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「変わらない」と言う進化

ヤマハ・トリッカーは2004年に「フリーライドブレイクバイク」という全く新しいコンセプトで登場。

一切の無駄を削ぎ落したコンパクトな車体は、そのコンセプト通り操る楽しさを気軽に体感できると、登場以来高く評価される一台です。

二輪車平成28年排出ガス規制への適合に向け、昨年惜しまれながらもいったん製造を中止していたトリッカー。

セローとフレームやエンジンを共有するセロー250がこの夏、これまでのフォルムを継承して復活したのは記憶に新しいところですね。

この秋、トリッカーも「変わらないという進化」をもって復活を果たしました。

今回は9月20日に新発売となる、ヤマハの新型トリッカーの魅力に迫ります。

新旧の判別はエンジン回りのみ

環境基準をクリアし、復活を果たした新型トリッカー。

今回のモデルチェンジでは、

  • エンジン左前部にガソリンが大気中に蒸散すること防ぐキャニスターが設けられたこと。
  • 排気ポートにエアを送るヘッドのインダクション(二次空気導入装置)が廃止されたこと。

  • より精密にインジェクションをコントロールするO2センサーがエンジン右側のエキゾーストパイプに増設されたこと。

セローでは、ナンバー取り付け角についての法改正に適合するため、テールデザインがXT250と同じになったのである程度判別しやすいのですが、トリッカーにデザイン変更はありません。

外見で新旧の判別ができる変更点は上記の様にエンジン回りの3点だけ。

シンプルなライト周りのデザインも、特にデジタルになることもなくそのままです。

ですからどちらかと言うと、フルモデルチェンジと言うよりは、環境性能についての改良版と言っていいかもしれませんね。

燃費向上がうれしい新型

外見的には大きな差がない新旧のトリッカー。

しかし新型はこの環境適合のおかげで馬力や燃費を向上させているので、より扱いやすくなっているようです。

新旧の諸元を比較しながら見てみましょう。

年式 2018年型 2014年型
型式
2BK-DG32J JBK-DG16J
原動機型式 G3J9E G370E
全長×全幅×全高 1,980×800×1,145(mm)
軸間距離 1,330mm
最低地上高 280mm
シート高 810mm
車両重量 127kg 125kg
エンジン種類 空冷4ストロークOHC 2バルブ 単気筒
総排気量 249cm3
内径×行程/圧縮比 74.0×58.0(mm)/9.7 74.0×58.0(mm)/9.5
最高出力 14kW(20ps)/7,500r/min 14kW(18ps)/7,500r/min
最大トルク
20N・m(2.1kgf・m)/6,000r/min 19N・m(1.9kgf・m)/6,500rpm
燃料消費率 45.2km/L(60km/h)
2名乗車時
39.0km/L(60km/h)
2名乗車時
使用燃料 無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量 7.0L 7.2L
トランスミッション形式 常時噛合式5段
ギヤ・レシオ 1速;2.846
2速;1.812
3速;1.318
4速;1.035
5速;0.821
キャスター/トレール 25°10’/92mm
タイヤサイズ 前;80/100-19 49P
後;120/90-16 63P
メーカー希望小売価格

467,640円

42万7,600円

性能や使い勝手に対して主要な違いを書き出してみました。

ご覧の様にバイクの大きさは全く一緒でアライメントにも変更はありませんが、2㎏程車重が増量しているのがわかります。

エンジンは燃焼室の形状が若干変わったようで、ボアストロークは同じながらも、圧縮比を上げていますね。

その結果、最高トルクが1N・mほど高くなり、それを500回転低い6000回転で発揮。

低速の出足もよくなって、街乗りも泥んこ遊びも、さらに楽しさが増していると思います。

馬力についてはキロワットをPSに換算するときの小数点の切り捨て差異だということですが、素直に2馬力アップしたと思えば、それもうれしい変更です。

また、キャニスター増設に絡んで燃料タンクが7.2→7.0Lになった点はやや残念ですが、定置燃費が6.2キロも向上しています。

元々タンク容量が控えめなトリッカーですから、この燃費向上はありがたいですね。

何よりありがたいのは、価格の上昇を抑え、車体税込み50万円以内をキープしてくれたこと。

セローよりも約10万円安の価格設定で、街中はもちろん、ちょっとしたヒルクライムまで楽しめるバイクが手に入るのですからこれはお買い得と言うほかないでしょう。

トリッカーにできること

2004年の初代誕生当時、250㏄クラスと言えばビックスクーター全盛の時代。

ハイパワー化する大排気量車に人気が集まるなか、小排気量車の存在感がなんとなく空洞化している時代でもありました。

「小さくて軽いからこそ扱いきれる楽しさ」でバイクの楽しさの本質を改めて世に問うたトリッカーの登場は、実にセンセーショナルなものだったと思います。


2004年型トリッカー

当時いち早くトリッカーを手に入れた筆者の友人も「旬なバイク」とうらやましがられていましたね。

休日はトリッカーで林道や河原のオフロードコースに繰り出していた友人。

「このバイクは遊べる!」と、今でもその満足顔が思い出されます。

馬力で行ってしまえば、筆者の乗っていた初代モデルは18馬力(新型は20馬力)と少ない数値ですが、下のトルクはモリモリと太く、のびやかな加速がとても気持ちの良い乗り味でした。

高速道路ではさすがにガンガン飛ばせるタイプのバイクではなく、タンク容量も小さいので、ツーリングではこまめな給油が必要なのは仕方ないところ。

恐らくこれはインジェクションが搭載された2008年以降のモデルからタンク容量が増したので、多少良くなっているのでしょうね。

ホイールベースは1,330mmと短く、48°というハンドル切れ角は街中で非常に機敏で扱いやすいですね。

操っている感覚がとにかく楽しくて、例えば通勤で疲れて帰るときにすら、楽しい気分にさせてくれたバイクです。

休日のオフロードコースでは、さすがにモトクロッサーのようなジャンプは厳しいのですが、アクセルターンやウイリーなど結構なアクションを思いっきり遊べます。

実はそのコースには崖があって、筆者とは別にトライアルバイクの一団が練習をしていたのですが、そのうちの一台がなんとトリッカー。

トライアルバイクの後を追って、そのトリッカーが90°の崖をグワッと登っていくんですよ。

もちろん、ライダーの技と言うのもあるのですが、やっぱりトリッカーのポテンシャルに驚かされた瞬間でした。

先述「ちょっとしたヒルクライムも楽しめる」と言いましたが、それはこのときのお話です。

乗るたびに発見のあるバイク

通勤の足からオフはもちろん、筆者の場合、実は新婚旅行もトリッカーだったんです。

なのでこのバイクにはいろいろと思い入れがありますね。

SS系のバイクを乗り継ぎ、「パワーこそバイク」と思ってきた筆者でしたが、トリッカーの楽しさには常に発見があり、バイクの楽しさの本質を学んだような気がします。

トリッカーはビギナーにも楽しいバイクですが、特に長い間大型バイクに乗り続けてきたようなライダーにはお勧めですね。

きっとトリッカーに乗れば走りなれた道でも、いろいろな初体験ができると思います。

発売は9月20日。

一人でも多くの方に、トリッカーの持つ個性的な「フリーライドブレイクバイクの世界を味わってみてほしいと思います。

映像・諸元参照元;ヤマハ発動機




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