
FGR Midalu 2500 V6は、チェコのFGR Factoryが開発した大排気量ネイキッドです。車名は「2500」ですが、正確な排気量は2,442cc。最大の特徴は、一般的な並列6気筒ではなくバンク角90度のV型6気筒を二輪車へ搭載したことです。
目次
FGR Midalu 2500 V6の主要スペック
| エンジン | 水冷4ストローク90度V型6気筒・DOHC・4バルブ/気筒 |
|---|---|
| 排気量 | 2,442cc |
| ボア×ストローク | 90×64mm |
| 圧縮比 | 9.9:1 |
| 燃料供給 | 電子制御燃料噴射 |
| 変速機 | 6速 |
| フレーム | 鋼管トラス+構造体となる複合材燃料タンク |
| サスペンション | 前後Öhlins・フルアジャスタブル |
| ブレーキ | 前320mmダブルディスク/Brembo Racing |
| シート高 | 786mm |
| 燃料タンク | 18L |
| 乾燥重量 | 262kg |
上表はFGR Factoryの公式仕様ページに基づきます。発売当時の記事では240PS前後、160N・m前後、約12万ユーロなどの数字が広く報じられましたが、現在のメーカー仕様ページには最高出力、最大トルク、価格が掲載されていません。年式や個体の仕様を確認せず、これらを現行の保証値として扱うべきではありません。
90度V6はどんな構造?
V6は、6本のシリンダーを2つのバンクに分けてV字状に配置するエンジンです。Midaluは左右のバンクが90度。V型2気筒の「Vツイン」とは、気筒数もクランク構成も異なります。
公式仕様のボア90mm、ストローク64mmから分かる通り、ボアがストロークより大きいオーバースクエア設計です。巨大な排気量だけでなく、専用設計された6気筒エンジンそのものがこの車両の中心です。
なぜ作られたのか
FGRの公式沿革によると、プロジェクトの構想は2000年ごろに始まり、Oldřich Kreuzが2005年に6気筒エンジンの設計を開始。2008年にエンジン試作機を公開し、翌年から車体開発へ進みました。
完成車のプロトタイプは2010年末に完成し、2011年春に公開。その後もエンジンベンチと実走で改良を続け、2016年10月のINTERMOTで販売仕様を発表しました。同時に、最初の「ゼロシリーズ」を受注するシステムが開始されています。
量産バイクなのか
一般的なメーカーがディーラー在庫を大量生産するモデルとは異なり、Midaluは顧客に合わせて仕立てる少量・受注型の車両です。公式サイトはカーボンの種類、手縫いシートの硬さと糸色、フォーク色、ライダーの体重に合わせたシャシー設定などを案内しています。
2026年8月現在もFGR Factoryのサイトに車両ページと購入問い合わせ導線はありますが、公開価格、納期、在庫、生産台数は示されていません。現在購入できるかはメーカーへ直接確認する必要があります。
車体も専用設計
- エンジンを囲う鋼管トラスフレーム
- 構造体を兼ねるカーボン製燃料タンク
- 切削・溶接された独特なスイングアーム
- 前後フルアジャスタブルÖhlins
- Brembo Racingのラジアル4ピストンフロントキャリパー
- 外装を中心に29点のカーボン部品
乾燥重量262kgは軽量スーパースポーツ級ではありませんが、2.4L超の専用V6、18Lタンク、受注仕様の車体をまとめた数値です。絶対的な速さだけでなく、チェコの少量生産技術を見せる工芸品的なネイキッドと理解する方が実態に近いでしょう。
エンジン音と映像
古い映像は試作車を含む可能性があります。映像中の外装や数値を、2016年の販売仕様または現在の受注仕様と同一とみなさないでください。
日本で登録・維持できる?
日本の正規輸入元、型式認定、販売価格は公式サイトに掲載されていません。個人輸入を考える場合は、購入前に排出ガス・騒音・灯火類の適合、通関、予備検査、部品供給、整備拠点、任意保険の引受可否を専門業者へ確認します。
メーカーサイトに購入ボタンがあることと、日本で公道登録できることは別問題です。車両代以外の費用や登録不能リスクを含め、書面で条件を確定してから契約してください。
公式情報
初出:2016年10月/機関形式の誤記を訂正し、メーカー公式の仕様・沿革を基に2026年8月に全面改稿。

