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GSX-R600のFIエラーC65発生!スズキ乗りの宿命と電子制御の沼

どうも、こんにちは。今朝、通勤のアドレスV125で信号待ちをしていたら、隣に並んだ新型のカタナに見とれてしまい、青信号の発進でコンマ5秒遅れた西村正人です。スズキ車って、なんであんなに独特なオーラがあるんでしょうね。見ているだけで白米3杯はいけます。

さて、今回は海外のスズキ乗りから「GSX-R600のFIランプが点灯した!」という、なんとも胃がキリキリするような相談が舞い込んできました。私もかつて、変態バイクの代名詞とも言えるアクロスやグース350を乗り継ぎ、SV650でVツインの鼓動に酔いしれ、今はVストローム650で旅するスズキ党員です。スズキのバイクは「質実剛健」で壊れにくいのが定説ですが、電子制御が絡むと話は別。今回はこのトラブルシューティングを通して、スズキ車の愛すべき一面と対策について語っていきたいと思います。

用途別判定:このトラブル、通勤や旅で許容できるか

まず、今回話題になっている2022年式GSX-R600のトラブルですが、結論から言うと「通勤・通学」や「ロングツーリング」では、精神衛生上かなり厳しいと言わざるを得ません。

【通勤での判定:×】
私が愛用しているアドレスV125のような「通勤快速」に求められるのは、何よりも絶対的な信頼性です。朝のラッシュ時にエンストしたり、謎の警告灯がついたりするのは論外。今回の相談者のケースでは「急激なエンジンブレーキ時(スロットル全閉)にエラーが出る」とのこと。これ、渋滞中のストップ&ゴーで発生したら冷や汗ものです。通勤中にFIランプが点灯したら、遅刻の言い訳を考えるのに必死で仕事になりません。

【旅(ツーリング)での判定:△】
私の現在の相棒、Vストローム650は旅バイクとしての完成度が凄まじく、どこまで走っても不安を感じさせない「走る要塞」です。しかし、GSX-RのようなSS(スーパースポーツ)で、しかも出先でエラーコードC65が出るとなると話は別。キーをオフにすれば消えるとはいえ、峠の下りでエンブレをかけるたびに「また点くのか?」とビクビクするのは、せっかくの絶景も台無しになってしまいます。旅は心に余裕があってこそ。マシンへの不安はノイズでしかありません。

おすすめ装備:スズキ乗りなら持っておきたい「神器」

今回のニュースで「おっ、分かってるね!」と膝を打ったのが、投稿者がOBDリーダーとアダプターを使ってディーラーモードを呼び出した点です。

スズキ乗りにとって、この「ディーラーモード」へのアクセスは必須スキルと言っても過言ではありません。昔のモデルならカプラーをクリップで短絡させるという、まさにDIY精神(という名の荒技)でコードを読み取っていましたが、最近はOBDツールを使うのがスマートです。

おすすめ装備としては、以下の2点です。

1. スズキ対応OBD2アダプター
最近のスズキ車はハイテク化が進んでいます。私のVストロームもそうですが、センサーの塊です。スマホと連携できる診断機を持っておくと、ツーリング先でのトラブルシューティングが捗ります。これはもう現代の車載工具です。

2. 純正マフラー(保管用)
投稿者は「M4のスリップオン」を装着しており、純正マフラーを持っていないと嘆いています。これが痛い。スズキの純正マフラーは、排気デバイスやセンサーの最適化も含めて、メーカーが血の滲むような努力で作り上げた「工芸品」です。確かに重いし静かすぎると感じることもありますが、トラブル時の切り分けのために純正部品は手元に残しておくのが鉄則です。捨てちゃダメ、絶対。

費用:カスタムの代償とスズキのコスパ

スズキ車といえば、車両価格の安さと性能の高さ、いわゆるコストパフォーマンスの良さが世界的に評価されています。まさに企業努力の結晶であり、我々庶民の味方です。しかし、一度カスタムの沼にハマると、そのコスパが一気に吹き飛ぶことがあります。

今回のケースで予想される費用感を見てみましょう。

もしこれが単なるセンサーの汚れや調整で済むなら、ショップに頼んでも工賃は数千円〜1万円程度でしょう。スズキの部品は他メーカーに比べて良心的な価格設定が多いので、ISC(アイドルスピードコントロール)バルブ自体の交換になっても、そこまで目の玉が飛び出る金額にはならないはずです。

しかし、もし「フルエキゾーストへの交換」や「ECU書き換え」が必要となれば、一気に10万円コースが見えてきます。スリップオンマフラーを入れたことで燃調が狂い、それを補正するためにさらなる課金が必要になる……。これぞまさにカスタム沼。安く楽しむはずが、いつの間にか高級車並みの維持費になってしまうのは、バイク乗りあるあるで草が生えます。

失敗例:C65コードの正体と変態的な制御

さて、ここからが本題です。投稿者のGSX-R600に出ている「C65」というコード。これ、スズキ車では一般的に「アイドルスピードコントロール(ISC)システム」の異常を示します。

投稿者の状況を整理すると:
・スロットル全閉の急なエンジンブレーキ時に発生
・M4スリップオンマフラー装着
・純正マフラーなし

これ、非常に興味深い現象です。スズキのエンジン制御は非常に緻密で、特に減速時の燃料カットやアイドリングへの復帰制御は芸術的なレベルで行われています。私の推測ですが、社外マフラーに変えたことで排気の抜けが良くなりすぎ(あるいは悪くなり)、急激なエンブレ時にエンジン回転数がECUの想定よりも早く落ち込んでしまっているのではないでしょうか。

ECUは「おっと、回転が下がりすぎだ!ISCバルブを開けてエンストを防げ!」と指令を出します。しかし、排圧の変化で想定通りの回転数に落ち着かない。その結果、「ISCが正しく動いていないのではないか?」とECUが判断し、C65を吐き出している可能性があります。

クラッチワイヤーの問題という説もありますが、最近の車種ではクラッチスイッチの信号もアイドリング制御に関わっています。しかし、C65がピンポイントで出ているなら、やはりアイドリング制御系のセンサーか、アクチュエーターの実動作と目標値のズレが濃厚です。スズキの独自性あふれる制御ロジックが、社外パーツに対して「解釈違いです」と抗議しているようで、なんだか尊い気さえしてきます(病気)。

FAQ:迷えるスズキ乗りへの処方箋

最後に、投稿者の疑問に対して、私なりの経験とスズキ愛を込めて回答します。

Q:C65って結局なに?
A:アイドルスピードの異常です。指定された回転数に制御できていない時に出ます。あなたの場合は、エンブレ時のバックトルクと排気圧のバランスが崩れ、アイドリング復帰の制御がパニックを起こしている可能性が高いです。

Q:ショップに行く前に自分でできることはある?
A:あります。まずはISCバルブ(あるいはスロットルボディ周り)の清掃です。カーボンが溜まって動きが渋くなっているだけかもしれません。あとは、アイドリングの回転数をマニュアル規定値よりほんの少しだけ高めに調整してみるのも、対症療法としてはアリです。ただ、電制スロットルの場合は素人が触ると再学習が必要になるので要注意。

Q:フルエキにすれば直る?
A:直る保証はありませんが、燃調マップの書き換え(ECUチューン)とセットで行うなら解決する可能性は高いです。ただ、ポン付けで解決するとは思わない方がいいでしょう。それは新たな沼の入り口です。

Q:スリップオンマフラーとは無関係?
A:十中八九、関係しています。純正マフラーには排気デバイス(EXUP的なもの)がついていることが多く、低回転時のトルクやエンブレ時の挙動を制御しています。スリップオンでそれを取り外したり無効化したりしている場合、サーボキャンセラーなどが正しく機能していないとエラーの引き金になります。

結論として、スズキ車は「ノーマルが一番バランスが良い」というのは真理ですが、それを崩してでも自分色に染めたいのがライダーの性。エラーコードと格闘するのも、愛車との対話だと思って楽しんでください。それでもダメなら……Vストロームに乗り換えましょう。旅はいいですよ。

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