ランボルギーニV12バイクとは?Chuck Beck製Espadaワンオフの正体

「ランボルギーニのV12バイク」として知られる長大な車両は、Automobili Lamborghiniの公式製品ではありません。米国の車両ビルダーChuck Beck(チャック・ベック)氏が、Lamborghini EspadaのV12エンジンを使って製作した一台限りのカスタムです。

先に結論

  • ベース車両を改造したのではなく、Espada用V12の周囲に専用車体を製作
  • エンジンは縦置きで、車体は一般的なバイクより大幅に長い
  • 製作者本人が走らせる映像はある
  • Lamborghini公式バイク、市販車、量産試作車ではない
  • 公称出力、実測最高速、現在の販売価格、日本での登録可否は未確認

旧記事は「Lamborghini Espada V12エンジンでバイクを作った」という短い動画紹介で、製作者と公式性を明確にしていませんでした。2026年8月、Lamborghini公式のEspada資料とBeck氏本人が出演する車両紹介をもとに全面改稿しています。

V12バイクの製作者はChuck Beck

Chuck Beck氏は、Porsche 550 SpyderをモチーフにしたBECK Spyderなどで知られる米国の車両ビルダーです。BECK公式サイトの沿革では、1983年からレプリカ車の設計・製作に関わり、専用シャシーを開発してきた経歴が確認できます。

V12バイクについて本人が出演したCaffeine & Octaneの映像では、友人のLamborghiniが火災に遭い、残ったエンジンを譲り受けたことが製作の始まりだったと説明しています。既存のバイクへ「載せ替えた」のではなく、エンジンを中心にフレーム、外装、操舵、冷却、駆動系を組み立てた車両です。

エンジンはLamborghini Espadaの約4L V12

Lamborghini公式のヒストリーページによれば、Espadaは1968年のジュネーブモーターショーで発表された4座GTで、1968~1978年に生産されました。公式50周年記事は4.0L V12・340hpと説明しています。

項目 確認できる内容
製作者 Chuck Beck氏
エンジン由来 Lamborghini Espada用V12
排気量 Espada純正は約4.0L(3,929ccとして知られる)
搭載方向 車体の前後方向へ縦置き
車体 専用製作のフレーム・外装・操舵系
冷却 ラジエーターを車体後部へ配置
販売 量産・市販なし

Espadaには生産時期による仕様差があるため、「このバイクは必ず340hp」とは言えません。さらに吸排気、冷却、点火、トランスミッションを車用と違う構成へ変更しています。車両状態でのダイナモ計測値は公表されておらず、ネット上の350~450hpという数字は公式な実測値ではありません。

なぜ車体がこれほど長いのか

一般的な多気筒バイクは、車幅を抑えながらクランクシャフトを左右方向へ置き、出力をチェーンやシャフトへ伝えます。このV12バイクは、自動車用の長いV12を前後方向へ置くため、前輪と乗車位置の間が極端に長くなりました。

ハンドルから前輪までは直接的な短いステムではなく、長いリンク機構で操舵を伝えます。ラジエーターをライダー後方へ置いたのは、巨大なエンジンの熱源を身体から少しでも離す意図です。吸気ファンネルが左右へ並び、外装で隠さずV12自体を主役にしています。

本当に走る?製作者本人の走行映像がある

Caffeine & Octane:Chuck Beck's V12 Motorcycleでは、Beck氏がエンジンを始動し、低速で車両を走らせています。静止展示用の模型ではなく、自走するワンオフです。

Beck氏は映像内で、動き出せばバイクのように扱え、最高速を追うためのギア設定ではないものの約140mph(約225km/h)相当を想定した趣旨を述べています。ただし、これは製作者の説明であり、GPS・計測区間・第三者試験による最高速記録ではありません。

約4LのV12、長いホイールベース、間接操舵、低い地上高を持つため、通常の市販バイクと同じ旋回・制動・熱対策を期待できません。公道やサーキットで性能を試すことを勧める車両ではなく、実験的なエンジニアリング作品として見るべきです。

公道走行できる?日本で登録できる?

公開映像に走行場面があっても、撮影場所が公道か、どの州でどの登録区分なのか、現在も有効な登録・保険があるかは確認できません。「動画で走っている=どの国でも公道走行可能」ではありません。

日本へ持ち込む場合は、輸入書類、車台番号、製作車の審査、排出ガス・騒音、制動装置、灯火、車体寸法などを個別に満たす必要があります。既存のLamborghiniやバイクの型式認定をそのまま利用できる車両ではありません。

買える?価格はいくら?

量産品ではなく、Lamborghini、BECK、二輪メーカーに注文できるモデルでもありません。現在の所有者、売却意思、査定価格を示す一次情報は確認できません。中古車検索で「Lamborghini V12 motorcycle」と表示されても、同型車の在庫やメーカー保証付き商品ではない点に注意してください。

製作費を市販価格へ置き換えることも困難です。希少なEspada用エンジンに加え、フレーム、操舵、冷却、燃料、電装、駆動系を一点ずつ設計するため、通常のカスタム費用比較は成立しません。

ほかのV12バイクとの違い

V12バイクには大きく二つの作り方があります。Chuck Beck車は四輪用V12を縦置きする方式。Allen Millyard氏のZ2300 V12は、Kawasaki Z1300の直列6気筒部品から二輪用V12を新造する方式です。

Chuck Beck V12 Millyard Z2300 V12
素材 Lamborghini Espadaの自動車用V12 Kawasaki Z1300系の二輪部品
搭載 縦置き 横方向に収まる専用V12
車体 エンジンに合わせた長大な専用車体 大型バイクに近い構成
メーカー公式 どちらも非公式の個人製作 どちらも非公式の個人製作
カワサキZ2300 V12の構造
Allen Millyard氏が二輪部品から作ったV12を検証。
世界記録の48気筒Tinker Toy
KH250エンジン16基分から作った4,200cc車。
カスタム車・旧車の買取比較
特殊車両は各社の取扱条件を先に確認。

広告を含みます:以下のAmazonリンクから購入されると、当サイトに紹介料が入る場合があります。

AmazonでV12エンジン模型・組み立てキットを探す

気筒配列、可動方式、動力源、工具の要否、対象年齢を商品ページで確認してください。

確認に使用した資料

初出:2016年11月/2026年8月21日、製作者、公式性、車両構造、市販・登録状況を再確認して全面改稿。LamborghiniおよびEspadaは権利者の商標です。




おすすめの記事