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その走りに「らしさ」はあるのか?

2018年10月2日にINTERMOTO(ドイツ・ケルン)で発表された新型SUZUKI KATANA。

初代KATANAの革命的な登場を知るファンからは既に、

この新型KATANAが、「刀」を名乗るにふさわしいものなのかどうか?

既に相当な物議をかもしていますね。

確かに、フェアリングからタンクにかけてエッジの効いたデザインには、先代の面影を未来に伝えようというこだわりが見てとれます。

しかし、短く切り詰めたカフェスタイルのテールデザインや、ヨーロッパで主流となっている「ハイパーネイキット」としてのアップハンドル。

この「新しさ」が「刀の伝統美」に相容れないと考える人が多いのかもしれません。

ただ、現段階では一般の人でこのカタナの乗り味を知る人は居ません。

乗り味にこそ「刀としての品格」があるのでは?

これまでそんな期待を持って、筆者はこの新型KATANAについてお伝えしてきました

ようやく刀がアンベースを迎え、エンジンや車体・電装パーツなどがヨーロッパでパーツ群の写真とともに公開され始めました。

今回はそうした資料を基に、新型KATANAの乗り味や「刀らしさ」を読み解いていこうと思います。

GSX-Sとは違う味付け

GSX-S1000ベースの車体として紹介される新型KATANA。

ですが、エンジンは現行のGSX-S1000のものを、そのまま流用したものではないようです。

元K5エンジンにはKATANA専用の味付?

まず、諸元をいろいろ比較しながら見ていこうと思います。

新型KATANA GSX-S1000 GSX-R1000(K5)
エンジン形式 水冷・4サイクル・直列4気筒 / DOHC・4バルブ 水冷・4サイクル・直列4気筒 / DOHC・4バルブ 水冷・4サイクル・直列4気筒 / DOHC・4バルブ
総排気量  999 cm3 998cm3  999 cm3
ボアストローク(mm) 73.4 x 59.0 73.4×59.0 73.4 x 59.0
圧縮比 12.2 : 1 12.2:1 12.5  1
最高出力
110kW〈150PS〉 / 10,000rpm
109kW〈148PS〉 / 10,000rpm 131kW〈178PS〉 / 11,000rpm
最大トルク 108.0 Nm /9,500rpm 107Nm
/ 9,500rpm
117Nm
/ 9,000rpm
装備重量 215kg 209kg 166 kg
〔乾燥重量〕

73.4mmボアと59.0mmストロークのロングストロークエンジンは3車共通。

圧縮比はGSX-S1000同様K5から落とした12.2で、常用域での扱いやすさを求めた形になっているようです。

ただ、今回のKATANAではカムプロファイルの見直しが図られたことにより最高出力・トルク共に向上。

GSX-S1000比6kgの装備重量増もあり、数値的にはわずかですが、エンジンフィールとして、恐らく使いやすさやパワー感にはっきりとした違いを感じるのだと思います。

スロットルボディーはGSX-S1000と同じくデュアルスロットルバルブを採用。

KATANAではこれにLOW RPM ASSISTシステムが追加されています。

これはV-Strom1000などではすでに採用されているシステムで、エンストしそうな状況で自動的にエンジンの回転数を上げてエンストを回避するもの。

極低速下でのクラッチ操作に安心感と快適性をプラスする装備となっているので、かなり街乗りが楽になるでしょうね。

GSX-S1000にもシフトダウンをスムースにするスリッパ・クラッチは採用されていますね。

欧州SUZUKIの解説によると、KATANAではこれに加えて「スズキ・クラッチ・アシスト・システム(SCAS)」が装備されているようです。

これによってスポーティな走りから、ロングツーリングなどでの乗り心地の両方をサポートされ、ワインディングルートへのツーリングも楽しいものになるかもしれませんね。

欲を言えば、これにクイックシフターなどもあれば、快適性は増すものと思います。

しかし、これについてメーカーからアナウンスはなく、公開されているメーターの写真にも「QS」の文字がないので、恐らく装備されていないものと思われます。

*仕向け地によって変更があることも多いので、日本仕様ではこの辺を期待したいですね。

また、今回のKATANAでは、GSX-R1000から常用域用に見直されたGSX-S1000の排気系構造が、ほぼ同じ形で継承されています。

排気システムは、1と4と2と3のヘッダーパイプの間にイコライザーパイプを備えた4-2-1。

これにより、低中低域の排気パルスが微調整され、集合部の排気チャンバーには、スズキ排気調整(SET)システムが備わり、スロットル位置およびギア位置から算出バタフライバルブの開度を調節。

これにより低速からアクセルを開けた時に、トルクの「モリっと感」がプラスされる仕組みです。

元々、音にもこだわった造りになっているので、そのあたりも楽しめるのではないでしょうか。

電脳はGSX-S1000譲り

GSX-S1000はトラクションコントロールシステムを搭載。

一秒間に250回というきめの細かい制御で、前後ホイールのスピード差からスリップを感知するとコンピューターが瞬間的に出力を抑え、発信を滑らかにしています。

ハンドル左のボタンで1~3の走行モードを選択することができ、スロットルの反応を、市街地・雨天・サーキットなど走行状況に合わせて選択。

ちなみに上の写真は日本のスズキサイトにあるGSX-S1000のものですが、このスイッチ形状もKATANAでは同じものを採用しています。

また、イージースタートシステムが搭載されるのもGSX-S1000と同じ。

通常エンジンの始動にはエンジンがかかるまでスターターボタンを押したままにするのですが、これは一度「ポチッ」とボタンを押せばしばらくスターターを増さし続けるシステム。

冬場はバッテリーに気を遣う必要があそうですが、使ってみると便利な機能です。

今回の新型KATANAでも同様のシステムが採用されているのですが、エンジンの内容がカムを中心に変更されていることから考えて、電脳系もそれに合わせたアップデートがあるはず。

発売までに「刀らしさ」をてんこ盛りに詰め込んでほしいですね。

GSX-Rベースの専用インターフェイス

多くのパーツをGSX-Sと共通にしていますが、メーターパネルはKATANAオリジナル。

GSX-S1000では割とシンプルなデザインですが、

KATANAでは「刀」の文字が恐らくキーをオンにしたときに現れるのでしょう。

メーターケースのデザインは、現行GSX-R1000のものに準じたものになっているので、

通常走行では「刀」の部分はGSX-R1000と同じように、距離や燃料などの情報を表示してくれるのだと思います。

ハードな走行を受け止める骨格

ステアリングヘッドからスイングアームピボットまでを直線状につないだツインスパーのアルミフレーム。

KATANAでは今回シートレールが新造された以外はGSX-S1000とほぼ同じものとなりました。

それでもK5のGSX-R1000と同じスイングアームを有しているのは変わらず。

43mm径のインナーチューブを持つ倒立フォークにブレンボのモノブロックキャリパーをラジアルにマウント。

更にBOSCH製のABSユニットが組み合わされ、310mmのディスクを安全に止めてくれます。

こちらもGSX-S1000譲りとなりますが、KATANAにおいても、かなりハードなスポーツ走行に耐えうる性能が期待できます。

この辺りは既にオプションパーツのアナウンスもありますね。

ディメンションに違いは?

先ほどはエンジンに関する諸元を比べましたが、ここでは車体のディメンションを比較していきたいと思います。

新型KATANA GSX-S1000
全長×全幅×全高(mm) 2125/830/1110 2,115 / 795 / 1,080
ホイールベース 1,460mm 1,460mm
地上高 140mm 140mm
シート高 825mm 810mm
キャスター角 25° 25°
トレール 100mm 100mm
Fタイヤサイズ 120/70ZR17M/C(58W) 120/70ZR17M/C(58W)
Rタイヤサイズ 190/50ZR17M/C(73W) 190/50ZR17M/C(73W)
燃料タンク容量 12.0L 17L

これを見てもやはり、GSX-S1000から遠くない変更の中でKATANAが生み出されていることがわかります。

キャスター角やトレール幅も同じなので、骨格としてはシート高を15UPさせることで味付けを変えている模様。

ーナーでマシンを左右に振り下ろす感じであったり、操り感といったものはGSX-S1000より優り、それが新型KATANAの乗り味になっているのだと思います。

灯火類はすべてLED。

新世代のバイクとしての「顔」をを持ちながら、そこに先代の面影を落とし込むというのは難しいことだったでしょうね。

これをKATANAとして受け入れるかどうか、それを正確に判断するには2次元の画像だけでは無理なのかもしれません。

まとめ

さて、ここまでお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。

結論としてはGSX-S1000の単なるスキンチェンジではなく、微妙なさじ加減で「刀」としての走りを演出しているように見えます。

『きっと走りの中にこそカタナらしさが?』

そう思って書いてきたわけですが、こうして諸元を並べてみると、多くのカタナファンが言うように、

多くのパーツをGSX-S1000に依存しているために、

「突き抜けた新しさがない

というのも否めない感想です。

これがしんがたKATANAに対する批評の根本的原因かもしれませんね。

今回筆者は、SUZUKIのメディアカンファレンスを同時配信で見まていした。

この中では、

「新型KATANAで伝統の刀・日本のモノづくり精神を世界に」

いうアピールが高らかにありました。

しかし、画期的な機構をふんだんに持つ現行GSX-R1000を開発した会社としては、その言葉に達するべきゆとりを多く残しすぎたのではいか?

それが今まさにファンがもどかしいと感じているところではないかと、今回の諸元比較を通して感じました。

しかし、それだけのSUZUKIだからこそ、実車を持ってそんな「もどかしさ」をもブッた斬ってくれるんじゃないか?

来年春以降の発売まで、そんな期待を持ちながら待ってみる。

それも、平成の次の時代を迎える楽しみの一つかもしれません。

 

解説画像出展元;

Suzuki GB PLC KATANA

スズキ自動車株式会社/二輪ラインナップ/GSX-S1000

スズキ自動車株式会社/二輪ラインナップ/GSX-R1000




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