
海外の掲示板で「愛車のホンダ・モトラを手放してCT110ハンターカブに乗り換えるか迷っている」という投稿を見かけました。個人的にはこの悩み、すごく分かるんです。似ているようで性格の違う2台。しかも今どちらも希少で、一度手放したら二度と戻ってこないかもしれない。私はリターンライダーとしてMT-07からCB650Rに乗り換えた経験があるので、「手放して後悔しないか」という葛藤には敏感です。今回はこの投稿を入り口に、モトラとハンターカブという2台の個性、乗り換えというテーマそのものについて、私なりの意見を書いてみます。
目次
私はこう見た、モトラを手放すという決断
正直に言うと、私は「モトラを手放してハンターカブに乗り換える」という選択には慎重派です。理由はシンプルで、モトラは今後まず新車で手に入らないバイクだからです。1982年から数年しか生産されなかった副変速機付きの独特な実用車で、中古市場での価格は年々上がっています。一方のCT110ハンターカブも生産終了車ですが、日本国内では並行輸入や逆輸入車として比較的目にする機会があります。つまり希少性のベクトルが違うのです。私が32歳でリターンしたとき、最初のMT-07を2年で手放してCB650Rに乗り換えました。理由は足つきと重さでした。あの決断自体は正解でしたが、「MT-07のあの低速トルク、もう一度味わいたいな」と今でも思うことがあります。手放したバイクは、記憶の中でどんどん美化されていく。だからこそ、乗り換えは「今の不満」ではなく「次の使い方」で判断すべきだと私は考えています。モトラを手放したい理由が「飽きた」なら、私は待ったをかけます。「明確にこう使いたい」があるなら、背中を押します。判断基準を自分の中で言語化できているかどうか、そこが分かれ道です。
業界視点で見る2台の立ち位置
客観的に見ると、モトラとCT110ハンターカブはどちらもホンダのカブ系派生車で、いわゆる「実用趣味車」というジャンルの原点に近い存在です。モトラは50ccの副変速機付きで、荒れた農道や林道を這うように進むための道具として設計されました。CT110は排気量が大きく、オーストラリアの郵便配達などで長く使われた実績があります。日本のライダーにとってはハンターカブといえば近年のCT125を思い浮かべる方が多いはずですが、初代CT110の存在感はまた別物です。市場価値の観点で言えば、どちらも下がりにくい車両です。むしろ現行のCT125が売れ続けていることで、旧世代のハンターカブへの関心も静かに高まっています。業界的には「小排気量の遊べる実用車」というカテゴリが世界的に再評価されていて、その源流にある2台はコレクション性も高い。ただ、コレクションとして持つのか、道具として使い倒すのかで話は全く変わります。私は乗らないバイクを飾る趣味は持ち合わせていないので、この視点で選ぶなら「自分が毎週乗る方」を残すべきだと思います。所有満足度と稼働率は必ずしも比例しない、というのが経験からの実感です。
ユーザー視点、実際に使うとどう違うのか
ユーザーとして考えると、この2台は用途がかなり違います。モトラは50ccなので日本では原付一種扱い。二段階右折や30km/h制限があり、正直なところ幹線道路の移動はストレスです。ただし林道や畑仕事、キャンプ場内の移動などスローペースの世界では最強クラスです。副変速機のローに入れれば人が歩く速度で急坂を登れます。対してCT110は普通二輪免許で乗れる排気量帯で、高速道路こそ使えませんが一般道の流れには余裕でついていけます。ツーリングの相棒としての実用性はCT110の方が上です。身長158cmの私の視点で言うと、モトラの方がシート高が低く足つきは安心。CT110はカブ系の中では車高が高めなので、小柄な方は一度またがってから判断してほしいところです。私は普段CB650Rに乗っていて、ソロツーリングでは駐車場所やトイレのある道の駅を優先してルートを組みます。CT110ならその発想のまま楽しめますが、モトラでは「近所の未舗装路をぐるっと」という遊び方に振り切った方が幸せです。求める遊び方で答えは自然と出るはずです。
乗り換え賛成派の言い分
乗り換えに賛成する立場の意見も整理しておきます。まず「せっかくバイクに乗るなら行動範囲を広げたい」という価値観の人にとって、CT110は明確に世界を広げてくれます。50ccでは行けなかった隣県のキャンプ場、峠越えのルート、ちょっとした林道ツーリング。これらが視野に入るのは大きい。また、免許を持て余しているケースもあります。普通二輪免許を取ったのに50ccしか乗っていないのは、コスト的にもったいないという声はよく分かります。任意保険もファミリーバイク特約から自動車保険の追加へ変える必要はありますが、活用範囲を考えれば納得できる出費です。さらに、モトラは希少ゆえに部品供給が細くなっており、日常使いで壊すのが怖いという心理的ハードルもあります。CT110も新車ではありませんが、社外パーツやサードパーティのサポートは相対的に厚い。「使い倒す道具」として選ぶならCT110、という判断は十分合理的です。私自身、MT-07からCB650Rに換えたときに「もっと早く決断すればよかった」と感じたので、この気持ちは理解できます。バイクは所有しているだけでは意味がなく、乗ってこそ価値が生まれるという考え方には強く共感します。
乗り換え反対派の言い分と、結論として私が推すこと
一方で反対派の意見も強い説得力があります。最大の論点は「モトラは二度と手に入らないかもしれない」という一点です。相場は上昇傾向で、一度手放してから「やっぱり欲しい」と思っても、当時より高い価格を払うことになる可能性が高い。CT110も生産終了車ですが、モトラの希少性とはレベルが違います。もう一つは「用途が被らない」という視点。モトラは50ccの遊び道具、CT110は普通二輪の実用ツアラー的存在で、そもそも代替関係にないという主張です。私はこの意見に近い立場です。結論として私が推すのは、可能ならば2台持ちを検討することです。駐車場の確保や維持費は現実問題ですが、モトラを手放してから後悔するリスクと、CT110を諦めて後悔するリスク、両方を天秤にかけたとき、答えは「両方残す努力をしてみる」だと私は思います。私のガレージにはCB650Rが1台あるだけですが、小さいバイクの2台持ちは車庫スペース的にも現実味があります。もし本当にどちらか一台なら、日常での稼働率が高い方を選んでください。乗らないバイクほど悲しいものはありません。(出典: Reddit r/motorcycles)
まとめ
私の立場をあらためて言うと、モトラとCT110ハンターカブは代替関係にない2台なので、安易な乗り換えには反対です。ただし免許を活かして行動範囲を広げたい、日常の相棒が欲しいという明確な理由があるならCT110は良い選択だと思います。大切なのは「今の不満」ではなく「これからどう乗りたいか」で決めること。私自身、リターン後の1台目を2年で手放した経験があるからこそ、乗り換えは慎重に、でも決めたら振り返らない方がいいと感じます。皆さんならどう判断しますか。もし迷っているなら、まずは信頼できるショップでハンターカブの実車にまたがってみてください。足つきや取り回しを体感すれば、答えは案外シンプルに出るはずです。
