

マン島TTに行ってみたい、でも遠いし高そうだし……そんな風に思って何年も先延ばしにしている方、いませんか。私もその一人でした。今回、主催者から2027年と2028年の開催日程が正式に発表され、なんと2年先まで計画が立てられるようになりました。これは「いつか行きたい」を「来年か再来年に行く」へ変える絶好のチャンスです。この記事では、発表された日程の整理と、女性ライダーである私が実際に海外バイクイベントの情報を集めて感じた、宿・予算・装備のリアルな準備ポイントを比較しながらお伝えします。
目次
2027年と2028年、発表された日程を整理する
まずは事実関係を整理しましょう。マン島TT主催者は、2027年大会を5月31日(月)から6月12日(土)まで開催すると正式発表しました。例年通り、イギリスのメイバンクホリデー月曜日に始まり、最終日はミルウォーキー・シニアTTレースで締めくくられる構成です。さらに2028年については暫定日程として5月29日(月)から6月10日(土)が公表されました(出典: https://www.rideapart.com/news/796547/iom-tt-2027-2028-provisional-dates-revealed/ )。
2027年と2028年を比較すると、どちらも2週間弱の会期で、序盤が練習走行、後半に決勝レースが集中する流れは同じ。違いは曜日の並びと、自分の有給休暇の取りやすさくらいです。たとえば2027年は5月末スタートなのでゴールデンウィーク明けすぐに渡航準備のラストスパートが必要。2028年は1週間ほど後ろにずれるので、日本の梅雨入り前に出発できる人もいるでしょう。
2年先まで暫定日程を出す運営方式は2025年に始まったばかりだそうで、観戦希望者が増えすぎて宿が枯渇する現状への対応策と見られます。逆に言えば、今動けば席はまだあります。
宿泊と渡航コスト、早期予約と直前予約でどれだけ差が出るか
マン島TT観戦で最大の壁は宿の確保です。島の人口は約8万人、そこに会期中は数万人の観戦客が押し寄せます。当然ホテルもB&Bも民泊も、半年前には埋まり始めるのが定石。直前に取ろうとすると、対岸のリバプール泊で毎日フェリー往復、なんてことになりかねません。
私自身、海外のバイクイベントを調べていて痛感したのは、早期予約と直前予約の価格差が日本国内の比ではないということ。たとえばマン島内のB&Bは早ければ1泊80〜120ポンド程度から見つかりますが、会期2か月前には倍以上に跳ね上がる物件もざらです。航空券も同様で、ロンドン経由のチケットは半年前に押さえるのと3か月前では3〜5万円の差が出ることもあります。
ここで2027年と2028年、どちらを狙うかという選択が効いてきます。2027年に行きたいなら、もう今すぐ宿を仮押さえするレベル。2028年なら、まだ1年以上の準備期間があるので、貯金計画も装備の買い替えも余裕を持って組めます。CB650Rに乗り換えた時に痛感したのですが、大きな出費の前は数か月単位で家計を整えると後が楽です。海外観戦も同じで、宿・航空券・現地移動・装備をリスト化して、月いくら積み立てるかを決めるだけで現実味が一気に増します。
観戦スタイル別、レンタルバイクと公共交通どちらが向くか
現地での移動手段も比較しておきましょう。選択肢は大きく分けて、レンタルバイクで島を走るか、バスや観戦シャトルで観戦ポイントを回るかの2択です。
レンタルバイクの魅力は、TTコースを公道として自分で走れること。これはバイク乗りなら一度は夢見るシチュエーションです。ただし注意点もあります。マン島は左側通行で日本と同じですが、田舎道は道幅が狭く、ブラインドコーナーも多い。私はリターン1台目のMT-07で足つきに散々悩んだ経験があるので、慣れない土地でいきなり大型に乗るリスクは正直に伝えたいです。身長158cmの私だと、レンタルで用意される車両は足つきが厳しいことが多く、信号待ちのたびに気疲れする可能性があります。
一方、公共交通とシャトルバスを組み合わせる観戦スタイルなら、運転の緊張から解放されて純粋にレースに集中できます。マン島には観戦用の臨時バスが運行され、主要なビューイングポイントへのアクセスも整っています。バイクに乗れないストレスはありますが、お酒を片手に観戦できるのは大きな利点。
2027年に初参戦するなら公共交通中心、2028年で経験を積んでから2回目はレンタル、という段階的なプランも現実的だと思います。
装備と持ち物、日本から持っていくかレンタルか
観戦だけならカジュアルな服装で十分ですが、現地でバイクに乗るなら装備の準備が大きな分かれ目になります。ヘルメット、ジャケット、グローブ、ブーツ。これらを日本から持っていくか、現地レンタルにするかは悩ましいところです。
私の経験から言うと、ヘルメットだけは絶対に自分のものを持参すべきです。頭の形は本当に人それぞれで、合わないヘルメットは数時間で頭痛になります。私は街乗り用に夏冬で2個のヘルメットを使い分けていますが、これは長年かけて見つけた相棒たち。海外のレンタルでこのフィット感は望めません。
ジャケットとブーツは、荷物を減らしたいなら現地レンタルもアリ。ただし女性ライダー、特に小柄な体格だと、海外レンタルのサイズ展開は厳しいのが現実です。XSやSサイズの在庫は限られ、ブーツに至っては23cm前後の女性用サイズが見つからないことも。私はCB650Rに乗り換えてからブーツを買い直しましたが、足首の自由度と路面感覚の伝わり方はサイズが合ってこそです。
そしてもう一つ、女性目線で強調したいのがトイレ事情。屋外観戦ポイントには仮設トイレが設置されますが、混雑時は長蛇の列。生理用品やウェットティッシュ、薄手の羽織りものは多めに持っていくと安心です。
2027年と2028年、どちらに行くべきかの判定
ここまでの比較を踏まえて、どちらの年を狙うべきか整理します。
2027年が向いているのは、すでに海外旅行に慣れていて、宿の手配や現地移動のリサーチを苦にしないタイプ。残り期間は1年半弱、宿の選択肢が消えていくスピードを考えると、決断は早ければ早いほど有利です。費用も20〜35万円程度(航空券・宿・現地費用込み、為替次第)を覚悟する必要があります。
2028年が向いているのは、初めての海外バイクイベントで準備に時間をかけたい方、装備の買い替えや英会話の練習をしてから臨みたい方、そしてブラッド・ピットとチャニング・テイタムが関わる新作ドキュメンタリーや映画の影響で2027年が異常に混雑するのを避けたい方です。実際、有名人が絡むコンテンツが公開されると、その翌年の観戦希望者は跳ね上がる傾向があります。2028年なら少し落ち着いた環境で楽しめる可能性が高い。
リターンライダーの私自身、正直なところ2028年狙いで貯金を始めるつもりです。CB650Rで日本国内のツーリングをこなしながら、海外で観戦するならどんな準備が必要かをじっくり積み上げていきたい。焦らず、自分の身体とスケジュールに合うタイミングを選ぶのが、結局いちばん満足度の高い旅になると思っています。
まとめ
2027年と2028年、どちらを選んでも準備さえ整えれば素晴らしい体験が待っています。すでに海外旅行慣れしていて即決できる方には2027年5月31日〜6月12日が、初めての海外バイクイベントでじっくり準備したい方には2028年5月29日〜6月10日(暫定)が向いています。鍵になるのは宿の早期確保、装備のサイズ問題、そして自分の体力と経験値を冷静に見極めること。マン島TTは観戦するだけで人生観が変わると言われるイベントです。次のステップは、まず手帳に候補日を書き込み、航空券の相場をチェックすること。それだけで「いつか」が「予定」に変わります。私も貯金を始めます。一緒に準備していきましょう。

