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市販 231PSの衝撃

比類なきデザインが見る人を魅了し、スーパーチャージャーに過給された最高出力205馬力のエンジンは、ライダーを瞬時に別時限へといざなう。

Kawasaki Ninjya H2は、Kawasakiが、いや日本が世界に誇る驚異のスーパースポーツバイクです。

この夏、KawasakiはH2のモデルチェンジを発表。

進化は孤高の高みへと突き進み、最高出力はGPマシンに限りなく近い231馬力にまで引き上げられました。

「市販車で231馬力」

競技ライセンスを持たない一般ライダーにとってこれはもはや別世界。

既に、様々なメディアがこの新型H2について報じている中、筆者としては新型H2の素晴らしさも然ることながら、

「231馬力のマッスルバイクが、今のバイクシーンにとってどんな存在となるのか?」

このことに深く興味を持ちました。

というわけで今回は、先日発表された2019年型Kawasaki Ninjya H2 の進化の内容をご覧いただきながら、「市販車で231馬力」の夢について考えていきたいとい思います。

2019年型 Kawasaki Ninjya  H2の進化

既に2018年8月10日より導入国での受注が開始されている2019年モデル。

国内仕様の発売も期待されるところですが、それについてのアナウンスはまだのようです。

いづれにしても、まずはその姿をご覧いただきましょう。

外観には5つの変更


Ninjya H2 2019年モデル

Ninjya H2 Carbon 2019年モデル

Ninjya H2R 2019年モデル

H2Rは公道走行不可のサーキットモデル。

従来型ではなんと310PSを発揮し、600万円近いプライスも同様に、紛れもないモンスターマシンだといえるでしょう。

ちなみにこちら↓が2015年型Ninjya H2。

ご覧の様に、カウルに若干グリーンのワンポイントが加わったくらいで、引きの絵では外見的にはさほど大きな変化を感じません。

見分けるならグリーンのワンポイントと、スーパーチャージャーの赤いエンブレム

「どこが変わったの?」

と聞くならば、外見上でその答えは5つ。

一番わかりやすいのは、クラッチケース上にあるスーパーチャージャーのエンブレム。

「SUPER CHARGED」と書かれていただけだったカバーには、写真の様に新たに赤い模様と、スーパーチャージャーのインペラを模したデザインがアクセントとしてあしらわれています。

恐らく新型と従来モデルとを見分けるには、この部分を見分けるのが一番手っ取り早いでしょう。

タイヤ・ブレーキがグレードUP

2つ目は、標準タイヤがブリジストンの最新スポーツタイヤ、BATTLAX RACING STREET RS11になったこと。(RはスリックのV01)

このタイヤセットが軽快なハンドリングを演出し、231PSの猛烈なパワーを受け止めながら加速する様は、想像するだけでもすごいですよね。

また、Fブレーキキャリパーに変更が加えられた点が3つ目に数えられるでしょう。

新型ではブレンボのストリート用ものブロックキャリパーの中で、最新最上級モデルの「Stylema」を使用。

ピストンの冷却性能がUPし、従来モデルよりも小型軽量化もされているので、ブレーキ性能だけでなく、ハンドリング性能の向上にも一役かっているものと思われます。

4つ目はちょっとわかりづらいのですが、新たにナンバー灯もLED化されたこと。

見えざる変化にNinjya技

既にH2はヘッドライト・テールランプ・ウインカーがLED化されているので、これですべての灯火類がLEDとなったわけです。

そして5つ目の変化、これは恐らく見ているだけではわからないところですが、外装に施されている塗装が、「自動修復塗装」になったことです。

「ハイリーデュラブルペイント」という特殊塗装。

これはあくまで、浅い小傷に対応するということですが、常温で1週間もすれば元に戻るという、忍びの術のような特殊コーティング。

目立たないところで凄いことをするとは、まさにNinjyaですね。

TFTフルカラーメーター+Bluetooth

メーターパネルを「外観」と言っていいのかわからないので数えませんでしたが、新型のメーターはH2SXのも採用された、TFTフルカラー液晶パネルを採用。

ツーリングモードでは上の写真の様にシンプルな表示ですがSXとはデザインが異なります。

そしてスポーツモードに切り替えると、中央に加速度のリアルタイムモニターが表示されるほか、スーパーチャージャーの過給圧やスロットル開度、ブレーキ効力の強さなどもここに表示。

さらに新型でこのメーターはBluetooth対応になりました。

「RIDEOLOGY THE APP」というアプリをインストールすれば、スマホで車両情報や走行ルートを確認したり、スマホへの電話・メールの着信をパネル上に表示させることも可能です。

電話やメールの着信表示は、運転中にちょっと集中力を欠くことになりそうですが、チャージャーの過給圧表示は欲しいかもしれませんね。

熟成されたスーパーチャージャー

冒頭お伝えしているように、今回の2019年型Ninjya H2シリーズ(H2Rを除く)のパワーユニットは、市販車として驚愕の231PSへと進化。

このエンジンを語る前に話しておかなければならないのは、今年初めにリリースされたばかりのH2のツーリングモデルNinjya H2 SXについてでしょう。

Ninjya H2 SX SE ↑

SXでは、H2のエンジンをリファインしながら吸気口の面積を小さくし、パワーと燃費とのバランスを図った「バランス型スーパーチャージャー」の採用が特長です。

その他にもSXでは、インテークチャンバー(他車でいうエアクリーナーボックス)を樹脂製ではなくアルミ製として、新規の技術もいくつか採用されました。


H2 SXのアルミインテークチャンバーと吸気システム

今回の2019年型H2では、SXで採用されたアルミ製インテークチャンバーが採用され、これに合わせたリファインパーツ(プラグ・エアフィルター)も採用されています。

さらに、スーパーチャージャー本体もSXのバランス型ではなく、純粋に加速性能を求めて熟成されたことで、最高出力205⇒231PSという飛躍的な増強がもたらされたわけです。

市販車231馬力をどう捉える?

筆者も若いつもりでいましたが、80年代レプリカブームの話をすると、既に大学生の親の年齢であることに気づかされる昨今です。

若い方の中は恐らく当時の開発競争のメーカーとユーザーの「熱気」までは想像できないことでしょう。

今冷静に振り返れば、あの熱気はある種「クレイジー」と言ってもいいかもしれません。

ともかく毎年毎年、下手をすれば一年を待たずしてフルモデルチェンジしていくレーサーレプリカたち。


FZR400Rなどは89年春に登場後、同年秋には90年型FZR400RRが発表された。

メーカーは技術の先進性を競い、それを見守るユーザーたちも、装備の進化とスペック競争に目を奪われていました。

当時のバイクシーンは「速い」ということそのものが先進でしたし、何より珍重される価値観でもあったように思います。

今もスーパーバイクはスピードに夢を見るライダーにとってこの上ない魅力を放っています。

しかし、そればかりを追いかける時代でもなくなったと思うのは筆者だけではないはず。

アドベンチャーバイクやネオレトロといったそれまでなかったカテゴリーのバイクたちが登場し、スピードよりもむしろ、バイクに体験や出会いを求める形でバイクが求められる時代。

VERSYS-X250 TUORER ↑

大きな積載量を誇る小排気量車の存在も、バイクニーズの多様性を象徴している気がします。

少なくとも、盲目的にスピードだけを祭り上げる時代は終わっている中で、231馬力のモンスターマシンの登場をどう捉えようか?

お断りをしておけば、筆者はH2を否定しているのではありません。

乗りやすさはもちろん、速さであったり、パワーの面でも技術の進歩と言うのはあるべきで、その高みを見せてくれているH2にはやはり夢を感じます。

筆者が驚いているのは231、馬力そのものではなく、これを報じるメディアとユーザーの冷静さ。

これが1980~1990年当時であったならば、メディアはこれを「戦闘力」と書き立て、煽られたユーザーも熱くなり、他メーカーがさながら応戦するかのように次期モデルを送り出したはず。

見回してみればいつの間にか、バイク人口は当時の10分の1になり、バイクの生産量も当時の限定仕様車並みになっています。

つまり、分母が限りなく減った中で多様なバイクニーズに対応しているのが現代のバイク市場。

60万円前後で手に入った当時のレプリカを思えば、今のSSの高さもこのためと納得するしかないわけですね。

それを差し置いても、バイクの方向性が多様に選べる中、231馬力もその選択肢の一つとして冷静に受け止められている。

スピード一点主義的に近かった当時を思えば、市場の醸成が高度に進んだものとみて良いと思います。

まとめ

先日筆者は、グループで東北復興支援ツーリングに行きました。

この中で筆者は、Ninjya H2 SX SEで参加された方にあったのですが、思ったのは、「このバイクなら、東京から石巻までの距離感も大きく感じないかもしれない」ということ。

ハイパワーを誇るSXですが、このパワーがライダーにとって大きなゆとりになっていることに気づかされました。

そもそもバイクが素敵だと思われるか、「コワイ」と思われるかもライダー次第。

勘違いをすれば、またあちこちの峠が「二輪通行止め」になっていった二輪締め出しの時代に逆戻り。

231PSと言えば、GPマシンとほぼ同等です。

所有感に対する満足も相当にあるものと思いますが、やはりビッグパワーになればなるほどライダーのマナーや紳士性が問われるのは間違いないと思います。

どうか2019年型H2のオーナーになられる方には、技術の高みをかみしめつつ、見る人に夢を与える紳士的なライダーであってほしいと思います。

2019年型 Ninjya H2シリーズの諸元はこちらです。

 

写真参照元;KawasakiモーターサイクルMCN Latest BikeNews

記事参照元;ヤングマシンWEB版Webikeニュース




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