Honda新型V3エンジンの衝撃!ブロス乗りが語る「技術屋魂」の真髄とは
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休日の朝、ガレージで愛車のチェーンにルブを差しているときのあの静寂、何物にも代えがたい時間ですよね。こんにちは、モーターサイクルナビゲーターのライター、田中恒一です。

さて、今回は私の元業界人としての血が騒ぎ、そしてHonda党としての魂が震えるニュースが飛び込んできました。海外メディア「HotCars」が報じた、Hondaの「V3エンジン」に関する新たな特許情報の話題です。みなさん、V3ですよ、V3。MVX250FやNS400Rを思い出すベテランの方も多いでしょうが、今回のそれは全くの別物。電動スーパーチャージャーを組み合わせた、まさに次世代の変態的(もちろん褒め言葉です)パワーユニットなのです。

現在、私の手元には実用性の塊であるNC750X、原点のスーパーカブ50、そして鼓動感のBROS(ブロス)があります。この3台体制に行き着いた私だからこそ感じる、このニュースの「ヤバさ」とHondaの「本気」について、じっくりと語らせていただきます。

結論:これは懐古趣味ではない、Hondaの「技術屋魂」の爆発だ

単刀直入に申し上げます。このV3エンジンの特許は、単なる過去の遺産の掘り起こしではありません。内燃機関の終焉が叫ばれるこのご時世に、あえて複雑怪奇なV型3気筒に電動過給機をぶち込んでくる。この姿勢こそが、私が愛してやまないHondaの真骨頂なのです。

多くの人がHondaを「優等生」と評します。確かにNC750Xに乗っていると、その破綻のない完成度に感心します。しかし、その優等生の仮面の下には、とてつもない情熱と狂気が隠されているのです。このV3エンジンは、効率化一辺倒の現代に対するHondaからの強烈なアンチテーゼであり、私たち内燃機関ファンにとってはあまりにも尊い希望の光だと言えるでしょう。

理由1:BROSで知った「V型の魔力」と、あえての「3気筒」という選択

私が23歳の頃から所有し続けているBROS PRODUCT 1。このバイクの魅力は、スリムな車体とVツインのトラクション性能にあります。V型エンジンには、直列エンジンにはない独特の「蹴り出し感」があるのです。

今回の特許にあるV3レイアウトは、Vツインの幅の狭さと、4気筒の高回転の伸びを両立させるための理にかなった選択です。しかし、振動対策や排気レイアウトの複雑さを考えれば、開発陣が味わった苦労は想像を絶するものでしょう。まさに技術の沼に自ら飛び込むようなもの。普通ならやりません。

かつて私が乗っていたX4のような大排気量直4の豪快さも素晴らしいですが、V3には「操る楽しさ」と「機械としての面白さ」が凝縮されているはずです。BROSで感じたあの鼓動が、最新技術でどう進化しているのか、想像するだけで白飯3杯はいけます。

理由2:NC750Xで確信した「新技術を実用させる」執念

現在メインで乗っているNC750XにはDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)が搭載されています。当初、DCTは「オートマなんてバイクじゃない」と揶揄されることもありました。しかし、実際に乗ればその変速の巧みさと、ライダーを疲れさせない制御に驚かされます。

今回のニュースの目玉である「電動スーパーチャージャー」。これも最初は色物扱いされるかもしれません。しかし、Hondaは必ずこれを「誰にでも扱える最高の性能」に仕上げてくるはずです。ターボラグを電気で解消し、低回転からトルクの塊を生み出す。それはまるで、私のNC750Xが持つ実用域の強さを、スポーツバイクの領域で再現するようなものでしょう。

複雑な機構を、当たり前に動くものとして市販車に落とし込む。これこそがHondaの凄みです。「技術で遊んでいるようで、実はライダーのことを一番考えている」。そんな開発者の愛を感じずにはいられません。

理由3:カブからパン・ヨーロピアンまで貫かれる「耐久性」への信頼

16歳で乗ったカブから、大陸横断ツアラーのST1300パン・ヨーロピアンまで、私が乗り継いできたHonda車に共通するのは「壊れない」ことです。パン・ヨーロピアンの縦置きV4エンジンも非常に複雑な機構でしたが、長距離ツーリングで一度も私を裏切りませんでした。

V3に過給機なんて、熱問題はどうするんだ? メンテナンス性は? と外野は騒ぐでしょう。正直、スペックだけ見れば不安になるのが普通です。しかし、そこはHondaです。特許図面に見られる液冷システムの配置などを見ると、徹底的な熱対策が施されていることが読み取れます。

「こんな複雑なことして大丈夫か?」と心配する声をよそに、平然と10万キロ走れるエンジンを作ってくるのが彼らです。その過剰なまでの品質基準には、もはや草が生えるレベルで感服します。

費用の目安

さて、気になるのは価格です。業界の経験則から言わせていただければ、このエンジンを搭載した車両は決して安くはありません。

  • 想定車両価格: おそらく180万円〜250万円のレンジ(ミドルクラスだとしても)
  • 維持費: 特殊な機構のため、一般的な直4モデルより2割増し程度を見ておくべきでしょう。

しかし、唯一無二の「電動過給V3」というパッケージにお金を払うのです。金額以上の所有満足度があることは間違いありません。

チェックリスト:このバイクは誰に向けたものか

  • Hondaの「変態的な技術力」を愛してやまない人
  • 人と被らない、メカニズムとして面白いバイクが欲しい人
  • 内燃機関の最後の灯火を、最高のアプローチで楽しみたい人
  • BROSやVFRなどのV型エンジンに特別な思い入れがある人

よくある質問(FAQ)

Q:電動スーパーチャージャーはバッテリー上がりが心配ですが?
A:特許を見る限り、発電機(ジェネレーター)の強化や回生技術の応用も視野に入れているはずです。Hondaがバッテリー上がりで走れなくなるような未完成品を出すことはまずありません。

Q:メンテナンスは大変ですか?
A:カウリングを外すのはパズルかもしれませんが、基本消耗品の交換サイクルは従来車と同等に設定してくるでしょう。ただし、補機類が多い分、ディーラーでの点検は必須です。

Q:いつ発売されますか?
A:特許の公開タイミングと完成度を見るに、2025年後半から2026年のモーターショーでの実車発表が現実的なラインではないかと推測します。

Hondaが再び見せてくれた「夢」。このV3エンジンが、これからのバイクシーンにどんな旋風を巻き起こすのか。私は、ガレージのBROSを磨きながら、その時を静かに、しかし熱く待ちたいと思います。




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