ヤマハR1とMotoAmericaの世界、レースを楽しむという入口を考える
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ヤマハR1とMotoAmericaの世界、レースを楽しむという入口を考える

最近免許を取って、ふと「海外のレースってどんな世界なんだろう」と気になった方はいませんか。私もYouTubeで紹介する動画を選ぶときに、つい海外のレース映像に手が伸びてしまいます。今回はヤマハがアメリカで戦うMotoAmericaという舞台と、そこでYZF-R1に乗るボビー・フォン選手の挑戦を、初心者の方にもわかるようにやさしく整理してみますね。レースを観ることは、実はバイクの基本動作を学ぶ近道でもあるんです。焦らず一緒に見ていきましょう。

そもそもMotoAmericaって何ですか?

MotoAmericaは、アメリカ合衆国で開催されているロードレースの選手権です。日本でいう全日本ロードレース選手権のような位置づけ、と考えるとイメージしやすいかもしれません。最高峰クラスは「スーパーバイク」と呼ばれていて、市販されている1000ccクラスのスポーツバイクをベースに改造した車両が戦います。

ここで走っているのが、ヤマハのYZF-R1、いわゆる「R1」です。市販車のR1は私たち一般のライダーもディーラーで購入できるバイクですが、レース仕様はサスペンションやブレーキ、電子制御の設定が大きく異なります。とはいえ「素のR1」が持っている素性の良さがあるからこそ、トップで戦えるわけですね。

今回の話題の中心は、そのR1でMotoAmericaスーパーバイクに参戦しているボビー・フォン選手です。昨シーズン、彼はキャリアでも屈指の好成績を残し、今シーズンへの期待がさらに高まっている、というのがヤマハ公式が伝えている内容です(出典: https://www.youtube.com/shorts/6sYntnzykmQ )。

短い動画ですが、選手本人の表情や言葉から伝わってくるものがあります。レースを「自分には関係ない世界」と思わず、まずは1分でも覗いてみてください。大丈夫ですよ、知識がなくても十分楽しめます。

昨シーズンから何が変わるのですか?

ヤマハの発信によれば、ボビー・フォン選手は昨年のMotoAmericaスーパーバイクで自己ベストといえるシーズンを過ごし、表彰台に複数回上がる活躍を見せました。「ポディウム、モメンタム、そして未完の宿題」という映像のキーワードがとても印象的です。

「モメンタム」というのは勢い、流れのこと。レースの世界では一度つかんだ良い流れをいかに途切れさせないかが、ものすごく大事だと言われます。これは私たちが日常で運転を練習するときも、実は同じなんです。

教習所の指導員をしていた頃、生徒さんが一度コツをつかんだ走りを「次の時間も再現できるか」が上達の分かれ道でした。私自身、18歳のときに乗っていたCB400SFで何度も同じカーブを練習して、ようやく安定して曲がれるようになった経験があります。プロの世界でも、地道な再現性の積み重ねが結果につながるんですね。

今シーズンのボビー選手の課題は、その勢いを優勝という形に結実させること。「unfinished business(やり残した仕事)」という言葉に、悔しさと静かな決意が滲んでいます。なお、MotoAmericaの開催は主に北米なので、日本でテレビ中継を観るのは難しいのですが、ヤマハの公式YouTubeで映像が公開されていますから、そこで雰囲気を味わうことができます。

初心者がレースを観るとどんな良いことがあるのですか?

「私はまだ免許を取ったばかりだから、レースなんて遠い世界」と感じる方も多いかもしれません。でも、レース映像には初心者の方にとってもヒントがたくさん詰まっています。

ひとつめは「目線」です。プロのライダーは、コーナーに進入する前から、はるか先を見ています。スローモーション映像をよく見ると、ヘルメットの向きが車体より先に動いているのがわかります。これは私たちが街中で右左折するときにも応用できる、基本中の基本です。

ふたつめは「ブレーキの使い方」です。減速はギリギリで一気に、ではなく、早めにじんわり、強さを後から調整していくのがプロの世界の常識。私の現在の街乗り相棒であるRebel 250でも、信号や交差点の手前で同じことを意識しています。

みっつめは「姿勢」です。プロのフォームをそのまま真似する必要はありませんが、リラックスして腕に力を入れていないことは共通しています。教習所でも「ハンドルを握りしめない」と何度もお伝えしてきました。

レース映像は、いわば「美しい基本動作の教科書」です。ボビー選手の走りを観るときも、速さよりもまず「丁寧さ」に注目してみてください。新しい発見がきっとありますよ。

気をつけたい点、勘違いしやすいところ

ただし、レースの世界をそのまま公道に持ち込もうとするのは絶対にやめましょう。これは脅しではなく、純粋に環境がまったく違うからです。

MotoAmericaが行われるのは、完全に閉鎖されたサーキットです。対向車も歩行者も信号もありません。路面の状態も整備され、コースアウトしても比較的安全なエスケープゾーンが設けられています。プロライダーは、その環境と高度な装備、そして長年のトレーニングがあって、はじめてあのスピードで走れるわけです。

ヤマハの動画の最後にも「Professional racers on a closed course(プロライダーが閉鎖コースで走行)」という注意書きがきちんと添えられています。これはメーカーとしての誠実な姿勢ですね。

また、「R1に乗れば自分も速くなれる」という勘違いもよくあります。R1は約200馬力という途方もないパワーを持つマシンで、初心者の方が最初の1台に選ぶには正直難しい部類です。私は今もCB400SFを大切に乗っていますが、自分の体格と経験に合ったバイクで丁寧に走るほうが、結果的に上達も早く、なにより楽しいと感じています。

憧れは大切に、でも今の自分に合うバイクを選ぶ。これはずっと変わらない原則です。焦らなくて大丈夫ですよ。

次の一歩、レースの楽しみ方を広げるには

MotoAmericaやボビー・フォン選手の挑戦に少しでも興味が湧いたら、次のステップとしていくつか提案させてください。

まず、ヤマハ公式のYouTubeチャンネルで「FLAT OUT」シリーズの長尺版を観てみることです。今回の参照動画はショート版ですが、フル尺ではライダー本人の人柄やチームの雰囲気がじっくり伝わります。英語の動画ですが、映像だけでも十分楽しめます。

次に、日本国内のレースにも目を向けてみてください。全日本ロードレース選手権や、もてぎ・鈴鹿で行われるイベントなら、実際に現地で観戦することもできます。サーキットの空気は、映像では伝わらない迫力があります。

そして、もし「自分も少しスポーツ走行を体験してみたい」と感じたなら、各サーキットで開催されている初心者向けのライディングスクールがおすすめです。教習所の延長のような雰囲気で、丁寧に教えてもらえます。私もYouTubeチャンネルで時々こうしたスクールを紹介していますが、参加された方は皆さん「公道がもっと安全に楽しめるようになった」とおっしゃいます。

憧れの選手を応援することは、自分の上達のモチベーションにもなります。今シーズン、ボビー選手とR1の挑戦をぜひ一緒に見守ってみませんか。

まとめ

今日のポイントをひとつだけ覚えるとしたら、「レース映像は基本動作のお手本になる」ということです。MotoAmericaという海外の選手権も、ヤマハR1で戦うボビー・フォン選手の挑戦も、最初は遠い世界に感じるかもしれません。でも目線、ブレーキ、姿勢といった本質は、私たちが普段の街乗りで意識すべきことと地続きです。まずは公式動画を1本観てみる、近くのサーキットイベントを調べてみる、自分の体格に合うバイクで丁寧に練習を続ける。その積み重ねが、いつか「自分も走ってみたい」という気持ちに繋がります。焦らず、楽しみながら一歩ずつ進みましょう。




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