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やっと出会えた

2010年に初代が発売されて以来大人気のホンダPCX。

2012年6月には待望の150㏄モデルであるPCX150が発売され、ビックスクーターとは一味違う楽しみ方をリードしてきました。

2018年4月20日のフルモデルチェンジでは外観や装備に、これまでにないほど質感のアップが図られました。

今回筆者は、ようやく発売から2か月遅れとなりましたが、PCX150を試乗取材をさせていただくことができました。

実は今回、125㏄の新型PCXの試乗車を探していたのですが、残念ながら近隣のお店ではどこも新型の試乗車をお持ちではないとのこと。

聞けば現在売れに売れているため、試乗車を用意している余裕がないのだそうです。

でも、結果として原付2種+アルファの世界を垣間見ることができたので、PCX150での試乗はラッキーでしたね。

今回は神奈川県・川崎市にあるホンダドリーム川崎中原様のご協力を得て、PCX、そして150㏄スクーターの魅力を探訪します。

機能的で質感豊かな外観

ホンダのカタログにもありますが、今回のモデルチェンジでは、かなり「プレミアム感」が演出された外観となっています。

一目でわかる存在感

ライト周りはミラー付近まで美しくつながるLEDのコンビネーションライトが、小柄なPCXを大きく見せています。

機能面でもこのフロントマスクのラインは、スマートな風の流れを作ってくれそうで、きれいだと思います。

ビックスクーターほど余りある大きさは無いものの、その佇まいはこうして街中の風景の中にあって、キリリとした存在感を放っていますね。

恐らく、スクーターが並んで走っていたとしても、一目見でPCXと分かるでしょう。

ハンドル回りにはクロームが多用され、この煌めきもプレミアムな感じです。

恐らくこれはスクーターに一つ上の価値観を持たせたいというホンダの意思の表れでしょう。

そして、ちょっと目立ちにくいところですが、タンデムステップの造りにもプレミアム感へのこだわりが感じられます。

磨き上げられたステッププレートが、なんとなくゴルフのアイアンヘッドに見えてくるのは筆者だけでしょうか?

先代モデルよりも幅が広がり、開いてみると、ラバープレートが追加されているのでより機能的になっています。

テールビューも、新型になってかなりキレのある感じになりましたね。

日中撮影でこの角度だとわかりずらいのですが、

テールライトは上下2段で幅を大きく取りながらもスリムに見えるデザイン。

ウインカーの収まり方もかなり機能的だと思います。

後日車に乗っていてPCXに抜かされたとき、「なるほどこれは見やすいな」と、このテールランプの際立った視認性の良さに感心しました。

機能的に質感を高めるのがPCX流。

その認識は実車をじっくり見るにつけ、次第に強くなっていくのでした。

ダブルクレードルの機能的なゆとり

実車を前にすると、写真で見る以上に全体が3次元的でグラマラスな造形であることがわかります。

特にこのフットレストの周りの造形は見事ですね。

旧モデルにもこうした造形は見られたわけですが、新型ではエッジが立って、陰影がくっきりした感じがあります。

今回のPCXからはダブルクレードルタイプのフレームが採用されているのですが、フレームの写真を見ると、この豊かな外観が複雑なフレームワークをうまく包み込んでいることがわかりますね。

例えば同じホンダのDio110のフレームは、フレームがフロアパネル下を通るアンダーボーンタイプとなっています。

カタログ写真を見てわかるように、アンダーボーン+大径ホイール車の場合、どうしてもつま先回りのスペースに余裕が小さく、しっかりひざを曲げて乗るかたちになりがちです。

PCXとしては先代からこの辺りの処理がうまく、脚をやや投げ出したようなゆったりとした姿勢で乗ることができるのです。

このおかげで、125㏄相当の車体に乗っていることはいつの間にか忘れてしまいそうに…。

このゆとりの大きさもPCXの魅力の一つでしょう。

ダブルクレードルフレームの採用は主に運動性能を上げるのが目的。

それ以上に、全体に大きなゆとりを生むことにも繋がっているようです。

実際シートに座ってみると、この盛り上がった部分の下につま先が入るかたちになります。

これはライダーの中に「贅沢な乗り物に乗っているんだな」という気持ちを持たせてくれる心憎い演出。

単に飾りを盛ったプレミア感ではなくて、しっかりと機能性が考慮されているところにも、ホンダらしさを感じます。

トランクスペースにワクワクを入れよう

シート部分も同じように、3次元的なシャープな曲線が、見る人に美しい印象を与えています。

シートも前後に長く、タンデム走行にもゆとりが期待できますね。

シート高は旧型から4mmプラスされた764mm。

やはりこれもカタログを眺めているときにはあまり気づかなかったことですが、シートの前部の盛り上がりは意外に大きく見えます。

シートを開けてみるとそれも納得。

シート先端の盛り上がりには車載工具がコンパクトに収納されていて、容量に大きな余裕を持たせているのがわかります。

その容量は堂々の28リットル。

旧モデルのトランクスペースが25リットルでしたから、この3リットルアップは大きいですね。

重量は最大10㎏までOK.

タンデムツーリングでパッセンジャーのヘルメットの置き場に困ることもなさそうですし、ソロツーリングなら何を入れましょうか?

そして収納はこれだけにとどまらず、

左側のサイドポケットは500mlのペットボトルを収めることができます。

また、このサイドポケットにはさらに、12v1Aの外部電源ソケットが設けられています。

これなら、スマホなどを充電することはもちろん、ナビにする場合に便利でしょう。

こうした豊かな収納性の高さはスポーツバイクからすればちょっとうらやましいところ。

125㏄でももちろんですが、150㏄ならば楽しい道具を目いっぱい詰め込んで、スポーツバイクとは違った新しい遊び方にワクワクできるかもしれませんね。

さらなる質感を実感する装備

今回からPCXは乗用車のようなキーレスエントリーシステムを採用しています。

これまでの鍵穴シャッターも若干面倒な部分でしたから、操作性もかなりスマートになったわけですね。

写真の様にICタグには2つのボタンがあります。

上のボタンはコールバックボタンで、これを押すとハザードが点灯します。

数多く販売されているPCXだけに、駐輪場で「自分のPCXはどれだ?」ということもあるのかもしれませんね。(笑)

また、やたらと他人にイグニッションスイッチを回されては困ります。

下のボタンはイグニッションスイッチのロックボタン。

これを押しておけばイグニッションスイッチは回らないので、ひとまず安心ですね。

ICタグを持っていれば、イグニッションワンプッシュすることで写真の様にイグニッション回りのLEDがが青く点灯。

これでイグニッションの操作が可能になります

この状態でイグニッションスイッチを左に回して右ハンドルのスタータースイッチを押せばエンジン始動、右に押し回しでハンドルロックがかかります。

また、その中間のSEAT/FUELのポジションにすることで、横のスイッチが有効となり、シートやフュエールリッドの開閉ができます。

トランクスペースの機能性については既に申し上げた通り。

フュエールリッドの位置も、給油のたびにしゃがみ込むようなものではなく、跨ったままトリガーを操作しやすい位置にあるので機能的だといえるでしょう。

ちなみにタンク容量は8リットル。

ヤマハのN-MAXが6.6リットルなので、ライバルと比較して航続距離にも余裕があるわけですね。

お伝えしているように新型PCXは、外装全体のイメージや跨ったときのゆったりとした余裕もプレミアム感が感じられます。

こうしたインターフェイスにもそれをたっぷりと味わう演出がなされているのですね。

この反転液晶のメーターパネルにも上質へのこだわりは抜かりなく、視認性の良さに加え、奥行きのある質感が演出されています。

「スクーター=安っぽい乗り物」?

実車をしっかりと見つめて、イグニッションをオンにして跨ったとき、その概念をそのまま持ち続けることの方が難しくなる。

それこそがPCXの真骨頂と言えるでしょう。

豊かさを求める足回り

「細い」といわれていたタイヤも今回からワイド化されて、安心感が向上しています。

フロントは90/90-14 M/C 46Pから100/80-14M/C 48Pへ。

ブレーキディスクは220mm径。

今回の試乗車は標準タイプのPCX150なので、ブレーキは「コンビブレーキ」が装着されていました。

コンビブレーキは左右いづれかのレバー1操作で前後ブレーキがかかる機構。

これまでのホンダのいろいろな車種に搭載されています。

PCX150<ABS>を選べば、フロントのみがABSとなり、コンビブレーキではなくなります。

好みもわかれるところですが、恐らく他社スクーターからの乗り換えならABSの方がおすすめかもしれませんね。

ちなみに、いずれのタイプもリアブレーキはドラム式になっています。

リアタイヤも100/90-14 M/C 51Pから120/70-14M/C 55Pへ変更。

前後共に扁平率を上げワイドにしたことで、操作性もかなり期待できます。

リアの足回りは、3段に変化するバネレートを持ったサスペンションを左右に備えるツインショック。

街中のお散歩走行から高速走行まで、様々な走行を支える広汎性が与えられています。

排気量ダウンながら馬力はUP

パワーユニットは低燃費とパワー両立が図られた「eSP」を採用。

この「eSP」エンジンはホンダのスクーター系において主力をなすもので、旧モデルでも採用されていました。

ちょっと面白いのは新旧のエンジン諸元比較。

2018年型 2014年型
エンジン型式 KF30E KF18E
総排気量(cm3 149 152
内径×行程(mm) 57.3×57.9 58.0×57.9
圧縮比 10.6:1 10.6:1
最高出力(kW[PS]/rpm) 11[15]/8,500 10[14]/8,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)  14[1.4]/6,500 14[1.4]/5,000
車両重量(kg) 131 131
燃料消費率
(km/L)WMTCモード値
(クラス)
46.0
(クラス 2-1)
〈1名乗車時〉
45.6
(クラス2-1)
<1名乗車時>

参照元;ホンダ2018年型PCXスペック紹介ページ / ホンダ2014年型PCX紹介ページ

ここで面白いのは、排気量が旧モデルの152㏄から149㏄へダウンサイズされていることです。

これはストロークが57.9mmと同じながら、内径が58.0mmから57.3mmへと小さくなったことによります。

これによって燃費も若干よくなっているのですが、それでいて最大出力が14psから15ps(ともに8,500rpm時)に引き上げられているのです。

(ちなみに初期型PCX150からは2psUPとなります。)

また、最大トルクは同じ14N・mながら、こちらは発生回転数が5,500rpmから6,500rpmになっています。

つまり、これまでより高速走行を意識して高回転域での使い勝手を上げる工夫がされたものだというのがわかりますね。

さらに、フレームやエンジンなどこれだけ手が入っているにもかかわらず、総重量が変わらないというのも驚くべき点だと思います。

市街地走行の乗り味は?

今回はホンダドリーム川﨑中原さん付近の市街地をおよそ3㎞程走ってきました。

平々凡々としたコースですが、それだけにスクーターの良さというのがわかりやすいコースだと思います。

走り出してみると、まず楽なポジションに気持ちもゆっくりと和んでいきました。

恐らくフロアタンクの搭載位置とエンジンの位置が絶妙で、車体の重心位置をできるだけ中央にしているのでしょう。

おかげでスクーターにありがちな後ろ重心によるフロントのフラフラ感がありません。

フレームも新調され、タイヤの安定感の向上としっかり感の増したサス。

これは乗っていて安心感がかなり高いですね。

PCXは、強制空冷ではなく、ファンがラジエーターユニットを冷やす水冷式。

このおかげで、走行音もかなり静かで振動も少なく、余計なストレスを感じない点がうれしいですね。

特に停止時にはアイドリングストップが働いて、実に静かな信号待ちです。

アイドリングストップの状態からアクセルを開けるだけでスターター作動音もなく自然に加速できるのもいいですね。

しかし、渋滞などでストップ&ゴーを繰り返す状況ではこの機構が煩わしくも思えてきます。

ただ、右ハンドルスイッチを「IDLING」側にすればキャンセルすることもできるので、そこは気が利いたものだと思いました。

かっての2スト通勤快速のような「猛烈ダッシュ」はないものの、アクセルにもスムースに反応し、中速あたりからルォーっと車速が伸びていく特性。

以前筆者はN-MAX125にを試乗していますが、この伸びの感じには「さすがに150だな」という力強さを感じました。

今回高速道路には乗りませんでしたが、この伸びの良さならICの合流などで緊張する必要もないでしょう。

積極的に曲がっていこうとする性格ではないものの、余計な動きをしないコーナーの安心感。

これは、歩行者の切れ目に極低速で曲がる交差点などでも、しっかりと感じることができました。

ブレーキに関しては、コンビブレーキなので便利といえば便利です。

ただ、やはりリアブレーキとアクセルワークで機敏な動きを工夫をしたいライダーには、フロント・リアの操作がセパレートになるABSの方がおすすめですね。

いずれにしても、しっかりとした上質な乗り味。

通勤・通学だけに使うとしたら、ちょっともったいない気がします。

原2より先の向こうへ

近年多くの人々にその存在感を見直されている125㏄クラス。

中でもAT限定免許で気軽にのれる125㏄スクーターは、小ぶりながら50㏄以上のゆとりを活かして、パーソナルな遊び方ができるのが魅力です。

最近では、いつもの通勤・通学で通り過ぎながらちょっと気になっている路地の奥を覗いて小さな冒険を楽しむ。

そんな「ピンクナンバーツーリング」も流行っているのだとか。

しかし、そんな楽しみ方にプラスして、150なら高速道路走行が可能になるわけです。

街間は高速で移動、目的地では125㏄の様に街を路地裏まで細かく探訪。

そんな風に、原付2種の楽しみ方をあと一歩大きくしてくれるのが150㏄スクーターの魅力ではないでしょうか。

今回、新型となったPCXが求めたプレミアム感は、単に外観だけではなく、走りの中にもしっかりとそれを感じることができます。

それはきっとスクーターに「単なる生活の足」以上に、ワクワクできる価値観を創造したいホンダの意思でもあるでしょう。

皆さんもお近くのお店でPCXの上質な世界観にワクワクしてみるのはいかがでしょうか。

試乗車検索はこちらからどうぞ。

試乗車協力店のご紹介

今回の試乗車は、ホンダドリーム・川﨑中原様にご協力をいただきました。

ホンダドリーム川﨑中原様では今回のPCX150の他、アフリカツインやCB1000R、さらにはレブル250の試乗車も用意されています。

試乗をご希望の際には事前にご連絡の上お試しください。

きっと本稿の内容がご確認いただけると思いますよ。

取材協力では大変ご丁寧なご対応で感謝しております。

ありがとうございました。

紹介写真参照元;ホンダ技研工業(株)PCXプロモーションページ




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