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新しいセローへの期待

2018年8月31日に待望の復活を果たしたヤマハ・セロー250。

 

既に店頭でも見かけることが多くなり、「今度はこれを買うぞ」と期待している人も多いことと思います。

旧来からセローは様々なレビューの中で、

「親しみやすい」・「ちょうどいい」・「意外なほどタフ」

といった、高い評価を受けていますよね。

当然セローはマウンテントレイルバイクなので、林道やオフロードでのハードな走行を期待するオーナー候補の方もおいででしょう。

しかし一方で、通勤・通学の足から長距離ツーリングまでをこなす、「付き合いやすさ」に期待されている方も多いはず。

そこで今回は、ヤマハ発動機販売様から1週間ほど新型セローをお借りして、「普段使いのセローの魅力」を確かめていこうと思います。

目にも優しいセローの外観

いろいろな写真等で、既に見慣れたはずの新型セロー250。

しかし、実車で味わうその雰囲気は、筆者の印象を新たにするものでした。

自然光で見る外装の美しさ

実車を前にまず気付くのは、画面を通して見るよりも鮮やかに見えるセローの外観。

自然光の下に置いてみると、このオレンジ色も日の角度によって反射を変える奥深さがあり、しみじみと眺めてしまう美しい色合いに驚かされました。

ちなみに、このほかのカラーのセローを見たときも感想は同じ。

例えば、一番人気といわれるブルーは、深い色合いの青と白のコントラストが非常にきれいで、

セローには欠かせないグリーンは、これまでのグリーンとも違う、穏やかな美しい色をしていました。

スタイルは前モデルをほぼ継承し、それほどの見た目の新しさを感じさせないセロー。

しかし、さりげない外観クオリティーの高さは、セローを迎え入れるライダーの所有感を満たしてくれるところだと思います。

安全を守る新テールランプ

新型セローで一番変化があったのは、兄弟車XT250のLEDテールランプを採用したこと。

実は先日、濃霧の高速道路を車で走行中に、ひときわ明るいテールライトのバイクがゆっくり走っているところに遭遇しました。

追いついてみると、それがなんと新型セローだったのです。

悪天候の中でもこのLEDランプはかなり後方から視認でき、ライダーを頼もく守ってくれる。

このとき筆者はそれを目の当たりにしたわけです。

ヤマハさんによると、これはナンバー取り付け角度の法改正を受けての変更とのこと。

ですが、それ以上に視認性・安全性の面でこの変更は正解だと思います。

足つき性だけじゃない安心のライポジ

兼ねてからセローは足つき性が良いと評判ですが、実際に跨ってハンドルを握ってみると、それだけではないことに気づかされます。

2輪2足がくれた安心感

新型セローのシート高は830mmと、オフ車の中でも低めの設定。

これは、林道などでバイクがスタックしても、両足をぺたぺたと地面につきながら前に進めるようにと考えられたセロー伝統のコンセプトで、「2輪2足」といいます。

筆者の身長は162㎝。

近所でも評判の短足の持ち主ですが、「2輪2足」のおかげでしっかりと両足を接地させることができます。

ポジションが創る視野の広さ

足つき性もさることながら、セローに乗って驚くのは視野の広さ。

ハンドル位置はライダーに近く、適度に幅があるので、上半身のポジションが楽で自由度があります。

また、試乗前はあまり予測していなかったことですが、

自然に上体が直立して、ヘッドアップした姿勢を楽に維持できるので、他のバイクよりも心なしか視野を広く感じるのです。

これは筆者にとって嬉しい発見。

恐らく前傾姿勢に慣れているライダーがセローに乗り換えるのなら、この点はちょっと感動できるポイントかもしれませんね。

手に耳に心地よく馴染むエンジン

エンジンも外観的には大きな変化はなく、諸元上で見る数値の差こそ小さいものです。

しかしその乗り味は、数値の小ささを裏切る程の味わい深さを持っていました。

レスポンスの良さに和む

新型では、燃料タンクからの気化ガス放出を防ぐキャニスターが、エンジン左前に設けられた他

ヘッドの左側にあったエアインダクションが廃止されるなどの小変更を受けています。

そのキャニスターの効果を走行中に感じることはありませんが、

エキパイに追加されたO2センサーのおかげで、インジェクションの燃料制御が緻密になっているのだと言います。


*エンジン背面に見える金色のパーツがO2センサー

諸元では2PSのパワーアップとトルクアップが数値として見て取れるのですが、確かに初速のトルクはよく粘り、高速域まで伸びていく加速感は心地よいもの。

先代モデルとの差を知らなくても、その感触の良さはしっかりと感じることができます。

何よりアクセルの応答性はレベルが高く、市街地から高速走行さらにはワインディングまでの多様な走行条件下でも、状況に応じた扱いやすさを存分に発揮してくれます。

耳なじみの良い音質

サイレンサー出口の口径が旧型よりも若干太く長くなったというのも、外見的に少ない変更点の一つ。


↑旧型

↑新型

内部構造にも変更を受け先代よりも「音に雑味がなくなった」と、いろいろなメディアが報じています。

新型のアイドリング音を収録してみましたので、ちょっと確かめてみましょう。
(約55秒ほどの動画・音量にご注意を。)

高音域にメカメカしい雑味がなく、ホロホロと耳馴染みの良い音がしますね。

バイクでギャロップを愉しむ

空冷単気筒というと、その音は「鼓動」として表現されることが多く、ドカドカと打ち付けるようなイメージのある方もいるかもしれません。

ですが、セローの場合は「鼓動」というより、4足動物の「ギャロップ」のように軽やかな快音。

走り出しの音も撮ってみましたので、ちょっと確かめてみましょう(約17秒ほどの動画・音量にご注意を。)

乗り手を急かさないパワーフィールは実に馴染みやすく、アクセルを開ければタララランっとかけていく加速感が耳を和ませてくれますね。

この音を聞きながら、だんだんと心がほどけていくような気がしてきました。

しなやかな動きがハッピー

ライダーの入力にしなやかに応える車体の応答性。

これはエンジンの軽やかさと共に、セローの走りを上質なものにしている大きな要素の一つでしょう。

セローが自信をくれる

装備重量133kgの軽い車重と相まって、21インチの大径フロントホイールもバランスのとりやすさに貢献してるように思います

例えばUターンなど、大型車では躊躇するような細やかな操作。

セローなら2輪2足の安心感もあるので、臆することなくクルリと向きを変えられるのはうれしいところです。

恐らくこれは、ビギナーやブランクの長いリターンライダー等が自信を深めるのにぴったりなのではないでしょうか。

もちろん経年ライダーにとっても、この操安性の良さは相当に楽なものだと思います。

やっぱりこれはカモシカなんだ

今回は、手初めに走り慣れた街道を走ってみたのですが、

「この道、こんなに滑らかだったけ?」

と思うほど、路面の凹凸が目で見るよりも穏やかに感じられました。

セローの素直な応答性に心が和みタララッと駆けていくギャロップ感が耳を癒していく。

さらに、しなやかな足回りはごちゃついた日常までも吸収してくれているかのようです。

本来無機質なバイクに乗っているはずなのに、距離を重ねるほど、何か有機的な相棒と時を共有している気分になっていきます。

『なるほど、ギャロップしているのはカモシカ(セロー)なんだ』

それに気づいたころ、筆者はセローと一緒にハッピーな気持ちになっていました。

250ccのカモシカ

市街地で基本的なセローの動きを確かめた後、筆者はセローをショートツーリングに連れ出しました。

高速クルーズも難なくこなす

実は試乗前、『セローは高速走行があまり得意ではない?』という先入観を持っていた筆者ですが、セローはその懸念を良い方向に裏切ってくれました。

料金所からクラッチスタートののち、アクセルをややワイドに開ながら加速。

エンジンは右手の動きにしっかりとついてきてくれて、リアサスが「ウっ」と粘っている感じには、健気さと頼もしさを感じました。

本線に合流してさらに速度を増していっても、車体がうまく振動をいなしてくれていて、疲れを及ぼすような振動を感じません。

また、80㎞/h程度なら音のボリュームは上がるものの、ラーーっという音は至ってまろやか。

100㎞/h程になっても思考を邪魔するような音に変わることはなく快走してくれます。

いつもの風景が新鮮

先述の通りセローは視野が広く、市街地では交差点などで人や車の動きがわかりやすくなるのを感じていました。

高速に入るとさらに、青空と緑の木々コントラストを美しく感じ、雪を戴いたばかりの富士も色鮮やかに見えています。

そして向かったのは、筆者にとって馴染みの峠道。

軽い車体と手馴染みよい操作性は、ワインディングでもリズミカル。

ヘッドアップした姿勢が視覚的な情報量が多くしてくれるので、コーナーを大きく捉えながら気持ちよくコーナーに入っていくことができます。

コーナーの先に視線を送りながらリーンに合わせてアクセルを開けていくと、それに応えてラララッと踊るように向きを変えてくれるのが実に爽快です

タイヤもサスも良い仕事をしてくれるので、多少ギャップに挙動を乱すような心配はなく安定をキープ。

もちろんゆっくりと流しているのですが、タイトなコーナーも視線を送って抜重するだけでスッと決まり、スピードに関係なく楽しめました。

今回はオフロードコースや林道ではなく、あえてセローをワインディングに持ち込んだわけですが、今回の試乗テーマである「普段づかいのセロー」を知る上でも恐らくこれは正解。

小さな数値の先入観にとらわれないバイクの楽しみ方を、セローが教えてくれた気がします。

お財布にも優しいセロー

今回の試乗では、ヤマハのバイクアプリ「RevNote」を使って燃費を計測してみました。

市街地と高速道路、そしてワインディングを含む約80㎞を走行し、平均燃費は40.0km/L。

最高値は市街地+高速道路での使用で41.0㎞/L。

最低値はワインディング走行+市街地での値です。

燃料消費率 国土交通省届出値
定地燃費値
48.4km/L(60km/h) 2名乗車時
WMTCモード値 38.7km/L(クラス2, サブクラス2-1) 1名乗車時

引用元;ヤマハ発動機/セロー250〔価格・仕様〕

メーカー諸元もこのくらいの数値を示しているので、今回の数値はまんざらでもないと思います。

ただ、新型セローは、定地燃費が先代より8.4Kmも向上しているわけで、既にセローでこのアプリをお使いの方なら、

「イヤもうちょっと行くでしょ」

とお思いになるかもしれませんね。

これはライダーの軽量化が課題と反省しております…。

いずれにしても、この距離での給油総額はわずか1,711円。

セローは心にもお財布にも優しいバイクだと思いました。

まとめ

実は、お借りしているセローにはETCが付いていなかったので、今回久しぶりに「一般ゲート」をくぐることになりました。

出口では「こんにちは~」と挨拶しながら、チケットを収受員のおじさんに手渡したのですが…。

「セロー、どうですか?」

ニコやかな顔を上げて迎えてくれた初老のおじさん(収受員さん)は、開口一番にそう尋ねてくれました。

聞けばおじさんは、昔オフロードに夢中になっていたとのこと。

多くのライダーから長く支持されているセローだけに、セローを見る人の中にそれぞれのセローがあり、楽しんだ時代が思い起こされるのかもしれませんね。

ETCの有無もありましたが、こうして世代の違う人と会話が弾んだのは、間違いなくセローがくれた豊かな時間。

支払いをしている間にじっくりとセローを眺めながら、少年の目になっていくおじさんの微笑みに、

『セローは人の情緒を深めながら元気にしてくれるバイクなのだな』

と深く印象づけられた今回の試乗でした。

新型セロー250は、既に色々なお店に試乗車が配備されているようです。

こちらに試乗車検索をつけておきますので、みなさんもぜひ一度セローの乗り味を体験してみてください。

きっと、その優しい乗り味は日ごろのモヤモヤを癒されてくれることでしょう。

 

車両協力;ヤマハ発動機販売株式会社




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