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HONDA クロスカブ/110/50発売 カブの遊びをもっと楽しもう!

実用車を遊ぶという発想

写真の中でしか見ることができなかった新型バイクたち。

まるで春を知らせるかのように、次々と発売されていますね。

そんな中、ホンダは2018年2月5日に新型車「クロスカブ110/50」を正式発表しました。

発売は2月23日、今回は50㏄版を引き連れての登場です。

今回は東京・青山のホンダ本社「ウエルカムプラザ」にある展示車をレポートの題材に、クロスカブの持つ遊び心について考えていきます。

スーパーカブシリーズをアレンジした遊び心豊かなスタイルで、早くもデビュー前から話題の新型クロスカブ。

2017年の東京モーターショーでのホンダは、2輪4輪共同の展示スペースのど真ん中に大きくスーパーカブの展示スペースを構えていましたね。

クロスカブはその一角に「販売予定車」というクレジットとともに飾られていました。

展示を見た段階から、「ずっと気になっていた」という人も多いのではないでしょうか?

関連記事; 「東京モーターショー2017 HONDA(ホンダ)新旧スーパーカブまとめ」

モーターショーでのカブの展示では、初代のC100から様々な世代のカブが並べられ、ちょっとした時代展示のようでもありました。

実用車として時代の底辺を支え、世界の人々に自由をもたらしてきたカブの歴史。

その中で異彩を放っていたのが「ハンターカブ」の愛称で親しまれるCT110です。

ちょうどこの写真にも写ってますね。

今回のクロスカブは、このハンターカブのいわばネオレトロモデル。

ハンターカブ(CT110)は1981年に発売され、日本はもとより海外でも多くのファンを持つモデルです。

ハイアップマフラーは当時の流行りでもありましたが、そこから溢れんばかりの「遊び心」を感じますね。

ついついマフラーに目お引き込まれがちですが、改めて見てみると、フロントがミツマタから変わっていて、頼もしさを感じです。

どうしてもカブというと、あのウインドシールドが実用車としてのイメージを強くしているように思います。

ただ、あの卓越した燃費性能、耐久性も実用車ゆえのもの。

しかし、そんなカブだからこそ、「その親しみやすいキャラクターをフルに活かして遊びきりたい」。

という気持ちが沸き、それが「ハンターカブ」を形作っていったのでしょうね。

実用車を遊びの方向にアレンジする。

そんなおしゃれな先輩たちの発想には感謝したいものです。

カブを遊ぶ

いじって遊ぶという面では、モンキーやエイプも面白いわけですが、使い方を工夫して遊ぶのがカブのだいご味でもありますね。

その可能性を広げた点で、ハンターカブの足跡は大きく、ハンターカブなき後もカブシリーズに「遊び心」を求める声が脈々とあったように思います。

2013年に発売された先代クロスカブも、そんなハンターカブの影を再現し、カブにもう一度カジュアルな可能性を広げようという意図があったのでしょうね。

確かにハンターカブのイメージを落とし込もうとする意図は見えるののですが、ハンターカブほど開放的になれていないというか…。

目立たない色とはいえ、レッグシールドもそのままだったので、どちらかというと実用車のイメージから抜け出せない感じもなきにしもあらずです。

新型では、生産が熊本工場に移管された現行カブ。

これをベースに細かな改良が加えられ、外観もより「ハンターっぽくなった」のが今回のクロスカブの大きな特長だと言えるでしょう。

こうして見てみると、やはりレッグシールドのあるなしは、ハンターカブの持っていた「遊び心」を演出する意味でも大切な部分なんですね。

業界的にとって今や原付二種クラスは、減少を続ける2輪需要の救世主です。

しかし、その需要のメインがスクーターで、用途としても通勤や買い物といった実用的なものに限られるのだという統計もあります。

それゆえ、せっかく原付2種で獲得した新規ユーザーに2輪の楽しさを味わってもらい、彼らのバイクライフの発展につなげていくというのが業界の課題なのだそうです。

つまり、単なる「足」以上に楽しいバイクの魅力を、次世代のユーザーの間に深められるキャラクターが、この原付2種のクラスに求められるわけです。

既にホンダにはグロムという選択肢もあるわけですが、カブはホンダの中で「原点」としてとても大切にされている車種。

「カブで遊び、カブを遊ぶ」

ホンダは、きっとそれが、新しい世代の人々にバイクとの幅広い付き合い方を広げる最高の方法だと考えたのかもしれませんね。

クロスカブのこだわり

実用車のタフさから汎用性をちょっと差し引いて、親しみやすい遊び心をプラスする。

恐らくそこがクロスカブのこだわり。

エンジンは整備性アップ

エンジンはベースとなるスーパーカブ同様の109㏄。

また、今回からスリーブの打ち方やピストンのコーティング方法が変わり、静粛性がアップしていると言います。

ミッションは走行時常時噛み合い式4速リターン。

カブに乗ったことがある人ならお分かりのことと思いますが、

一般にカブのミッションは「N⇒1⇒2⇒3⇒4⇒N」のロータリー式です。

このため、ギアポジションをうっか忘れてしまうと、4足の先でNに入って失速、さらに慌てると速度が乗っている状態で1速に入れてびっくりしたり…。

そんなあるあるを解決するため、新型では停車時のみにロータリーチェンジができるようになっています。

つまり、走行中は4速の先に入らないようになっているけれど、信号待ちなどで停まれば、4速からカシャっとニュートラルを出せるというわけです。

もちろんカブですから、遠心クラッチでクラッチ操作が不要。

しかも、これまでカブにはありがちだった変速時のギクシャク感も軽減が図られ、さらに扱いやすさが増しているそうです。

この配慮は特に初心者にとってありがたいものですよね。

ライディングポジションは?

先代ではオーストラリアの郵政カブがベースになっていたので、ハンドル位置が日本人にとってはやや高めだったと言われています。今回のモデルチェンジでは日本人の体形を考慮したハンドルポジションになって、より親しみやすくなっているのだそうです。

実車に跨ってみるとミラーやメーター類の視認性もよく、ハンドルの位置は自然な感じで、確かにに親しみやすいポジションであることがわかります。

体が垂直になってハンドル幅も適度に広いので、全体的なポジションはスタンダードのカブからすると一回り大柄な印象を受けますね。

足つき性についても、スタンダードのカブよりほんの少しかかとが浮く感じになります。

しかし両足で接地することができ、ひざにも余裕があるので、楽なライディングポジションを維持することができるでしょう。(筆者身長162㎝)

随所に光る遊び心

フロントフォークに取り付けられたフォークブーツがハンターのイメージを踏襲させています。

ただ、ミツマタからすっかり変わっていたハンターの思い切り良さからは、やや控え目にも見えますね。

走行状態は試せなかったものの、跨った段階でのしっかり感はかなりのものでしたよ。

マフラーはハンターカブのイメージを継承するヒートガードがおしゃれです。

新規の環境規制をクリアするために最適化された触媒が内装されています。

しかし、よりハンターらしさを求めるファンからは、アップマフラーを望む声も出ているようですね。

でもそのあたりは、アフターメーカーさんたちががうまく料理してくれるのを期待しましょう。

いじって工夫するのも、楽しい「バイク遊び」のうちですからね。

さらに実車をしっかり見ていくと、タイヤもスタンダードとは違ってビジネスライクなものではなく、セミブロックタイヤが採用されています。

そのパターンはちょっとしたデュアルパーパスのようでもあり、アドベンチャーバイクのようでもあり。

この点が実車を前に一番「なるほどぉ~」と感心させられる点でした。

やはりタイヤというのはそのバイクのキャラクターを、見た目から占う面において大変わかりやすいものだと思います。

なのでこのセミブロックパターンは、カブに遊び心を与える重要なポイント。

まさにクロスカブは「街乗りアドベンチャーバイク」。

スタンダードのカブ以上に、実用的な距離の近さを提供するだけでなく、多くの人々の生活と2輪との間柄を近くしてくれる楽しい存在になるでしょう。

50㏄に遊び心を

今回のモデルチェンジで一番大きいのは、なんといっても50㏄がラインナップに加わったことです。

そもそも「カブ」という名前はクマなどの「猛獣の子」という意味。

子獣のかわいらしさ満点のクロスカブ50(CT50)。

まずは110との違いをざっと見ていくことにしましょう。

エンジンは?

エンジンは現行カブの49㏄エンジンを搭載。

試乗レポをいくつか見て共通しているのは、「初速のトルクがモリモリしていて非常に力強い」ということです。

この辺はやはり、「使えて楽」というカブ本来のキャラクターが活かされていると言えるでしょう。

また110同様、触媒とインジェクションの最適化で、新規の環境規制をクリアしています。

メンテナンスの関しては、今モデルからは110/50ともにカートリッジ式オイルフィルターを採用。

先代までは「遠心オイルフィルター」というものがついていて、遠心力でオイルの中の遺物を取り除くようになっていました。

カブは「間違った整備をしても壊れない」と言われることがあるのですが、この機構もそう言わしめる要因の一つ。

清掃にはクラッチケースの分解が必要だったので、オイルフィルターの採用で整備性がかなり向上したと言えます。

ただその分、「ずぼらな整備は受け付けない」ということになったのかもしれませんね。

車格はPROベース

クロスカブ50(CT50)

最初に写真で見たときは、その小さめなホイールサイズから、「リトルカブがクロスになった」と思っていました。

↑リトルカブ50

しかし、これを確かめようとホンダの方にお話を伺うと、これはトルカブベースではなくて、

↑スーパーカブ50PRO

こちらのスパーカブ50PROをベースとしたものなのだそうです。

クロスカブ50にまたがってみると、両足はべったりと接地し、しかも膝を曲げることができるので、相当に余裕をもって乗ることができます。

確かにスタンダードのスーパーカブ50と比較すると、リトルほど小さくはなく、シート高などポジション的にスタンダードとほぼ同じ。

「リトルで造ってくれたら女性ライダーの小柄さも受容できるのになぁ」と、ちょっと残念に思ったのは低身長の妻を持つ筆者一個人の感想です。

でもホンダさんとしては走破性と扱いやすさやをプラスすることで、楽しめる幅を広げたい意図があったのでしょうね。

フロントフォークがテレスコピックになっているPROがベースならタフですから、原付ライダーのちょっとした「アドベンチャー心」も受容してくれるかもしれません。

メーター類は110に準じて視認性の良いものになりますが、スイッチ類はProと同じものです。

110にあるかっちりした感じがないのはちょっと残念かもしれません。

いづれにしても、カブをよりカジュアルなスタイルで楽しめるのは確かで、エントリーユーザーにとって、クロスカブ50は素晴らしい相棒になってくれるでしょう。

クロスカブ50の夢

現在50㏄(原付一種)は30㎞/hの速度規制や二段階右折など、今の交通にとってかなり不利な要素が嫌われ、毎年大幅に出荷台数が落ち込んでいます。

そして、減少するユーザーに対して課される環境対応は原付市場をより苛酷にしています。

コストと需要のバランスが崩れることを危惧して、2017年にはヤマハとホンダがまさかの業務提携を発表。

スズキ自動車の鈴木修会長をして「50㏄はいずれなくなる」というほどで、このクラスの劣勢は危機的に深刻な状況です。

しかしこれまで通り、簡単な講習のみで安価に取得できる原付免許を必要とする人たちは、決して切り捨てられるほど少なくありません。

近年いわゆる「3ない教育」が終焉を迎え、地方の合併などで通学距離が大幅に延びる高校生の足として活用する動きも出ています。

50㏄は、これまでもこれからも、弱い立場の人に自己実現を果たす可能性を広げる手段として欠くことのできないものです。

また、原付のと出会いは若者が機械に慣れ親しむきっかけを作るものでもあります・

実際、筆者の知る人の中には大きな設備を扱うエンジニアがいて、彼も「きっかけはカブだった」と豪語していました。

そんなふうに、カブは誕生以来多くの人の「夢の翼」として自己実現の背中を後押ししてきた存在です。

既に50㏄でマニュアルミッションを備えた車種は絶滅が危惧されているところですよね。

バイク本来の価値観を十分に発揮できないでいる今の原付一種。

それだけに「遊べる50㏄」を廃さないことは大きな意義があるわけです。

モビリティーの未来を底辺から考え、それを末永く創造し続けるホンダの姿勢には拍手をせずにいられない思いがします。

ただ、そう少しだけ値段が抑えられれば…。

そう思うのは、もはやわがままなのでしょうか?

まとめ

今回は新型クロスカブがまもなく発売ということで、クロスカブが醸し出す「遊び心」をキーワードにいろいろと考えてみました。

カブでもキャンプに出掛けたり、相当な旅をする人もいますね。

大型車種に乗っていて、たまに原付に乗って思うのは、同じ距離を乗っても原付の方が圧倒的に距離を長く感じることです。

つまり、短距離でも内容深く楽しむことができるし、大型車種が高速で一っ跳びという距離なら大冒険が楽しめるのが原付のいいところ。

クロスカブはそんな遊び方にぴったりなバイクで、「バイクで遊ぶ」ということの意味を次世代につなげてくれる大切な車種になると思います。

クロスカブ110/50諸元

販売価格(税込み)

クロスカブ50 / 291,600円  クロスカブ110 / 334,800円

クロスカブ50/クロスカブ110 主要諸元

↑ メーカーホームページより引用

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