どうも、ライターの西村正人です。休日に愛車の洗車をしていたら、いつの間にかチェーン清掃まで始めてしまい、気づけば夕方になっていました。これ、バイク乗りあるあるですよね。さて、今回は海外のバイク乗りから寄せられた「2005年式スズキ・ブルバードのライトカスタム」に関する悩みについて、私なりの視点でお話ししたいと思います。
相談者は、ヘッドライトをLEDに交換してその明るさとルックスに感動し、今度はウインカーもデイライト機能付きのものに変えようとしているそうです。そこで心配しているのが、「充電システムへの負荷」。ヘッドライトの消費電力は半分になったけれど、ウインカーの常時点灯機能を追加しても大丈夫か?配線はどうすべきか?という、非常に堅実でスズキ乗りらしい悩みです。
目次
スズキ車における電装系の変遷と私の経験
まず結論から言ってしまうと、このカスタムは「全く問題ない」どころか、むしろ「車両に優しい」カスタムです。
私が19歳の頃に乗っていたACROSS 250(アクロス)や、その後のGOOSE 350(グース)の時代、電装系というのは今ほど余裕がありませんでした。特にグースなんて、シングルスポーツとしての走りを追求するあまり、バッテリーも最低限のサイズ。冬場の始動性にはいつもハラハラさせられたものです。しかし、スズキの『質実剛健』な設計思想は、2005年式のブルバードあたりでは既に完成の域に達しています。
相談者はヘッドライトをLED化しており、消費電力が純正の半分になっていると言っています。純正ハロゲンが55W/60Wだとして、LEDなら20W〜30W程度。ここで既に約30Wほどの余力が生まれています。新たに追加するウインカーのポジション機能(デイライト)がLEDであれば、数ワット程度の消費でしょう。つまり、差し引きしてもお釣りが来るレベル。充電系を酷使するどころか、むしろ負担を減らしているのです。この計算が成り立つ瞬間、まさにコスパの良さが光るスズキ車の真骨頂を感じて尊いですね。
用途別判定:通勤のアドレスと旅のVストローム
今回のカスタムを用途別に考えてみましょう。
通勤・通学(アドレス的視点):
私が通勤で使っているアドレスでもそうですが、街乗りにおいて「被視認性」は命です。ウインカーがポジションランプとして常時点灯することで、対向車や歩行者にバイクの存在をアピールできるのは非常に有効。特に夜間のすり抜けや交差点での右直事故防止に役立ちます。安全マージンを稼ぐ意味でも、このカスタムは「買い」です。
ツーリング(Vストローム的視点):
現在の相棒であるV-Strom 650で旅に出ると、信頼性が何より重要になります。電装系をいじることへの不安は理解できますが、LED化による省電力化は、グリップヒーターやUSB電源などの快適装備を追加する余裕を生むことにも繋がります。旅バイクの本命へと進化した今の愛車でも、灯火類のLED化は旅の安心感を底上げしてくれました。
おすすめ装備と施工のポイント
さて、相談者は「配線をテールランプやヘッドライトの配線に割り込ませるか」悩んでいます。ここでスズキ党としてのアドバイスです。
1. 配線の割り込みは慎重に
スズキの配線図は論理的で分かりやすいですが、古い年式だと配線の被覆が硬化していることがあります。エレクトロタップ(パッチンと挟むやつ)は手軽ですが、接触不良の温床になりがち。これが原因で出先でライトがつかなくなると、トラブル解決の沼にハマります。できればギボシ端子への加工や、ハンダ付けをおすすめします。
2. ICウインカーリレーの導入
05年式だと機械式リレーの可能性が高いです。LEDにするとハイフラッシャー(高速点滅)現象が起きるので、抵抗を噛ませるよりは、LED対応のICリレーに交換するのがスマート。これなら無駄な熱も発生しません。
費用感とコスパへのこだわり
スズキ乗りの美徳といえば、やはりコストパフォーマンスへの意識です。ショップに頼むと工賃がかさみますが、この程度の作業ならDIYで済ませたいところ。必要なのは電工ペンチと端子セット、そして少々の勇気だけ。
・LEDウインカー:数千円〜
・ICリレー:千円程度
・配線材:数百円
これだけで愛車のルックスが引き締まり、安全性も上がり、バッテリー負荷も減る。これほど効率的な投資はありません。浮いたお金で美味しいラーメンを食べに行く、それが我々の流儀です。
よくある失敗例(やらかし案件)
過去に私がSV650でやらかした失敗を共有しておきます。配線をまとめる際、ハンドルの可動域を考慮せずにタイラップでガチガチに固定してしまい、ハンドルを切った瞬間にギボシが抜けたことがありました。あれは自分でも草が生えました。
また、プラスとマイナスの極性確認は必須です。LEDは極性があるので、逆に繋ぐと点灯しません。スズキ車はアース線が「黒に白ライン」であることが多いですが、車種によって違うこともあるのでテスターでの確認は怠らないように。
FAQ:よくある質問
Q:本当にバッテリーは上がりませんか?
A:上がりません。むしろハロゲンの時より電圧計の数値は安定するはずです。LED化は古いバイクの電装系保護にもなる「特効薬」です。
Q:車検は大丈夫ですか?
A:ウインカーの常時点灯(ポジション機能)には色や明るさの保安基準があります。基本的にはウインカー色は橙色で、ヘッドライト点灯と連動している必要があります。派手すぎる色はNGです。
Q:スズキの魅力って一言でいうと?
A:『変態』と呼ばれることを褒め言葉と捉える独自性と、どんな扱いにも耐えるエンジンの頑丈さ。そして、カタログスペック以上に感じる「乗り手への歩み寄り」ですね。
今回のブルバードのオーナーさんも、このカスタムを通じてより一層愛車への愛着が深まることを願っています。スズキのバイクは手をかければかけるほど、その頑丈なボディで応えてくれますから。

