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電動スーパーバイクをサーキットで体感、Lightfighterのデモツアーが示すEVバイクの現実解

電動スーパーバイクをサーキットで体感、Lightfighterのデモツアーが示すEVバイクの現実解

これから大型バイクに乗りたい方、最近免許を取ってサーキット走行に興味が出てきた方に向けて、今回は少し未来の話をします。アメリカのスタートアップ「Lightfighter(ライトファイター)」が、電動スーパーバイクのサーキットデモツアーをカリフォルニアで始めました。EVバイクと聞くと「航続距離が短くて使えない」というイメージが強いと思います。実は私もそう思っていた一人です。ただ、サーキットという場所に限れば話は変わってきます。今日はその理由を、旅と長距離を生業にしてきた私の視点から、初心者の方にもわかりやすく解説します。焦らず、順番に見ていきましょう。

そもそもLightfighterって何者?

Lightfighterは、南カリフォルニア発の小さな電動バイクメーカーです。AMA(北米の二輪レース統括団体)のMotoAmericaというロードレースシリーズに参戦しており、レース現場で鍛えたノウハウを市販プロトタイプに落とし込んでいます。今回登場する車両は2台。スーパースポーツ仕様の「V3-RS」と、ハンドルバーが高めのストリートファイター系「V3-RH Super Hooligan」です。スペックを噛み砕くと、16kWhのリチウムイオン電池を積み、出力は約154馬力、トルクは120lb-ft(約163Nm)。車重は399ポンド、つまり約181kgです。リッタースーパースポーツが200kg前後であることを考えると、かなり軽い部類に入ります。フレームはクロモリのトレリス(鋼管を組んだ骨組み)で、ドゥカティやKTMでお馴染みの構造。ホイールはOZレーシングの鍛造、ブレーキはブレンボと、足回りはガチの本気仕様です。私はTenere 700で林道を走るのが日常ですが、この数字を見たときに「軽さは正義だな」と素直に思いました。電動なのに軽量、というのが今回の肝です(出典: https://www.rideapart.com/news/797357/lightfighter-all-electric-superbike-motorcycle-track-demo-tour/)。

EVバイクは何が変わる?公道とサーキットの決定的な差

EVバイクの最大の弱点は航続距離です。現状、市販の電動ロードバイクは満充電でも160km前後しか走れないモデルがほとんど。私のように1日500km、600kmを平気で走るツーリングライダーにとっては、正直まだ実用範囲に入りません。Africa Twinに乗っていた頃、北海道の道東で給油ポイントを探した経験がありますが、あの不安をEVで味わうのは現状厳しいです。ところがサーキットは事情が違います。連続走行は20分前後で、ピットに戻ってクールダウンするのが一般的。その間に充電すれば、ガソリン車と同じリズムで走れます。しかも電動モーターはアクセルを開けた瞬間から最大トルクが出るので、コーナー立ち上がりの加速は圧倒的です。さらに排気音がないぶん、騒音規制の厳しいサーキットでも走行時間に制限が出にくいという地味なメリットもあります。日本でも住宅街に近いコースほどこの恩恵は大きいでしょう。「使える場所を絞れば、EVは弱点が消える」。これが今回のデモツアーが伝えたい核心です。技術はまだ過渡期ですが、適材適所という考え方は初心者ほど知っておいて損がありません。

初心者目線で見るメリット、ここが嬉しい

サーキット走行に興味はあるけれど、リッターSSはちょっと怖い。そんな方にこそ、EVバイクは案外向いていると私は考えます。理由は3つあります。1つ目はクラッチ操作がないこと。Lightfighterはシングルスピード、つまりギア変速がありません。教習所を出たばかりの方が恐れる「立ちゴケ」や「半クラ失敗」のリスクが、構造的に減ります。2つ目は出力管理のしやすさ。電子制御スロットルとトラクションコントロール、回生ブレーキの設定がMotec(モーテック、レース用ECU)でこまかく調整可能です。最初は出力を絞って、慣れたら解放、という乗り方ができます。3つ目は熱対策です。真夏のサーキットで2万kmを走ってきた経験から言うと、エンジンの熱は本当に体力を削ります。EVは股下からの放熱が少なく、夏場の連続走行が驚くほど楽だと聞きます。もちろん、初心者がいきなりLightfighterに乗るわけではありません。ただ「将来こういう選択肢がある」と知っているだけで、バイク選びの視野は確実に広がります。焦らず、自分のペースで情報を集めれば大丈夫です。

注意したい点、ここは冷静に見るべき

良いことばかり書いても仕方ないので、現実的な話もしておきます。まず価格。Lightfighterは「Design Partner Program」という早期顧客向けプログラムを用意していますが、参加費はおよそ10万ドル、日本円で1500万円超です。市販版の価格はまだ未発表ですが、量産が始まっても安価にはならないでしょう。次に充電インフラ。日本のサーキットで急速充電器を備えている場所はごく一部です。筑波、富士、鈴鹿でも、本格的なEVバイク対応はこれからの課題と言えます。さらに、サーキット走行そのものに必要な装備。革ツナギ、ブーツ、グローブ、バックプロテクター、これらは車種に関係なく必須です。私はCB500Xで初めてサーキット走行会に参加したとき、装備一式で20万円ほどかかりました。EVだから装備が要らない、ということは一切ありません。最後にバッテリーの寿命。サーキット走行は充放電サイクルが激しく、劣化は当然進みます。10年20年付き合うガソリン車とは違う前提で考える必要があります。夢のある乗り物ですが、財布と相談しながら冷静に判断してください。

次のステップ、まず何から始めればいい?

「いきなり電動スーパーバイクに乗れ」とは言いません。順番があります。まずは普通二輪、できれば大型二輪の免許を取ること。教習所では低速バランスとブレーキングを徹底的に体に染み込ませてください。これはEVでもガソリン車でも変わらない基礎です。次に、街乗りで1年は走ること。私はSR400で旅の楽しさを覚え、CB500Xで距離を伸ばす感覚を学びました。今もガレージに残しているCB500Xは、街乗りと予備機として現役です。基礎ができていない状態でサーキットに行っても、得るものは少ないです。そのうえで、ライディングスクールや初心者向け走行会に参加してみる。日本ではHSR九州やもてぎ、袖ヶ浦などで初心者枠が用意されています。EV車両に触れる機会はまだ限定的ですが、レンタルバイク店で電動モデルを試せるところも少しずつ増えてきました。今回のLightfighterの取り組みは、いずれ日本にも波及するはずです。そのときに「自分には関係ない」と思わず、選択肢の一つとして眺められる準備を、今から少しずつしておけば大丈夫です。

まとめ

まずはココを覚えればOKです。EVバイクは公道ではまだ航続距離の壁がありますが、サーキットという限定された環境では、軽さと加速力で十分に戦える存在になりつつあります。Lightfighterのデモツアーは、その可能性を一般のライダーに体感してもらう試みです。日本での市販はまだ先の話ですが、技術の方向性を知っておくことは、これからバイクを選ぶ方にとって大きな武器になります。次のアクションとしては、まず免許と基礎ライディングを固めること。そのうえで、近くの走行会やライディングスクールで「サーキットの空気」を味わってみてください。電動か内燃機関かは、その先の話で十分間に合います。

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