51~125㏄)/台
2014 228,918 96,249
2015 193,842 94,851
2016 162,130 101,424

出展元;二輪車販売統計(末端販売店向け出荷台数)2017年日本自動車工業会調べ

 

この3年の原付一種・二種の販売台数の推移を見ると、その傾向が加速しているのがわかりますね。

一因とされる法定速度30㎞/h・二段階右折といった原付一種特有のネガティブさは、おそらくこのまま緩和されることはないでしょう。

一方で、原付二種については、免許取得の簡易化など更なる利用促進策も検討されています。

そうした背景から、50㏄は「見限られた」という見方をされるのも無理もないことです。

さらに、モンキーやカブなどの代表車種が相次いで125㏄になっていくのは、その見方に一層現実味を持たせるものだと思います。

 

しかしながら、簡単な講習で免許が取得でき、安価に手に入る50㏄を生活の足として切実に望む人たちがいます。

そうした人々の声は簡単に無にできるものではありません。

実用車であるカブが新シリーズでも50㏄をリリースしたのは、創業以来のホンダの良心だといえるでしょう。

ただ、モンキーが50㏄としてそのままの形で存続していくことは、時代が許してくれないということなのでしょうか?

そしてその時は来た

2017年3月の東京モーターサイクルショー。

そこにはホンダのモンキー50周年記念車が出展されていました。

その可愛らしい姿を見ようとモンキーブースは幅広い年齢層の来場者で賑わっていましたね。

このモーターサイクルショー開催とほぼ同時に、ホンダはモンキーの製造中止を発表。

50周年記念車がそのままファイナル記念車(ラストモンキー)となってしまったのはご承知の通りです。

「俺、これ乗ってたんだ目いっぱいボアアップしててさぁ」と、懐かしそうに見つめる人。

「何このバイク、チョーかわいいんだけどォ!」 とキャッキャする若い女の子。

筆者はそうしたファンたちの姿を、実ににもったいない気持ちで眺めていました。

ホンダが語るモンキー製造中止の理由

先述の原付が置かれた厳しい状況に加え、更なる環境規制によって姿を消すという50㏄のモンキー。

しかも50周年というタイミングでの製造中止になるのはやはりに悲しいことだと思います。

そこで筆者は、モンキーブースにおられたホンダの技術説明員の方に次のように尋ねてみました。

今回の製造中止は、一ファンからすると、お上から環境適応の名のもとにいじめられているような気もしてくるわけですが、メーカーとして こんなに小さなバイクにまで規制が課されることというのは、やはり手痛いものだとお感じになりますか?

すると技術説明員の方は…。

はい、環境規制は世界的な枠組みの中で決められたものですから、積極的に順守していかなければなりません。
しかしその中で今後の環境規制等々に合わせていくと、どうしてもフレームなどをこれまでのものに変えて新しくする必要が出てきたんですね。
モンキーのおもちゃのような小さい車体や折り畳みハンドルなど、モンキーの愛らしい特徴はモンキーが登場した当時の法令基準で車体をずっと造ってきたからできたものです。
多方検討の結果、モンキーをこのままの形で継続させることは困難という判断になりました。
大変残念ですがこのモデルをもってモンキーは製造中止となります。
ただ、今後もホンダは皆さんに喜んでいただける製品を造ってまいりますので、どうぞご期待ください。」

 

説明員さんのお話にはありませんでしたが、ホンダの技術をもってすれば規制に適合した車体を生み出すことはできないことではないと思います。

しかし、すべてを全く新開発してセールス面まで考えると、現実離れした価格になってしまうという予測もあったのではないでしょうか。

モンキー125に望む価格

一説によるとモンキー125の価格は相当高くなるという話もあります。

現状、ラストモンキーが33万6960円で、モンキー125のベースといわれるグロムが35万1000円です。

そうしたことも踏まえ、筆者が予測するモンキー125の価格はズバリ36~38万円。

いずれにしてもモンキー125の価格は上記2車種の価格帯内に抑えられると筆者は見ています。

価格がグロムとそうはは変わらないとみるのは、グロムをベースとしている点を重視した結果です。

筆者の在米時代には街中で、グロムを沢山見かけました。

そしてモンキーもまた、海外にマニアックなファンを多く持っています。

グロムのようにモンキー125をアジアの生産拠点から世界戦略車としてグローバル展開して分母を増やす。

単純に考えて、グロムと多くのパーツを共有できれば、価格の上昇も抑えられると思います。

やはり125になってもモンキーには、マニアだけでなく幅広い層のライダーに親しまれるファンバイクとして、価格も相応のものであって欲しいものです。

早く出してほしい!!

 

多くメディアでは8月か9月に発売されると予想していますね。

しかし、筆者はもう少し早いのではないかと思っています。

この記事は2017年3月のものですが意匠登録、つまり形状の特許登録はこの段階ですでに済んでいるわけです。

「意匠登録」は発売までを意識したバイクに対して多く行われるもの。

ショーモデルのあのクオリティーも市販状態に極めて近く、足りないところといえば三角マークくらいなものでしょう。

また東京モーターショー以降、黄色い展示モデルとは別のカラーリングを施したモンキー125の写真を目にするようにもなってきています。

つまり、すでにそうした量産先行車があるというのは、生産ラインの整備も進んでいるのことが考えられます。

こうした状況を踏まえると、早ければゴールデンウィーク前、遅くとも新車がお披露目されやすい7月の鈴鹿8耐直前。

その時期を皮切りに、ナンバーがついたモンキー125の姿が、街中でも見られるのではないでしょうか。

まとめ

モンキーは極めて趣味性の強いファンバイクです。

遡れば、このモンキーの原型となはったのはZ100。

 

かつて東京日野市にあったホンダ系列のモーターテーマパーク「多摩テック」(1961~2009年)。

この中にあったバイク体験アトラクションの乗り物が発展していったのがモンキーです。

つまり、こういう「おもちゃ感覚」も、誕生以来の「モンキーの精神」と考えていいでしょう。

モンキーをはじめ、こうした原付の代表車種が次々に125㏄化されるなか、

50㏄のミニバイクとして世界を代表する車種を失ったことを惜しんでホンダの方に伺った筆者です。

しかし、今考えれば、「モンキーがなくなるのをどう思うのか?」というその質問は無粋だったのかもしれません。

カブに50㏄が残ったように、今後は原付一種は実用車としての道に「回帰」し、原付二種はファンバイクの世界観を広げていく傾向も見て取れます。

つまり、「なくなった」のではなく、モンキーは125㏄という新しいステージを与えて、その楽しみをより大きく羽ばたかせようと考えたのではないでしょうか。

今後は125㏄までのバイクの免許制度が改訂され、より多くの人々に間口を広げるものと見らています。

モンキーは「50㏄時代」よりも末永く、多くの人の「遊び心」を広げ、新しい時代に125㏄のファンバイクの旗手となってこれからも発展を続けるでしょう。




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