40歳で初めてバイクに乗る人へ、私が伝えたい「遅すぎない」始め方
Googleイチオシ記事

40歳で初めてバイクに乗る人へ、私が伝えたい「遅すぎない」始め方

「40歳になってから、ようやくバイクに乗り始めました」。海外の掲示板で、そんな投稿が話題になっていました。私は自動車学校で長年指導員をしてきましたが、40代でバイクデビューする方は本当に増えています。「もう遅いかな」と迷っているうちに、また一年が過ぎてしまう。でも、大丈夫ですよ。焦らなくていいんです。今日は、40歳という節目で初めてハンドルを握る方に向けて、私が指導員時代から見てきた成功する人の共通点と、最初の一台の選び方、そして長く続けるためのコツを、一緒に確認していきます。

「40歳デビュー」は今に始まったことではない

実は、40代以降でバイクに乗り始める方は、ここ20年でずっと増え続けています。私が自動車学校に入った1990年代後半、教習所に来る40代の生徒さんはまだ少数派でした。でも2000年代に入り、AT限定大型免許が新設された2005年あたりから、ぐっと風向きが変わったんです。子育てが一段落して、自分の時間が持てるようになった方。仕事に余裕が出てきて、若い頃の憧れを思い出した方。理由はさまざまですが、共通しているのは「ずっとやってみたかった」という静かな情熱です。私の教習所にも、48歳で普通二輪を取りに来た男性がいました。十代の頃に親に反対されて諦め、30年越しに教習所の門をくぐった方です。最初の発進で何度もエンストしましたが、3か月後にはきれいに八の字を描けるようになりました。今は60代になってもツーリングを続けていらっしゃるそうです。海外の掲示板で「40 and finally riding(40歳でようやく乗り始めた)」という投稿が共感を集めるのも、世界中で同じことが起きているからなんですね。決して、あなただけが遅いわけではないんです。むしろ40代は、バイクを始める黄金期だと私は思っています。

同じ世代のライダーたちは、どんな道を選んでいるか

私のYouTubeチャンネルに寄せられるコメントを読んでいると、40代デビュー組には大きく三つのタイプがあるように感じます。一つ目は「リターン組」。10代20代で乗っていて、ブランクを経て戻ってきた方です。CB400SFやゼファー、バリオスといった、自分が若い頃に憧れた車種を選ぶ傾向があります。二つ目は「完全初心者」。免許そのものが初めてで、原付や小型から始める方。Rebel 250やGB350、PCXあたりが人気ですね。三つ目は「いきなり大型」派。教習所で大型二輪まで一気に取り、NC750XやレブルS、Vストロームを選ぶ方です。私自身は18歳でCB400SFに乗り始め、その後30台以上を試乗してきましたが、いま日常で乗っているのはRebel 250です。年齢を重ねるほど、見栄より「自分が安心して扱える一台」が大事だと痛感しています。同世代のライダーが選んでいる車種を眺めると、共通点が見えてきます。シート高が低いこと。車重が軽いこと。前傾がきつくないこと。この三つを満たすバイクは、40代の体に本当にやさしいんですよ。先日、私のチャンネルに「45歳でレブル250を買いました」というコメントをくださった方は、納車から半年で5000km走ったそうです。続けやすい一台を選ぶことが、上達への一番の近道なんですね。

40歳で乗り始める人が、いま置かれている環境

今のバイク環境は、私が指導員になった頃と比べて、初心者にとってずいぶん優しくなりました。まずABS(アンチロックブレーキ)が125cc超で義務化され、転倒リスクの大きな要因が一つ減りました。トラクションコントロールや、滑りやすい路面で出力を抑えるライディングモードも、200万円以下のミドルクラスに普通に付いてきます。装備面でも、エアバッグ内蔵のジャケットが10万円前後で手に入るようになりましたし、メッシュジャケットでも背中・肩・肘にCEレベル2のプロテクターが標準装備という製品が増えています。私が若い頃は「革ジャンに普通のジーンズ」が当たり前でしたが、今そのスタイルでベテランが走っていたら、私は本気で心配します。一方で、交通環境は厳しくなった面もあります。スマホ運転の四輪が増え、見落とされるリスクは確実に上がっています。だからこそ40代で乗り始めるなら、被視認性の高いヘルメットカラー、昼間でも目立つジャケット、こうした「守りの装備」にしっかり予算を回してほしいんです。バイク本体だけでなく、装備込みで予算を考える。これが今の時代のスタンダードです。具体的には、車体価格の2割程度を装備予算に充てるのが私のおすすめです。50万円の車体なら10万円。これくらいの感覚で見積もっておくと、後悔のない買い物ができます。

「最初の一台」の選び方、私が伝え続けていること

教習所で何百人もの生徒さんを見てきて、最初の一台選びで失敗する方には共通点があります。それは「憧れ」で選んでしまうこと。もちろん憧れは大事です。でもバイクは、足が着かないと不安で、重すぎると押し引きが怖くなり、結果として乗らなくなってしまうんです。乗らないバイクは、上達もしません。私がいつもお伝えしているのは、まずまたがってみて、両足のかかとが半分以上着くか確認すること。次に、サイドスタンドから引き起こせるかを試すこと。そして、20分以上前傾姿勢で乗っても腰が痛くならないかを試乗で確かめること。この三つです。40歳前後だと、20代の頃より体の柔軟性が確実に落ちています。私自身、教習指導員時代の相棒だったCB400SFを今でも所有していますが、長距離は明らかにRebel 250のほうが楽です。同じ400ccクラスでも、ポジションが少し違うだけで疲労感はまったく違うんですよ。最初の一台は、上達のための練習機です。3年乗って自信がついてから、本当に憧れていた大型に乗り換える。この順番のほうが、結果的に長くバイクを楽しめます。「最初から一生モノを」と気負わなくていいんです。むしろ、最初は気軽に倒せる、気軽に擦れる一台のほうが、練習量が増えて上達も早くなります。

40歳デビューだからこそ持てる、強みがある

実は私、40歳以降でバイクに乗り始める方には、若い人にはない強みが三つあると思っています。一つ目は「無理をしない判断力」。20代は勢いで走れますが、40代は体力の限界を自分で把握できます。眠い、疲れた、雨が強い、こうしたサインを無視しないんです。これは事故を防ぐ最大の武器です。二つ目は「装備にお金をかけられる経済力」。ヘルメット一つとっても、3万円のものと7万円のものでは、長距離の疲労がまったく違います。装備をケチらない選択ができるのは、大人ライダーの特権です。三つ目は「目的が明確であること」。十代二十代は「カッコいいから」で乗り始めますが、40代の方は「キャンプに行きたい」「妻と二人で温泉に行きたい」「通勤を楽しくしたい」と、目的がはっきりしています。目的がある人は、その目的に合った乗り方を選ぶので、無謀な走りをしません。これからの数年で、40代以降のライダー向けに、シート高をさらに下げたモデルや、低速トルクを厚くしたファミリーバイクがもっと増えると私は予想しています。メーカー各社の最近の新型を見ていると、その流れは確実にあります。電子制御の進化で、初心者でも扱いやすいミドルクラスが充実してきている今は、40代でデビューするのに本当にいいタイミングなんですよ。

まとめ

40歳でバイクに乗り始めることは、世界中で増えている自然な選択です。リターン組も完全初心者も、いきなり大型派も、それぞれ自分のペースで楽しんでいます。大切なのは、憧れではなく自分の体格と生活に合った一台を選ぶこと。装備に予算を惜しまないこと。そして焦らないことです。次の一歩として、まずは近くのディーラーや大型用品店で、気になる車種にまたがらせてもらってください。足着き、引き起こし、ポジション。この三点を自分の体で確かめるだけで、最初の一台はぐっと近づきます。今後はシート高の低い大人向けモデルがさらに増えると私は見ています。あなたのバイク人生は、これから始まるんですよ。




この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Xでフォローしよう

おすすめの記事