ヒュンダイのバイクは発売された?2つの非公式コンセプトCGを検証

結論:ネットで長く拡散している「Hyundaiのバイク」は、Hyundai Motor Companyが発表した市販予定車ではありません。少なくとも旧記事に掲載した画像は、独立デザイナーがHyundaiのブランドを想定して描いた2つの別々のデザインCGです。

ひとつはMin Seong Kimによる筋肉のように変形する二輪コンセプト、もうひとつはShane Baxleyによる屋根付き電動三輪「Aebulle」です。画像を混ぜて「ヒュンダイがV6/V8バイクを開発」と解釈することはできません。

旧記事の訂正:以前は複数のCGを一つのHyundaiコンセプトとして掲載し、エンジンをV6またはV8と推測していました。作者と企画が異なるため、画像群を切り分け、公式発表ではない点を明記して全面改稿しました。

旧記事に混在していた2つの企画

筋肉型モーターサイクル Hyundai Aebulle
デザイナー Min Seong Kim Shane Baxley
発表時期 2011年前後 2010年前後
車輪 二輪 前2・後1の三輪
着想 人間・動物の筋肉 蝶のさなぎ(cocoon)
想定動力 CGから確定不可 床下バッテリーとインホイールモーター
Hyundai公式 確認できない 確認できない
実車・市販 なし なし

Min Seong Kimの筋肉型バイク

2011年前後にデザイン媒体で紹介された二輪コンセプトです。車体を上下の流線形パーツが絡み合う形にし、筋肉のように伸縮する架空素材を想定。旋回時には柔軟になり、加速時には収縮して剛性を高めるというアイデアでした。

これは工業デザイン上の提案で、実際の素材、操舵機構、衝突安全、量産方法まで実証したプロトタイプではありません。レンダリングから内燃機関の気筒数を判定することもできず、「V6」「V8」という旧記事の記述には根拠がありませんでした。

Aebulleは屋根付き電動三輪

AebulleはShane Baxleyがロサンゼルスの通勤を想定して描いた一人乗り三輪コンセプトです。名称は韓国語の「さなぎ」に由来し、AlON(透明セラミックス)を想定したキャノピーで乗員を包む発想でした。

前2輪を独立して傾け、床下のリチウムイオン電池から各車輪のインホイールモーターへ給電する設定です。フロントガラスへの情報表示など先進的な着想を盛り込んでいますが、学生・デザイナーによる提案であり、Hyundaiの発売予告ではありません。

「メーカー公式コンセプト」の見分け方

  1. メーカーのニュースルームに発表日、展示会、責任者コメントがある
  2. 公式ドメインに車名、画像、技術説明が掲載されている
  3. 画像のクレジットに企業名ではなく個人デザイナー名だけがないか確認する
  4. 「for Hyundai」「Hyundai-branded」という想定提案を「by Hyundai」と取り違えない
  5. CG、モックアップ、走行試作車、量産予定車を分ける

企業ロゴが描かれていても、メーカーが承認・関与した証拠にはなりません。デザイン投稿サイトでは、ブランドを仮定した自主制作が一般的に公開されています。

Hyundaiは二輪モビリティを研究していない?

それも違います。Hyundai Motor Groupは2017年のCESで車載折りたたみ電動スクーターの試作を示し、2019年には後輪駆動、20kmの航続距離、最高20km/hを想定した改良コンセプトを公式発表しました。

ただし、これは自動車に収納・充電するラストワンマイル用キックスクーターです。Min Seong Kimの大型二輪CGやAebulleとは別企画であり、「Hyundaiのオートバイ発売」を示すものではありません。

Amazonでモビリティ・工業デザインの本を探す

※版、価格、在庫は移動先でご確認ください。当サイトはAmazonアソシエイトの適格販売により収入を得ています。

確認資料

初出:2014年11月/2つの非公式デザインを分離し、2026年8月に全面改稿。




おすすめの記事