
Suter MMX 500は、スイスのSuter Racingが2015年に発表したV型4気筒・2ストロークの限定レーシングバイクです。名称は「500」ですが、実排気量は576cm³。電子燃料噴射を備え、最高出力195hp、乾燥重量127kgと公表されています。
1980~1990年代の500cc GPレーサーを中古部品で再現した車両ではなく、Suterがエンジンから車体まで新規開発した現代の2ストローク・レーサーです。公道用スーパースポーツではなく、購入後の走行場所、整備、燃料・オイル、部品供給まで含めて成立するオーナー向けの特殊車両です。
目次
MMX 500の公式スペック
| エンジン | V型4気筒・2ストローク、2本の逆回転クランクシャフト |
|---|---|
| 排気量 | 576cm³(56×58.5mm) |
| 最高回転数/最高出力 | 13,000rpm/195hp |
| 吸気 | 電子燃料噴射、4ポートスロットルボディ、カーボンリードバルブ |
| 排気 | Akrapovič製チタン・チャンバー4本 |
| 変速機 | Suter 6速カセット式、乾式多板クラッチ |
| フレーム | CNC加工アルミ製ツインスパー |
| サスペンション | 前後Öhlins、フルアジャスタブル |
| ブレーキ | Brembo、前320mmダブル/後218mm |
| 乾燥重量 | 127kg |
車体はステアリング、ホイールベース、ライディングポジション、車高などの調整幅を持ち、カーボン外装とカーボン燃料タンクを採用します。単に大出力なエンジンを軽いフレームへ載せたのではなく、セットアップを前提にしたレーサーです。
なぜ576ccなのに「500」?
MMX 500は、2002年までのロードレース世界選手権500ccクラスに対するオマージュです。ただし当時の競技規則で排気量を500cc以下に抑える必要はないため、ボア56mm、ストローク58.5mmで576cm³とし、扱いやすいトルクを狙いました。
2本のクランクシャフトを逆方向へ回す構造は回転慣性の影響を打ち消す狙いがあり、電子噴射と電子制御排気バルブを組み合わせています。「昔の2ストをそのまま復刻」ではなく、現代の材料・制御・加工技術でGP500の感覚を再構成した車両です。
99台限定・価格はいくらだった?
発表時は99台限定、価格120,000スイスフラン(税別)と報じられました。Suterの現在の製品ページも「strictly limited edition」のレーシングバイクとして紹介していますが、公開価格や即納在庫は掲載していません。
したがって、2026年に「新車価格はいくら」と固定額で案内することはできません。新規製作枠、中古車、部品供給のいずれもSuterまたは正規窓口へ個別確認が必要です。過去の発表価格を現在の販売価格や日本の乗り出し総額として換算しないでください。
公道を走れる?
SuterはMMX 500をレーシングモーターサイクルとして案内しています。灯火、排出ガス、騒音、登録用書類など、公道認可に必要な条件を満たす量産ロードモデルではありません。個別登録の可否を確認せず「ナンバーが取れる」と判断しないでください。
比較対象にしやすいNinja H2Rもクローズドコース専用ですが、998cm³の4ストローク・スーパーチャージャー車です。MMX 500は576cm³の2ストローク自然吸気V4で、出力の作り方も整備要求も異なります。H2Rの速度記録はNinja H2Rの最高速は400km/h?で確認できます。
購入前に確認すべき維持条件
- Suterが車体番号から供給できるエンジン・電装・外装部品
- ピストン、リング、クランク、ギヤボックスなどの点検・交換間隔
- 指定燃料、2ストロークオイル、混合・給油方式
- Mectronic ECUとデータロガーを扱える技術者
- サーキットの騒音規制と走行枠
- 輸送、保管、タイヤウォーマー、転倒修理を含む年間予算
中古車の場合、走行時間と整備履歴が価格より重要です。始動動画だけで判断せず、エンジン使用時間、最後のオーバーホール内容、予備部品、転倒歴を文書で確認します。
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公式・一次資料
初出:2015年8月/購入・維持条件を加え、2026年8月に全面改稿。

