ヤマハFZ6 Fazer S2で迎える大型バイクの洗礼!R6譲りの心臓と官能的なハンドリングについて
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こんにちは、モーターサイクルナビゲーターの井上 亮です。

ヤマハFZ6 Fazer S2で迎える大型バイクの洗礼!R6譲りの心臓と官能的なハンドリングについて

休日の朝、ガレージで愛車のTRX850のキャブレターを眺めながら飲むコーヒーが最高に美味しい季節になりましたね。古いバイク独特の「ガソリンとオイルの混じった匂い」って、なんであんなに落ち着くんでしょうか。妻には「ガレージが臭い」と不評ですが、僕にとっては高級アロマ以上の癒やし空間です。さて、今日は海外のライダー仲間から届いた、なんとも羨ましく、そして懐かしいニュースについて語らせてください。

大型二輪免許取得とFazer S2という「正解」の選択

ついに「Big Boy Exam(大型二輪免許試験)」に合格し、愛しのYamaha FZ6 Fazer S2で初めての公道デビューを果たしたというニュースが飛び込んできました。まずは心からの「おめでとう」を贈りたいですね。初めて大型バイクで公道に出る瞬間の、あのヘルメットの中で心臓が早鐘を打つような高揚感、私も鮮明に覚えています。

私が18歳で初めて手にしたFZX250 ZEALも、4気筒の咆哮が魅力のヤマハ車でした。その後、TRX850でツインエンジンの鼓動とハンドリングの奥深さという「沼」にハマり、10年も乗り続けることになったわけですが、このFazer S2というチョイス、正直言って「尊い」としか言いようがありません。なぜなら、このバイクはヤマハが提唱する「人馬一体」の理念と、YZF-R6譲りの高回転エンジンの楽しさが詰まった、隠れた名車だからです。

現在私はMT-09という、電子制御とトリプルエンジンの暴力的な加速を楽しめるマシンに乗っていますが、Fazer S2が持つ「アナログとデジタルの過渡期」にある純粋な機械としての魅力は、今のバイクにはない色気があります。特に「S2(Spec 2)」という響き。これだけでご飯3杯はいけますね。

Fazer S2と現代マシンの比較検証

さて、ここからは少し理屈っぽい話をさせてください。このライダーが選んだFZ6 Fazer S2が、なぜ最初の大型バイクとして優れているのか、そして現代のバイクと何が違うのか。私の所有遍歴にあるMT-07(現代のミドルスタンダード)と比較して分析してみましょう。

項目 FZ6 Fazer S2 (直列4気筒) MT-07 (並列2気筒)
エンジン特性 高回転型。回してパワーを絞り出す「官能」重視。低速トルクは細め。 トルク重視。どこからでも加速する「実用」と「楽しさ」の両立。
フレーム剛性 アルミダイキャスト(S2特有)。剛性が高く、高速域での安定感が抜群。 スチールパイプ。しなりを活かした軽快なハンドリング。
メリット R6ベースのエンジン音が最高。センターアップマフラーがセクシー。防風性能が高い。 圧倒的に軽い。街乗りが楽。燃費が良い。
デメリット 重心が少し高め。発進時のクラッチワークに気を使う(エンストしがち)。 高速道路での高回転の伸びは4気筒に劣る。

こうして見ると、Fazer S2は「スポーツ寄り」のツーリングバイクであることがわかります。私の愛するTRX850もそうですが、ヤマハのバイクは「カタログスペックよりも、乗った時のフィーリング」を大切にします。Fazer S2も、数値上のパワーよりも、7000回転を超えてからの「二次曲線的な盛り上がり」にこそ、ヤマハの魂が宿っているのです。

論理的かつ官能的な「S2」の魅力

私が特に評価したいのは、このライダーが手に入れたのが無印のFZ6ではなく、「S2」であるという点です。ここには大きな違いがあります。S2では、スイングアームが角型断面の鉄製から、六角形断面のアルミ製に変更されています。これ、ただの軽量化だと思ったら大間違いですよ。

私がTRX850で学んだことですが、スイングアームの剛性は、リアタイヤの情報をライダーのお尻に伝える「通信速度」に直結します。アルミ製になることで剛性バランスが最適化され、路面の状況がよりクリアに伝わってくる。つまり、ヤマハが大切にする「ハンドリングのヤマハ」をより深く体感できるのがS2なのです。

また、ブレーキキャリパーもモノブロック(住友製)にアップグレードされています。これは今の私のMT-09にも通じる部分ですが、指先の力加減で制動力をコントロールできる、まさに「意のまま」の操作感。これを最初のシーズンで体験できるなんて、正直言って嫉妬レベルで羨ましいです。

私のZEAL時代は、250ccなりに回して楽しんでいましたが、Fazer S2はその延長線上にありながら、圧倒的なパワーと安定感を兼ね備えています。低回転では大人しく、高回転では野獣に変わる。この二面性こそが、ヤマハ4気筒の真骨頂であり、ライダーを「沼」に引きずり込む要因なんですよね。

おすすめのセットアップと楽しみ方

さて、これからFazer S2との生活を始めるにあたり、私の経験からいくつかのアドバイス(という名のお節介)をさせてください。

まず、タイヤ選びは重要です。この時代のヤマハ車はフロントの接地感が非常に大切です。ツーリングタイヤでもグリップ力の高い、最新のモデル(例えばミシュランのROADシリーズなど)を履かせることで、S2特有のハンドリングがさらに輝きます。古いタイヤが付いているなら、ケチらず即交換です。これは絶対。

次に、エンジンガードあるいはスライダーの装着です。Fazerは重心が高めなので、立ちゴケのリスクが少しあります。美しいカウルとエンジンを守るためにも、転ばぬ先の杖は必須です。私もMT-09で一度、砂利で足が滑ってヒヤッとしたことがありますが、スライダーがあるという安心感は精神衛生上とても良いです。

そして何より、7000回転以上の「音」を楽しんでください。センターアップマフラーから奏でられる高周波サウンドは、ライダーの脳内麻薬です。ただし、速度が出すぎてしまうので、そこは自制心が必要です。免許取り立てなら尚更ですね。

Fazer S2に乗る際の注意点

最後に、少しだけ老婆心を。

Fazer S2は非常に完成度の高いバイクですが、現代のMT-09などのように、トラクションコントロールや6軸IMUといった高度な電子制御は付いていません。すべてはライダーの右手に委ねられています。雨の日や冷えた路面では、そのハイパワーなエンジンが牙を剥くこともあります。

特に、R6ベースのエンジンは低速トルクが薄いため、発進時にラフなクラッチ操作をするとエンストしやすい傾向があります。交差点の真ん中でエンストして「草」も生えない状況にならないよう、半クラッチの感覚をしっかりと体に叩き込んでください。TRX850のようなツインならトルクで誤魔化せるところも、4気筒は繊細な操作を要求してきます。でも、それこそがライディングスキルの向上に繋がるのです。

ヤマハのハンドリングと芸術性に魅せられた一人の先輩として、あなたのFazer S2ライフが素晴らしいものになることを願っています。安全運転で、ヤマハの「感動創造」を存分に味わってください!




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