Honda(ホンダ)がさらなる差別化AT技術を開発中!?
MT(マニュアルトランスミッション)=スポーツ。
AT(オートマチックトランスミッション)=スポーツにあらず。
と考えている方も多くいらっしゃると思います。
確かに傾向的にはスポーツモデルはMTで移動手段としての足になるようなスクーターはATだったりしますよね。
そんな常識ににも似た考えに挑んだのがHonda(ホンダ)のDCTです。
トランスミッションの偶数と奇数それぞれにクラッチを持つDCT(ダブルクラッチトランスミッション)。
四輪車でVWが比較的早い段階に投入してきました。
クラッチを切って、変速して、クラッチをつなぐ、という流れが、
クラッチを切って、すぐにもう一方のクラッチをつなぐ、という流れを作れるために非常にシームレスです。
量産車のDCTの場合はクラッチを切ってから、クラッチをつなぐまでのラグを少し長めにしていますが、欧州のスポーツカーDCTなどはこのラグが短く、若干の変速ショックと共にとても気持ちの良い加速感が得られます。
そんな重量と機構が複雑になること以外はメリットたっぷりのDCTを二輪で採用しているHonda(ホンダ)が新たなAT機構を開発しているというから驚きです。
早速新たなATの機構を見てみましょう。
まずはパテント図です。
ベースとしているモデルはCB1100ですね。
特許図をより詳細まで見ていくと、クラッチを作動させる油圧のアクチュエータと、シフトセレクターやギヤレバーの動きをセンシングし一部制御するユニットが付いています。
またアクセル開度やエンジンの回転数なども統合し変速制御を行っていくようなシステム構成であることも伺えます。
端的にこのシステムを表現するとライダーの入力とマシンからの情報を使って求められたタイミングで油圧でクラッチを切る装置でしょう。
どうやら変速は人間が行うようです。
ということはクラッチを制御する油圧の動作速度やいかに適切なタイミングでクラッチを切り、つなげるか、という部分が技術的な肝になってきますね。
また既に走行中のシフトアップダウンはクリックシフター機構などで実現されていますから、そのような機構とこのHonda(ホンダ)の新AT機構の差は停止時に自動で油圧でクラッチを切ってくれるところでしょうか。
発進時に油圧の制御でクラッチをスムーズにつなぐところも重要なポイントになりそうですね。
いかなる状況においても技術革新でマシンを進化させることは素晴らしいことです。
一方この技術でどこまでライダーとマシンにメリットを出せるか、「これいいじゃん!」という機能になるかどうかはまだまだ研究開発の煮詰めが必要になるのでしょうね。