ヤマハXSR155がマレーシアで登場、旅目線で見る小排気量ネオクラの実力
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ヤマハXSR155がマレーシアで登場、旅目線で見る小排気量ネオクラの実力

ヤマハがマレーシア市場でXSR155を発表しました。価格はRM12,998と報じられており、円換算で約45万円前後。155ccの水冷単気筒にネオクラシックの装いをまとった一台です。日本での正規導入は現時点で未定ですが、東南アジアで人気のMT-15やY15ZRと同系プラットフォームを持つXSR155は、旅好きの目にも興味深く映ります。今回は年間2万km走るツーリングライダーの視点から、この小排気量ネオクラが持つ実用面のポテンシャルと、日本のライダーが注目すべきポイントを整理していきます。

マレーシアで発表されたXSR155の概要

報道によれば、ヤマハXSR155はマレーシアでRM12,998の価格設定でデビューしました。ベースとなるのはMT-15やYZF-R15と共通の155cc水冷SOHC単気筒エンジンで、VVA(可変バルブ機構)を搭載していると見られます。最高出力は約19馬力前後、車重は135kg前後という数値が伝えられています。デザインは丸目ヘッドライトとフラットなシート、ティアドロップ型タンクを組み合わせた王道のネオクラシックスタイル。XSR700やXSR900に通じるファミリールックを、小排気量クラスに落とし込んだ格好です。もともとXSR155はインドネシアやタイで先行販売されていたモデルで、マレーシア市場への正式投入は東南アジア戦略の一環と読み取れます。ASEAN諸国では日本以上に150cc前後のクラスが主戦場で、通勤からロングツーリングまで一台でこなす文化が根付いています。日本市場への導入については公式にアナウンスされていませんが、同クラスのMT-15が国内正規販売されている実績を考えると、可能性はゼロではないと感じます。私が普段乗るTenere 700と並べれば車格は半分ほどですが、街から林道の入り口まで気軽に扱える排気量帯として無視できない存在です。(出典: Zigwheels)

旅目線で見た航続距離とタンク容量

私が新型車を見るとき、真っ先にチェックするのがタンク容量と燃費です。XSR155のタンク容量は約10.4リットルと公表されています。155ccクラスのVVA搭載エンジンは燃費が良く、実走で40km/L前後は狙える印象があります。単純計算で航続距離は約400km前後。これは長距離ツーリングでも十分に戦える数字です。私は以前CB500Xで九州一周を走りましたが、17.5リットルタンクでの実航続は約450km。XSR155はその9割近い距離を、はるかに軽い車体で走り切れる可能性があるわけです。北海道の道東など、給油ポイントが100km以上離れる区間でも、10リットルタンクで400km走れるならリスクは低い。実際、私は北海道一周を5回経験していますが、給油計画で最も神経を使うのは中標津から知床、あるいは宗谷岬周辺の内陸ルートです。そうしたエリアでもXSR155なら精神的な余裕を持って走れるでしょう。ただし懸念点もあります。155ccの単気筒で高速道路の巡航は正直厳しく、日本のように高速主体で距離を稼ぐスタイルには向きません。下道メインでのんびり距離を積む、いわゆるスロートラベル派に相性が良い一台です。ユーラシア横断のときも痛感しましたが、旅で本当に効くのは最高速ではなく給油サイクルの安心感。その意味でXSR155の航続力は評価できます。

積載性と装備の拡張余地

ネオクラシック系のバイクで悩ましいのが積載性です。XSR155はフラットに近いシート形状とスチール製のリアフレームを持ち、シートバッグやサドルバッグの装着自由度は高そうです。丸みを帯びたテール周りはロールバッグとの相性も悪くありません。一方でパニアケースを左右に振り分けるようなハードケース運用は、車格から見て現実的ではないでしょう。想定される旅装は、リアシートに40〜50リットルのシートバッグ+タンクバッグの組み合わせ。これで1〜2週間のツーリングは十分こなせます。私が22歳のときに乗っていたSR400も、まさにこのスタイルで北海道を回りました。テントと寝袋、着替えと最小限の工具、これだけ積めれば旅は成立します。あのシンプルな積載感覚が現代版で蘇るとしたら、それは十分魅力的です。電装面では、XSR155にはLEDライトとフルデジタルメーターが備わると伝えられています。USB電源を後付けすればナビとスマホ運用も問題なし。ABSも標準装備される見込みで、雨天走行時の安心感につながります。装備自体は華美ではありませんが、必要十分にまとまっているという印象を受けます。旅道具は最後は使い手次第。過剰装備より、素性のいい素の車体に自分の使い方を重ねられる余白こそが価値だと私は考えています。

MT-15や兄貴分XSRシリーズとの比較

XSR155を評価するには、兄弟車との比較が欠かせません。まず同エンジンのMT-15。こちらはネイキッドスポーツとしてキャラを振っており、前傾姿勢とアグレッシブな見た目が特徴です。対してXSR155はアップライトなポジションと落ち着いた造形で、街から旅まで幅広く付き合える万能型といえます。ライバル関係にあるのはホンダのCB150R系やGB350の弟分的存在ですが、水冷VVA単気筒という点でXSR155の伸びやかさは光ります。上位モデルのXSR700やXSR900と比べると、当然パワーもトルクも大きく劣ります。ただ車重135kg前後という軽さは、林道の入り口で取り回すときに絶対的なアドバンテージです。私のTenere 700は204kgあり、未舗装路での押し引きは正直しんどい場面もあります。ぬかるみでスタックしたときや、Uターン先の路面が想定より悪かったときなど、重さは容赦なく体力を削ってきます。もしサブ機として155ccクラスのネオクラシックがガレージに加わるなら、林道アプローチや里山散策の使い方が広がるはず。現在CB500Xを街乗り兼予備で残しているのも、軽くて気軽な一台の価値を身をもって知っているからです。35歳から乗っていたAfrica Twinから500Xに乗り換えた瞬間の「軽さの解放感」は、今でも忘れられません。

誰におすすめか、日本のライダーが注目すべき理由

XSR155が刺さるのは、まず普通二輪免許で扱える手軽さを求めるライダーです。車重135kg前後、シート高810mm前後という数値は、足つき性や取り回しに不安を抱える層にとって現実的な選択肢になります。次に、下道メインでゆったり旅をしたい層。高速を使わずに一般道と林道の脇道を繋いで走るスタイルなら、155ccのトルクとネオクラらしい鷹揚な乗り味は相性抜群です。そして三つ目が、大型のセカンドバイクを探しているベテラン層。私自身、大型ADVの合間に軽量な一台を挟むことで、旅の選択肢が広がった経験があります。晴れの週末は大型で遠出、平日夜のちょっとした散歩は軽量車、といった使い分けができるとバイクライフの充実度は跳ね上がります。旅は必ずしも大排気量が正解ではありません。逆に、高速道路で長距離を短時間で移動したい人、二人乗りで荷物満載のツーリングをしたい人には力不足です。日本正規導入の可能性については、現時点で公式発表はなく、並行輸入での入手が現実的な選択肢になるでしょう。整備網や部品供給の面で不安が残る点は正直に踏まえておくべきです。特に消耗品はASEAN向け型番と国内型番で差異があるため、購入前にショップとよく相談することをおすすめします。それでも、この価格帯でこのスタイルが手に入るなら、選択肢として知っておく価値は十分あります。

まとめ

ヤマハXSR155はマレーシアでRM12,998、円換算で約45万円前後で登場した155ccネオクラシックです。日本正規導入は未定ですが、10.4リットルタンクによる約400km航続、135kg前後の軽量ボディ、拡張性のあるシート周りなど、下道中心のスロートラベル派には十分魅力的な素性を備えています。大型ADVで長距離を走る私から見ても、セカンドバイクとしての可能性を感じさせる一台でした。まずは並行輸入車の実車を扱うショップやモーターサイクルショーで現物を確認するのが次のアクションになるでしょう。国内動向にも注目しつつ、自分の旅スタイルに合うかをじっくり見極めてみてください。




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