
みなさん、こんにちは。最近、コーヒーを豆から挽く時間に幸せを感じている、ライターの松井 さちです。香ばしい香りが漂う朝のひとときって、なんだかエンジンが暖まるのを待っているアイドリングの時間に似ていませんか?さて、今日もホットなニュースを肴に、バイク談義に花を咲かせましょう。

目次
Z125 Proに降りかかった、前のオーナーの「置き土産」事件
今回取り上げる話題は、2018年式のKawasaki Z125 Proを個人売買で購入したという方からのお悩みです。なんと、前のオーナーが取り付けた燃料ポンプが純正品ではなく、しかも車体に対してサイズが大きすぎるものが無理やり付いているとのこと。エンジンはかかって走るようですが、新しいオーナーさんは「天気がいいから少し走りに行きたいんだけど、このまま走ったら壊しちゃうかな?」と心配しています。
これを聞いて、思わず「その気持ち、わかりすぎて辛い!」と膝を打ちました。せっかく手に入れた新しい相棒、しかも天気がいいときたら、走り出したくなるのがライダーの性ですよね。でも、燃料ポンプのサイズが合っていないなんて、前のオーナーは何を考えていたんでしょうか。まさにカスタムの沼にハマって方向を見失ったのか、それとも手元にあったパーツで無理やり直したのか、想像するだけで少し草が生えてしまいます。
「末っ子」Z125 Proと、私の愛する「長男」Z900
さて、Z125 Proといえば、私が現在溺愛しているZ900の末っ子的な存在です。あのシャープで攻撃的な「Sugomi(凄み)」デザインが、125ccのコンパクトなボディに凝縮されている姿は、見ていて本当に尊いですよね。私のZ900は、アクセルを捻れば魂が震えるような加速を見せてくれる大型バイクですが、Z125 Proには「使い切れる楽しさ」という別の魅力があります。
私が29歳で免許を取って最初に迎えたバリオスの頃を思い出します。あの頃は、とにかくバイクに乗れることが嬉しくて、多少の不調があっても「なんとかなるでしょ!」という若さゆえの勢いがありました。バリオスの高回転まで回るエンジンの音に酔いしれながら、怖さが楽しさに変わっていくあの感覚。今回の相談者さんも、きっとZ125 Proの軽快な走りを早く味わいたくてウズウズしているんでしょうね。
その後、34歳でゼファー400に乗り換えた時、私は「所有感」というものを学びました。空冷フィンの美しさ、タンクの曲線、それらを眺めながらコーヒーを飲む時間。ゼファーは少し手のかかる部分もありましたが、そこも含めて愛おしい存在でした。Kawasakiのバイクって、ちょっと無骨で不器用なところがあるじゃないですか。そこがたまらないんです。優等生すぎない、どこか人間臭い機械。今のZ900も、最新技術の塊でありながら、Kawasakiらしい荒々しさを隠し持っています。
燃料系のトラブルは、男らしいKawasakiでもご法度?
さて、今回の問題の核心に入りましょう。「サイズ違いの燃料ポンプで走っていいか」という問いに対して、私の経験とKawasaki愛に基づいた結論を言うならば、答えは「絶対にNo」です。
燃料ポンプが大きすぎるということは、燃圧が高すぎる可能性があります。もし燃圧が高すぎれば、インジェクターから想定以上の燃料が噴射され、混合気が濃くなりすぎます(リッチ状態)。そうなると、プラグがかぶったり、最悪の場合は余分なガソリンがシリンダー内の油膜を洗い流してしまい、エンジンの摩耗を早めたり、オイルにガソリンが混ざったりするリスクがあります。
また、物理的にサイズが合っていないポンプを無理やり付けているなら、燃料ラインに無理な力がかかっているかもしれません。走行中の振動でホースが抜けたり、燃料漏れを起こしたりしたら……想像するだけでゾッとします。私のZ900なら、そんな雑な扱いをしたら即座に拗ねてしまいそうです。
Kawasakiのバイクは頑丈で「男らしい」イメージがありますが、それは適切なメンテナンスがあってこそ。心臓部である燃料系に爆弾を抱えたまま走るのは、あまりにリスクが高すぎます。ここはグッとこらえて、純正部品か適切なリプレイス品が届くのを待つのが、真のライダーの嗜みと言えるでしょう。
理想の「ビフォー・アフター」を目指して
ここでは、今の状態(ビフォー)と、修理後の状態(アフター)を整理してみましょう。
現状(ビフォー):
サイズ違いの燃料ポンプにより、いつ止まるかわからない不安を抱えた状態。燃調が狂っている可能性が高く、本来のZ125 Proのキビキビした走りが損なわれているかもしれません。無理して走れば、愛車を壊す「破壊の沼」へ一直線です。
修理後(アフター):
適切なポンプに交換することで、正しい燃圧で燃料が供給されます。Z125 Proが本来持っている、スムーズでパンチのある加速が復活!不安なくスロットルを開けられる喜びは、何物にも代えがたいものです。これこそが、Kawasakiが設計した本来の「Sugomi」パフォーマンスです。
よくある質問(FAQ)
Q1:個人売買でバイクを買うときの注意点は?
A1:前のオーナーがどんなカスタムをしているか、しっかり確認することが大切です。今回のように、見えない部分に「爆弾」が仕掛けられていることもあります。わからないことがあれば、恥ずかしがらずに詳しい人やショップに見てもらうのが一番です。
Q2:部品が届くまで我慢できません!どうしたらいい?
A2:その気持ち、痛いほどわかります。でも、その待ち時間も愛車への愛を育む時間だと思ってください。洗車をして隅々まで磨き上げたり、チェーンのメンテナンスをしたり、Z900乗りの私なら、パーツリストを眺めながらニヤニヤする時間に充てますね。
Q3:Kawasakiのバイクって壊れやすいの?
A3:昔は「Kawasakiか…」なんて言われることもありましたが、今は信頼性も非常に高いです。ただ、少し手がかかる子がいるのも事実。でも、手をかければかけるほど、それに応えてくれるのがKawasakiのバイク。その無骨さが愛おしくてたまらないんです。
いかがでしたか?Z125 Proという小さな巨人を通じて、改めてバイクとの向き合い方を考えさせられました。私のZ900も、そろそろ次のメンテナンスの時期かな。週末はガレージに籠もって、愛車との対話を楽しみたいと思います。みなさんも、安全で楽しいバイクライフを!

