83年式KZ550LTD!レストアの沼へようこそ、カワサキの旧車は手がかかるほど愛おしい
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皆さん、こんにちは!週末のツーリングプランを練りながら、天気予報とにらめっこしている時間は至福ですよね。モーターサイクルナビゲーターのライター、松井 さちです。

83年式KZ550LTD!レストアの沼へようこそ、カワサキの旧車は手がかかるほど愛おしい

さて、今回飛び込んできた話題は、なんと1983年式の「KZ550 LTD」を購入されたという海外のライダーさんからのお便りです。「メカニックじゃないから動画を見漁ってるけど、キャブから出ている謎のホースと、エアボックスに繋がるはずだった太いホースの処理がわからない」という、まさにレストア初心者が直面するあるあるな悩みですね。

正直に言います。このトピックを見た瞬間、私の胸が高鳴りました。なぜって、KZ550と言えば、私が34歳から39歳まで愛した「ZEPHYR 400(ゼファー)」のご先祖様のような存在だからです!空冷4発、あの無骨なエンジンの造形美……もう想像するだけで尊い。今の愛車であるZ900の洗練された凄みも大好きですが、この時代のカワサキ車が放つ「男らしさ」や「鉄の匂い」は、何にも代えがたい魅力があります。

カワサキ旧車乗りが通る道、それは「沼」への入り口

投稿者さんは「エアボックスがなくて、キャブレターには4つのフィルター(パワーフィルター)を付けるつもりだ」とおっしゃっていますね。これ、私がバリオスからゼファーに乗り換えた時、カスタム雑誌を見て憧れたスタイルそのものです。

でも、ここで声を大にして言いたいのは、「ようこそ、セッティングの沼へ」ということ(笑)。

純正のエアボックスを取り払って直キャブ(パワーフィルター化)にするスカチューンは、見た目がスッキリして最高にクールです。カワサキの美しいエンジンフィンが際立ちますからね。でも、メカニックではないとおっしゃる投稿者さんにとって、これはなかなかの試練かもしれません。

私がゼファーに乗っていた頃、調子に乗って吸排気をいじりすぎて、アイドリングが安定せずに泣きそうになったことがあります。カワサキのバイクって、ただでさえ「漢(オトコ)のカワサキ」なんて呼ばれるくらい、ちょっと無愛想で手がかかる部分があるじゃないですか? それがまた愛おしいんですけど、機嫌を損ねると本当に頑固なんですよね。

お悩みの「謎のホース」たちを整理しましょう

さて、感情論ばかりでは解決しませんので、経験と知識を総動員して、具体的なアドバイスを整理していきましょう。投稿者さんが困っているのは以下の2点です。

  1. キャブレターから出ている2本の謎のホース
  2. エアボックスに繋がっていたはずの太いホース

1. キャブレターの謎ホース

KZ550のキャブレター(おそらく京浜やミクニのCVキャブ)から出ているホースで、どこにも繋がっていないように見えるものは、十中八九「エアベント(大気開放)」か「オーバーフローパイプ」です。これらはガソリンの油面調整のために空気を出し入れしたり、余分なガソリンを排出するためのもの。基本的にはそのまま下に向けて垂らしておくのが正解なことが多いです。これを塞ぐとガソリンが落ちていかなくなって、エンジンがかからなくて草、なんてことになりかねません。

2. 太いホースの正体と対処法

そして一番の懸念点、エアボックスに繋がるはずだった「太いホース」。これは間違いなく「クランクケースブリーザーホース」です。

エンジン内部の圧力(ブローバイガス)を逃がすための重要なホースです。純正ならエアクリーナーボックスに戻して再燃焼させるのですが、ボックスを撤去してパワーフィルターにする場合、このホースの行き場がなくなります。

ここで絶対にやってはいけないのが「ホースを塞ぐこと」。これをやるとエンジン内圧が上がって、ガスケットが吹き飛び、オイル漏れまみれになります。まさに地獄絵図です。

解決策はシンプルです。 このホースの先に、小さなフィルター(ブリーザーフィルター)を付けてあげてください。私の周りのカワサキ乗りも、スカチューンにする時はみんな可愛いキノコみたいなフィルターをここに付けていました。

ビフォーアフター:苦労の先に待つ「Z」の鼓動

今の状態は、パーツが足りなくて不安な状態(Before)かもしれません。でも、一つひとつクリアしていけば、必ず素晴らしい景色(After)が待っています。

ブリーザーフィルターを装着し、キャブレターのジェット類をパワーフィルターに合わせてセッティング(ここが一番の難関ですが!)。無事にエンジンがかかった瞬間、あの空冷4気筒独特の「ヒュルルル……ヴォン!」という音が響き渡るでしょう。

私がゼファーで感じた、あの身体の芯に響く振動と排気音。KZ550 LTDなら、さらに野太く、アメリカンな鼓動を感じられるはずです。今のZ900のようなスムーズで強烈な加速も最高ですが、旧車には「機械を操っている」という強烈な実感があります。少々手がかかる子ほど可愛い、というのはカワサキ乗りの共通認識ですよね。

FAQ:KZ550 LTD レストアの心得

最後に、これからこのバイクと付き合っていく上でのポイントをまとめてみました。

Q: パワーフィルターにしたら雨の日は乗れない?
A: 基本的には乗らない方が無難です。水を含むと空気を吸わなくなって、エンジンがボコつきます。雨の日はガレージで愛車を磨きながら、コーヒーを飲むのがカワサキ乗りの嗜みですよ。
Q: メカニックじゃないけど大丈夫?
A: 大丈夫です! 私もバリオスの頃はチェーン調整すらできませんでした。サービスマニュアル(整備書)を手に入れて、工具を一つずつ揃えていく過程こそが趣味の醍醐味。「沼」にハマる準備はいいですか?
Q: カワサキの旧車って壊れやすい?
A: 「壊れる」のではなく「手入れを求めてくる」のです(笑)。オイル滲みは「オイルが入っている証拠」なんて冗談があるくらいですが、日々の点検で愛着が湧くこと間違いなしです。

1983年のバイクを現代に蘇らせようとするその情熱、心から尊敬します。カワサキの無骨な魂(スピリット)を受け継ぐKZ550 LTD、完成したらぜひ日本の道も走ってほしいくらいです。頑張ってくださいね!




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