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想像してみてください、自分の物的財産が忽然と姿を消すということ
皆さんこんにちは、モーターサイクルナビゲーター、ライターの山本です。
※今回は内容を鑑み、通常の編集で行う画像による演出は省きますのでご了承ください。
既に多くのバイクファンならご承知のことと思いますが、2019年3月3日、レーサーの宇井陽一さんのチームトラックが何者かによって盗まれているのがわかりました。
宇井さんご本人のFacebookによると、犯行時間は2019年3月2日の19時から3月3日の午前8時までの間。
場所は、千葉県成田市北羽鳥、国道408号線沿いにある宇井さんのガレージです。
ナンバーは 福島100 す42ー71。
宇井さんのFacebookより
この中にはレーシングンマシンやスペアパーツ、つなぎ、タイヤ、ヘルメット、その他マシン開発に必要なものすべてが詰め込まれていました。
各局のニュースにも報道されているところですが、それらはおよそ2,000万円相当だと言いうことです。
報道ではそういった被害の内容について伝えているわけですが、私はこれを単に「窃盗」としてくくるような話ではないと感じています。
これは宇井さんの人生が盗まれてしまったのと同じですよね。
「深夜に千葉県佐原市から水郷大橋を渡り、茨城県方面に向かっているのを見た」という有力な目撃情報がありながら、1週間が経過した3月10日現在も、一切続報が入ってきません。
1分でも早い発見を祈るのみですが、私もこうして出来事の拡散に務めるくらいしかお手伝いできることがなく、非常に歯がゆい思いです。
驚くのはこの事件に対しての様々な反応です
既に、この件を報じる宇井さんのFacebookは1,000人以上の方々にシェア拡散され、無事を祈るコメントが圧倒的に多く寄せられています。
今回私が驚いているのは、この件に対して(拡散したものも含め)寄せられるRTコメント。
この中に、遭遇した事件・事故に対し「警察が親身に対応してくれなかった」という経験を持つ人からのコメントが非常に多く見られることです。
ライダーからのコメントですから、やはりバイクを盗まれたときのものが多く寄せられていますね。
今回は盗難についてですが、いろいろネットの中を見ていくと、あおり運転被害に遭ったライダーも、「警察にはうやむやな対応をされた」というコメントが少なくありません。
宇井さん自身もFacebookの中で、今回の件に対する警察の対応のなかで「門前払いされた」と、対応への不満を語っておられます。
やはり、市民の財産が奪われたときに、「しっかりと動いてもらえない」或いは「門前払いされた」という体験を持つ人が多いのは、どう考えても由々しいことです。
実は私もかつて、務めていた児童養護施設にかかわりを持とうとする輩から子どもを守るために、ある警察署の生活安全課に何度も足を運んで解決の協力を仰ぎ、協力してくれる段取りをつけていました。
しかし、ことが起きた時、何も知らない交番に電話をたらいまわしされ、そのたびに1から案件の内容を説明させられた挙句、
「警察も暇じゃないんですよ、自分たちで解決したらどうですか?」
と、全く対応してくれなかったことを今でも覚えています。
それがゆえに、WEBで語られることも、発信者各々に実際にあったことだというのが想像できますね。
WEBの中にある「もう一つの反応」
今回の件に関しては実に多くのWEBサイトでも取り上げられていて、本文と同様の指摘をしている某有名動画サイトもあります。
しかし、これに対して…
- 「警察はなくしたものを探す機関ではない」
- 「有名人だからと言って特別扱いできない」
- 「窃盗は所轄の限られた人数でしか動けないし、警察本部が動くのはもっと大きな案件」
と言ったコメントも寄せられているようです。
いろいろな意見というのはあってしかるべきではあります。
確かに実情はそうなのかもしれません。
しかし、多くはいいませんが、これらは犯罪被害者から見たコメントではないですよね。
そういうコメントを聞いて、「そうなんですか、じゃぁしょうがないですね」と納得する被害者がいるのでしょうか?
少なくともそれは被害者の感情を愚弄し冒涜するだけです。
警察の皆さん、このままでいいんですか?
「自らの財産が奪われる、或いは生命が危険にさらされた時、警察がその案件につい真っ当に扱ってくれない。」
少なくともネットで見る限り、そんな経験を非常に多くの国民が経験している。
そして、失われたものは返らず、検挙に至らない犯人は次の犯行を繰り返している。
これを「現状」と言ってしまってよいのでしょうか?
恐ろしいことですが、これを犯人の目から見てみると…。
「バイクでもトラックでも、盗んでばらして港から持っていけば、被害者が騒いでも警察は真剣に追ってこないから大丈夫。」
いつまでも、これを許していていいんですか?
もちろん、私のレンタカー店勤務時代に多く盗まれたハイエースの窃盗団が検挙されたケースも知っています。
ですから、警察が何もしていないと言っているわけではありません。
何もかもを警察にお願いすればいいのもではないのはわかっていますし、何事も自らの責任において自衛する必要というのは確かにあります。
でも警察の皆さん、特にキャリア幹部職の方々!
皆さんが怠慢で動かないのではなく、予算や人員確保もろもろの事情で「動けない」というのは他方から聞いてよくわかりました。
しかしながら、今回の宇井陽一さんの件は、非常に多くの方々が我が事のように心配をして見守り、拡散されている事案です。
既にこの事案の解決は、単にトラック一台が見つかるか否かではありません。
この国で市民の財産が奪われたときに、しっかりと警察が対応して解決に至るかどうかを多くの国民が見守っています。
言ってしまえば、このトラック一台の発見には、宇井さんの人生は元より、この国の今後の治安と、あなた方警察の威信がかかっているのです!
少なくとも、事件・事故の通報を受けた警察官の「被害者の心理に寄り添わない対応」については、「なぜそういった対応になるのか」を根本から見直されるべきだと考えます。
- 「できません」
- 「仕方ない」
それに類する言葉で、事件を事件化せず、被害を被害でないとして被害届を受理しようとしないは、結果的に警察が犯罪をほう助をしているのと同じなのではないですか?
まとめ
財産と未来を奪われた宇井さんの心中というのは計り知れません。
改めてお見舞い申し上げます。
私も、今回はわが身のことと置き換えてショックを受けました。
恐らく今回の件を受けて、盗難対策を強化したという人も多くいるでしょう。
バイクをこよなく愛する我々にとって盗難は脅威であり、自衛策を講じつつもことが起きてしまった場合、最後に頼るのは警察しかないわけです。
今回は事件と同等に、警察に行っても「被害者としての感情に寄り添ってもらえない」という経験をした人が多くいることに驚きました。
私も警察対応に関しては、過去の経験から非常に苦々しく思うところがあり、今回の件とは関係はないながらも、少々粗い表現をしてしまっているのかもしれません。
無論、悪いのは窃盗をする人たちです。
しかし、今回は多くの方にこの件と同種の警察対応について多くの方にお考えいただきい。
そして、警察関係の方やその方に近しい方にこの件を考えていただくきっかけにしていただきたい。
そういう願いを強く強く思いながら書きました。
多少批判めいたことも書いていますが、これは単純に批判なではなくて、「大丈夫なんですか?」という不安であり質問、そして確認です。
なので、どなたか警察関係の方、
「そんなことはありません、ちゃんと皆さんの不安には手を差し伸べ、安全安心のために頑張っていますから心配には及びませんよ」
と、言っていただきたい、いや、言うとするならばまず、この事件を解決させることで示していただきたいと節に願うのです!