悲報!?YZF-R1公道モデル終了の噂にヤマハ党が愛と理屈で立ち向かう
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こんにちは、ライターの井上 亮です

最近、週末の天気がご機嫌斜めすぎて、ガレージで愛車3台(MT-09、TRX850、ZEAL)を磨く時間ばかりが増えています。おかげでTRX850のエキパイが新品みたいに輝きだして、眺めているだけでニヤニヤが止まらないという、完全に危ない領域に片足を突っ込んでいる今日この頃です。皆さん、愛車との対話、楽しんでいますか?

さて、今回はYamaha党として、そしてハンドリングにうるさい一人のライダーとして、どうしても触れなければならないニュースが入ってきました。海外メディア「Top Speed」が報じた「Yamaha Sports Bike Fans, Here’s Some Heartbreaking News For You(ヤマハスポーツバイクファンへ、胸が張り裂けるようなニュース)」という記事。タイトルだけで心拍数がレッドゾーンに入りそうですが、中身は予想通り、そして恐れていた通り、我らがフラッグシップ「YZF-R1」に関する動向です。

欧州市場において、YZF-R1およびR1Mの公道仕様モデルが生産終了となり、今後はレースベース専用車としての展開になるという話。すでにYZF-R6で通った道とはいえ、ついにリッターSS(スーパースポーツ)の象徴であるR1までもが……と思うと、正直、目の前が真っ暗になります。今回はこのニュースを噛み締めつつ、私の愛車遍歴と絡めて、ヤマハの「ハンドリング」と「魂」について理屈っぽく、そして熱く語らせてください。

結論:R1が公道から消えても、その「血」は僕らの手の中にある

いきなり結論から申し上げますが、このニュースは確かに悲劇です。しかし、絶望する必要はありません。なぜなら、YZF-R1が築き上げた「クロスプレーン・コンセプト」や「人馬一体」のハンドリング思想は、すでにMTシリーズやXSRシリーズといった公道モデルに色濃く継承されているからです。

私が現在乗っているMT-09も、まさにその恩恵を享受している一台。R1がサーキットという極限の世界で磨き上げた技術がなければ、MT-09のあの刺激的な走りは生まれませんでした。形は変われど、ヤマハの魂は不滅です。そう自分に言い聞かせないと、やってられないというのが本音ではありますが。

【比較】スーパースポーツのロマン vs 現代のストリートファイター

ここで、かつて私が10年間連れ添ったTRX850(ハーフカウルのスポーツツイン)と、現在の愛車MT-09(ネイキッド)の経験を元に、SS路線の縮小とストリートモデルへの移行について、あえて理屈で整理してみたいと思います。

比較項目 YZF-R1(公道SSのロマン) MT-09(現代の実利)
エンジンの官能性 クロスプレーン4気筒の不等間隔爆発は、まさにMotoGP直系。高回転の咆哮は尊いの一言。 CP3(3気筒)のトルク感と吸気音は、公道速度域でも脳汁が出る楽しさ。
ハンドリング フロント荷重重視。サーキットでの「線」をトレースする快感は唯一無二。 アップライトで振り回せる軽快感。モタード的な自由度があり、峠では最強説。
所有コスト・環境 車両価格、維持費、そして規制対応への開発コストが沼。もはや公道で性能を発揮するのは無理ゲー。 電子制御全部入りでも現実的な価格。公道で使い切れる(気がする)パワー感。

根拠:TRX850から繋がる「位相」へのこだわり

私が20代のすべてを捧げたTRX850というバイクは、並列2気筒でありながらクランク角を270度にするという、当時としては変態的(褒め言葉)な設計でした。これにより、Vツインのようなトラクション性能と鼓動感を生み出していたのです。この「270度クランク」の思想こそが、後のYZF-R1のクロスプレーン・クランクシャフトに繋がり、そして現在のMT-07(270度クランク並列2気筒)やMT-09(3気筒によるトルク変動の抑制)へと脈々と受け継がれています。

Yamahaのエンジニアたちは、単にパワーを出すことよりも、「ライダーがスロットルを開けた瞬間に、リアタイヤが路面を蹴る感覚をどう伝えるか」という官能評価に命をかけています。これを私は「ヤマハのハンドリング哲学」と呼んで崇拝しているわけですが、R1はこの哲学の頂点にある存在でした。

しかし、ユーロ5+(プラス)などの厳しい環境規制の中で、高回転型のSS用エンジンを公道用に維持するのは、メーカーにとって技術的にもコスト的にも修羅の道です。私がZEAL(4気筒250cc)に乗っていた頃のような、超高回転まで回して遊ぶ楽しさは、残念ながら内燃機関としては終焉に向かっているのでしょう。

それでも、MT-09に乗ると感じるのです。6軸IMU(慣性計測装置)によるトラクションコントロールやスライドコントロールは、間違いなくR1で培われた技術。電子制御が「介入」するのではなく、「ライダーの意図を拡張」してくれる感覚。これぞ人馬一体。R1が公道から姿を消しても、そのDNAは確実に私たちの手元に残っています。

おすすめ構成:今、ヤマハ党が取るべき選択肢

この悲報を受けて、我々はどう動くべきか。3つのプランを提案します。

プランA:覚悟を決めてYZF-R1最終型を確保する
これはもう、漢(おとこ)のロマンです。新車で買えるラストチャンスかもしれない。「いつか乗りたい」と言っているうちに、中古相場が高騰して手が出ない沼にハマる未来が見えます。維持費? ポジションのキツさ? そんなものは愛でカバーです。ガレージにR1がある生活、それだけで白飯が食えます。

プランB:MT-10 / MT-09 SPで魂を継ぐ
現実的かつ、走りの楽しさを追求するならこれ。特にMT-10はR1のエンジンをストリート向けにチューニングしたモデル。中身はほぼR1です。カウルがない分、街乗りもツーリングもこなせる。私のMT-09もそうですが、ヤマハのネイキッドは「ハンドリングマシン」としての完成度が異常に高いので、SSからの乗り換えでも満足度は高いはずです。

プランC:XSR900 GPで往年の夢を見る
最近話題のXSR900 GP。中身は最新のMT-09ベースですが、見た目は80年代レーサー。これこそ、過去の栄光と現代の技術の融合。おじさん世代にはたまらない選択肢です。

注意点:感情的な「R1ロス」に陥らないために

最後に一つだけ注意点を。ニュースを聞いて「もうスポーツバイクは終わりだ」と悲観的になりすぎないこと。確かに公道で乗れるレーサーレプリカは減っていますが、バイクの楽しさの本質である「操る喜び」は、形を変えて進化しています。

TRX850のキャブ車特有のダイレクト感も最高ですが、MT-09の電子制御バリバリの加速もまた、脳が溶けるほど楽しい。食わず嫌いせず、新しいヤマハの提案(MTやXSR)に乗ってみてください。「あ、やっぱりヤマハのハンドリングだわこれ」と、ヘルメットの中でニヤリとすること請け合いです。

R1という偉大な星が公道から去ろうとも、ヤマハが作るバイクには常に「感動創造」の精神が宿っています。我々ファンは、その進化を楽しみながら、これからもスロットルを開け続けましょう。とりあえず、私は今週末もTRXとMT-09を交互に乗って、一人ヤマハ試乗会を開催する予定です。ガソリン代が怖いですが、こればかりは必要経費ということで。




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