ヤマハ・テネレ700ワールドレイド徹底解説、3日間300マイル試乗レビューから見えた実力とは
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ヤマハ・テネレ700ワールドレイド徹底解説、3日間300マイル試乗レビューから見えた実力とは

ヤマハがアメリカで開催した第1回「Ténéré Trek」で、新型テネレ700ワールドレイドが本格デビューしました。「ワールドレイドって普通のテネレ700と何が違うの?」「デュアルサイドタンクのメリットは?」「日本で買えるの?」「MT-09乗りの自分にも刺さる?」——そんな疑問をお持ちの方に、Q&A形式でお答えしていきます。私はMT-09、TRX850、FZX250 ZEALの3台持ちですが、実はアドベンチャー系にも密かに注目中。今回のアイダホでの300マイル試乗レポートを、ハンドリングと電子制御の観点から読み解いていきましょう。

Q1: そもそもテネレ700ワールドレイドとは何者?

結論から言うと、テネレ700の「超ロングツーリング特化型」です。ベースの魂は共有しつつ、砂漠横断ラリーのような長距離走破性に振ったバリエーションが、このワールドレイドという位置づけになります。

最大の特徴は、シート下や車体側面に配置されるデュアルサイドマウント燃料タンク。左右に分けて搭載することで、大容量化とマスの集中化を両立しようという発想です。標準テネレ700が16L前後なのに対し、ワールドレイドは容量を大きく増やしていて、給油ポイントの少ないルートでも安心して走り切れる設計になっています。

私はMT-09に乗り換えてから、CP2ではなくCP3(3気筒)の鼓動を楽しんでいますが、テネレ700系はMT-07と同じCP2並列2気筒。TRX850で10年ツインを味わい尽くした身としては、あの「トルクで押し出される感覚」がオフロード走行にどうハマるのか、非常に興味が湧きます。

さらに今回の目玉として、KYB製サスペンションのアップグレードと、電子制御ライダーエイドの強化が挙げられています。単なる「タンク大盛り版」ではなく、足回りと電子制御まで手が入っているのがポイントです。

映像を見ると、アイダホの雄大な景色の中を、ジャーナリストたちが3日間・300マイル超を駆け抜けている様子が伝わってきます。動画の短い尺の中にも、車体の落ち着き具合が滲んでいて、これは机上のスペックだけでは語れないバイクだと感じます。

Q2: 標準のテネレ700から何が変わった?

変更点を整理すると、主に4つのポイントに集約できます。

1つ目は前述のデュアルサイドマウント燃料タンク。ラリーマシン的な発想で、重量物を低く分散配置しています。満タン重量が増えても、重心が低ければハンドリングへの悪影響は最小化できる——これはTRX850で燃料残量による挙動変化を10年観察してきた私の実感とも一致します。

2つ目はKYB製サスペンションのアップグレード。ストロークやセッティングが長距離オフロード向けに最適化されていると見られます。標準テネレ700も足は良い評価を得ていますが、ワールドレイドはさらに一段上の「荒れた路面での姿勢の安定」を狙った仕上がりです。

3つ目は電子制御ライダーエイドの拡充。詳細スペックは市場によって差がある可能性があるので断定は避けますが、コーナリングABSやトラクションコントロールのモード切替など、現代アドベンチャーに求められる装備がしっかり入っていると考えられます。私がMT-09で日々ありがたみを噛み締めている電子制御が、オフロードでどう味付けされているのかは要注目ポイントです。

4つ目はロングディスタンス・コンフォート。シート形状、ライディングポジション、ウインドプロテクションといった「1日400km以上走っても疲れない」ための総合的な作り込みが施されています。

参加ジャーナリストたちのフルレビューも各媒体で公開されているので、詳細な数値評価はそちらも参照する価値があります。

Q3: 価格・発売時期はどうなる?日本導入は?

結論、今回のイベントは北米市場向けのプロモーションが中心で、日本での正式な発売時期・価格については現時点で明確なアナウンスがありません。

アメリカでは、アイダホのボイジーからタマラック・リゾートまでの300マイル超の試乗ルートを設定し、主要メディアを招いての大規模なローンチイベントが行われました。この力の入れようから、北米が主戦場のひとつであることは明らかです。

一方で日本市場については、テネレ700の標準モデルが正規輸入されている実績があるため、ワールドレイドも将来的に導入される可能性は十分あります。ただ、日本のツーリング事情を考えると、正直「ここまでの燃料タンク容量が必要なシチュエーションは限定的」というのも事実。北海道横断や、九州のロングツーリングを頻繁にやる層には確実に刺さりますが、都市部近郊メインだとオーバースペック気味かもしれません。

価格に関しては、標準テネレ700に対して装備差ぶんの上乗せは確実で、海外の情報を見る限り、それなりに立派なプライスタグが付くことが予想されます。ただ現時点で数値を断定するのは避けておきます。詳細は正規ディーラーの続報を待ちたいところです。

私自身、TRX850で日本一周に近いことをやった経験がありますが、日本の給油環境なら標準テネレでも困る場面はほぼありません。逆に言えば、ワールドレイドは「日本を飛び出して走る夢」を後押ししてくれる一台とも言えます。

Q4: どんなライダーにおすすめ?

ズバリ、「長距離・悪路・自己完結」の3拍子を求める人にドンピシャです。

具体的には、①林道ツーリングを日常的にこなし、②1日500km以上のロングランを苦にせず、③給油ポイントの読めないルートに突っ込んでいく気概がある——そんなライダーです。海外ツーリング、特にモンゴルやアフリカ、中央アジアといった本気のアドベンチャーを視野に入れている人にとっては、まさに待望のマシンでしょう。

逆に「街乗り8割・週末ワインディング2割」のような使い方だと、ワールドレイドの真価は正直持て余します。この場合は標準テネレ700や、私も乗っているMT-09のような舗装路寄りのモデルの方が満足度は高いはずです。

CP2エンジンの魅力についても触れておきたいのですが、あの低回転からモリモリ出るトルクは、疲労困憊の悪路で本当に頼りになります。TRX850の5バルブツインとはキャラクターが違いますが、「ツインの鼓動で押し出される快感」という点では血脈を感じる作りです。ヤマハがこだわる人馬一体の思想は、ラリーマシンにもしっかり息づいていると私は見ています。

もうひとつ大事な視点として、KYBの足回りは舗装路でも実力を発揮します。突き上げをいなす能力が高いサスは、荒れた高速道路の継ぎ目や、雨で削れた峠でもライダーの負担を軽くしてくれる——アドベンチャー系を街乗りで使うメリットは、実はここにあるんですよね。

Q5: 既存テネレ700オーナーは買い替えるべき?

結論、「使い方が明確に変わる予定があるなら買い替え、今の使い方に満足しているなら現状維持」が私の答えです。

買い替え推奨のパターンは3つ。①長距離ラリーやアドベンチャー系イベントへの本格参戦を考えている、②海外ツーリングを具体的に計画している、③現行機のサス性能に物足りなさを感じている——このいずれかに当てはまるなら、ワールドレイドは投資に値します。特にKYBの新サスは、荒れた路面を高速で流す場面での安心感が段違いと予想されるので、林道ラリーストには福音です。

一方、現状維持でOKなパターン。①週末ツーリングと年数回のキャンプツーリングが中心、②燃料タンク容量に不満を感じたことがない、③電子制御の追加機能に強い興味がない——これらに当てはまるなら、無理に乗り換える理由は薄いです。標準テネレ700は完成度が高く、まだまだ第一線で戦えるモデルですから。

メリット・デメリットを整理すると、メリットは長距離走破性・足回り・電子制御の進化。デメリットは車両価格の上昇、車重増加(タンク容量ぶん)、日本の使い方だとオーバースペック気味になりうる点です。

コスパ観点では、私なら現行テネレ700オーナーは1年ほど市場のインプレを見てから判断することを勧めます。TRX850を10年乗った経験から言うと、名機は乗り込むほど良さが分かってくるもの。焦らずじっくり比較検討してください(出典: Yamaha公式および参加メディア各社)。

まとめ

Q&A全体を総括すると、テネレ700ワールドレイドは「標準テネレの魂を継ぎつつ、長距離走破性を極限まで高めた特化型」です。デュアルサイドタンク、KYBサス、強化された電子制御という3本柱で、本気のアドベンチャーライダーに応える一台に仕上がっています。日本導入は未定ですが、続報は要チェック。次に知るべきは「標準テネレ700との実測燃費差」「日本のディーラーでの取扱可否」「同クラスライバル(V-Strom 800DEやトランザルプ750)との比較」といったあたりでしょう。まずは正規ディーラーで標準テネレ700に試乗して、CP2エンジンの魅力を体感してみることをおすすめします。そこからワールドレイドが必要かどうかの判断が、より現実的なものになるはずです。




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