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旅ライダーコニタンの「台風19号奮闘記」バイクが水没!前編

みなさんこんにちは!

全国をバイクでキャンプと登山して回っている旅のキャンツーライダーコニタンです。

鳥海山登山口にて

いきなりですが令和元年、全国的に大きな被害をもたらした「台風19号」みなさんは覚えていらっしゃるでしょうか?
‎死者99人 負傷者476人 行方不明者3、そのうち一番人的被害が大きかったのは福島県で、死者は30名となった大型台風です。
その少し前の房総半島への台風被害の方が、みなさんの印象には残っているかもしれませんね。

私はこの時、福島県の田村市船引町「奥州福島聖石温泉ベースキャンプ」というところに約1週間滞在していました。

ちょうど2020年8月15日(土)夜22時10分から放送される「激レアさんをつれてきた」という番組でもこの温泉女将が出演、台風の出来事が少し紹介されるようです。

今回は、この旅の仲間達と愛車7台の台風被災、バイク業者さん達にも「奇跡」と口々に言われSNSで反響を呼んだ出来事について記したいと思います。

先日の九州豪雨などで愛車が水没してしまった人たちにも、何かヒントになればと思います。

旅の滞在地、奥州福島聖石温泉ベースキャンプについて

私が滞在していた「奥州福島聖石温泉ベースキャンプ」とは、温泉が1回600円で入ることができ、温泉を利用した人はベースキャンプ場を無料で使える場所です。

更に廃材を使った大型の焚き火(もはやキャンプファイヤー)が無料ででき、温泉のオーナーが時々差し入れのマグロのカマを持ってくるので焚き火で焼いて食べることができるというワイルドな体験も。
※詳しくはこちら

高く燃える聖石温泉名物の焚き火

集まる旅人には国内外色々な種類の人がおり、徒歩、スケボー、自転車、バイク、車、色々な手段で10代〜40代までがいました。
上記のような環境のため、ついつい居心地よくて数日滞在する人もちらほら。その結果、仲間がたくさんできるという場所です。

集まった旅人のバイク達

立地的に磐梯山、安達太良山をはじめとするたくさんの雄大な山々へ日帰り登山も可能。

早朝テントを出てバイクで登山口まで行っては登山を楽しみ、磐梯吾妻スカイラインの紅葉を浴びるようにソロツーリングをして帰り、夜はベースキャンプ場で仲間と焚き火を囲み晩酌をする毎日でした。

安達太良山から縦走できる鉄山への道

台風前夜

台風前日はさすがに雨風が激しいため、ベースキャンプにいた旅人達はテントを撤収し、温泉の広間で寝させてもらい、皆のバイクや自転車は温泉の社長の所有する近隣の倉庫へ入れてもらうこととなりました。

私は直前まで雨の中をツーリングしており、戻るとすでに日はとっぷりと暮れた頃。

「たまちゃんおかえり!」
「濡れたやろ〜!先に温泉入っといで!」
「ご飯できてるよ!」
玄関から顔を出すと旅先と思えない暖かい言葉に迎えられました。

田んぼの間の道を通り、バイクを入れたのですが、まさかこれが「愛車の無事な姿」を見る最後になるとは…。

雨を避けるためキャンプ場の近くの納屋へ入るバイク達

仲間達とみんなでご飯を食べたり酒を交わし、

「明日にはここを出て出発しようかな」
「えー皆明日出発するのかー」
「寂しくなるな」

なんて言いながら時折ニュースを見ていると夜中のうちに台風は通り過ぎました。

雨から逃れる屋内で台風速報を眺める皆

水没1日目:台風一過の朝と全車水没

友「たまちゃん、起きろ。みんなのバイクが大変なことになっとる。」
私「…?はぁ?どしたん?」
友「全員バイク水没や。今倉庫で泥かきだしよるから、とりあえず朝ごはん食べたらおいで。」

まだ畳の上でシュラフに横になったまま、寝ぼけた頭でそんな感じの会話をしたことを覚えています。
起きるとバイク乗りはみんな出払っていて、残っているのは徒歩やスケボーなどバイク以外の旅人だけ。

「(えー、水没ってどんな感じやろか)」と頭で幾度か反復しながら、温泉のオーナーが用意してくれたカレーを食べて、静かな晴れた外に出ると、見慣れた景色がすっかり変わっていました。

積もった土砂で田んぼと道路の境目がわからない

どこを歩いても川という川は全て氾濫し、所々コンクリートは剥がれ、土手は全て大小の土砂崩れを起こしています。田んぼと道路の境目も流れ込んだ泥で見えない…。

水圧で剥がれたコンクリート

「これは思った以上にやばいぞ…。」嫌な予感を募らせながら、深い泥に足を取られながら倉庫に着くと、変わり果てた愛車がいました。

「えー!」「やべぇ!」を連発する私たち。
事実を信じきれない頭は語彙力は皆無。

乗っている泥や草の位置を見るに、ハンドル上まで全て水に浸かったようです。

見るも無残な水没した愛車(シャドウ400)

かわいそうな愛車達を助け出そうにも、まずは手前の泥をかき出さなければ足を取られてしまいます。
各々スコップを持ち、何度も薬品やヘドロと混ざった泥と格闘します。

ある程度泥が抜けたら、廃材の板を持ってきて、その上でバイクを転がし、泥にタイヤが埋まらないよう倉庫から運び出しました。

泥に埋まらないよう板を敷いてバイクを運び出す

そこから更に、軽トラックで1台ずつ安全なところまで運び、分解洗浄します。

皆あまりの惨状を目の当たりにしたからなのか、これだけ人数いれば心強いのか、旅人は強いのか、笑うしかない状況でした。

バイクは復活するのか・・・

後編へ続く!↓

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