ヤマハは3気筒 250ccでカワサキ Ninja ZX-25R 4気筒に対抗か⁉
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4気筒復活にヤマハが3気筒で待ったをかける?

ここへ来て4気筒250cc再販の話題が盛り上がってますねぇ。

上記の記事で取り上げた通り、その先陣を切ったのはカワサキ Ninja ZX-25R!
フルパワーモデルは50馬力と言う驚きのパワー。

このZX-25R 4発250ccの復活で、当然他メーカーのリアクションも気になることろですよね。

スズキでいえば、既に油冷単気筒のGIXXER250がインドで発表されているわけですが、


一部ではこれが「新世代の250スポーツ」へのスズキの回答なのでは?という見方もあります。

4気筒ではないものの、油冷といえば言わずと知れたスズキのお家芸。

4気筒以外にも、メーカーのお家芸で新たな250スポーツを提案する…?

そこにフォーカスしてヤマハ発動機というメーカーを考えた時、彼らには「あの方法」があるじゃないかと思ったわけです。

それはつまり、MT-09からのフィードバックで度肝を抜く3気筒250ccの登場。

今回はその可能性を探ります。

3気筒250は理想的

大学時代、私はFZR250(’88)に乗っていました。


キュィーンという高周波を立てて走るスムースなエンジン。

高回転までスムースにふけあがるエンジンはいつでも少年のころの私を悦に浸らせてくれたのを覚えています。

しかしあるとき、このエンジンをつまらなく思った時がありました。

それは、私より後に免許を取った友人が、VツインのVT250スパーダを手に入れた時のこと。

VT250スパーダが持つ、下からモリモリと太く立ち上がるトルク感は、目からうろこの面白さでしたね。

’88のFZR250もEXUP(可変排気バルブ・エクザップ)を備えていたので、ある程度下のトルク感が稼がれていましたが、初速からの扱いやすさはVツインの方が明らかに豊かなもの。

しかしながら、このスパーダ。

FZR250にあるような高回転の伸びを期待すると、ある程度のところで頭打ちな感じが否めません。

「高回転でのパワーを絞り出すことを考えれば4気筒が有利で、常用域の扱いやすさを重視すれば2気筒の方が勝る。」

私が2気筒・4気筒の一長一短をなんとなく理解したのは、そんな19の頃でした。

あれから31年たった春、下記の記事で私は現代の並列2気筒、YZF-25に試乗させていただきました。

YZF-R25の乗り味はかつて乗った4気筒・Vツインのちょうどその中間をいっているような乗り味。

2気筒ながら、高回転までスルルっと伸びるのが面白さに心が遊んだのは新鮮な体験でしたね。

FZR250(2KR) VT250スパーダ YZF-R25
最大
トルク
2.5kgf・m
/11500rpm
2.6kg-m/
9,000rpm
2.3kgf・m
/10,000rpm
最高出力 45ps
/14500rpm
40ps
/12,000rpm
35PS
/12,000rpm

改めてそれぞれの出力諸元を比較してみると、そう感じた理由がなんとなくわかるような気がします。

ぼんやりとこれら3台の乗り味を思い出していたのですが、ここ数日、4気筒の話題について考えながら、

『低回転域でさらに扱いやすい「粘り」があり、プラスワンの「伸び」と「パワー感」を兼ね備えた250㏄エンジン理想的なエンジンができるといいなぁ…?』

などと考えていた時に、ふと夢枕に出てきたのがMT-09のDOHC3気筒のCP3エンジンでした。


『これは我ながらいいことをひらめいたものだ』と、ベットから飛び起きてPCに向かいます。

3気筒はエンジンは、4気筒よりも軽量にでき、左右の増幅を抑えられるのでコンパクト。

部品点数も少なくできるはずなのでコストの面でも有利なはずです。

しかも、クロスプレーンのCP3であれば振動も少なくのびやかで、EXUPと合わせれば低回転の使いやすさも期待できますよね。

MT-09SP試乗時の乗り味を思い出してみますが、確かにこれは2気筒と4気筒の良いとこどりをしたような、

  • 粘り
  • 伸び
  • パワー

の3拍子にもう一つ「キレ」を足して合わせ持つ絶妙なエンジンです。

これを250にしない理由はないと思うほど自然な成り行き。

培ってきたクロスプレーン技術を小排気量のフィールドに活かすのはヤマハにとってもひとつのチャレンジとなるはずです。

せっかく馬力規制もなくなっているのですから、どうせやるなら最高出力もかつての4気筒が誇った45psくらいは盛ってほしいところですね。

ヤマハ発動機という会社は、これまで他のメーカーがこれまで考えもつかなかった方法で、世の中をあっと言わせてきたメーカー。

「新世代の250スポーツ」にというテーマに3気筒で答えてこそヤマハらしいのではないかと思います。

ヤマハ独自の製法で驚きのパワーウエイトレシオに?

恐らくエンジンが3気筒になるとすれば、車体についても鬼の軽量化であっと言わせるのが「ヤマハらしい」のではないでしょうか。

元来ヤマハはピアノフレームの鋳造に由来する高度な鋳造技術を持ち、MT-09においては、CFダイキャストフレームを左右ボルト締結して車体を形成するという画期的な方法を用いています。


このフレームは強度に優れることはもちろん、溶接を必要としないため軽量に仕上がるのが特徴。

MT-09では後端を絞り込むことによってマスの集中にも貢献し、この上なく機敏な運動性能を発揮します。


さらに、フットレスト幅にが2気筒並みにスリムなレイアウトになっており、クランクケースカバーがつま先の上に来るのは驚異的です。

250㏄クラスであれば、なおさらこの軽量感とスリムさは求められるところではないでしょうか。

もちろん、これをそのまま縮小させたようなものにはならないはず。

最近では鋼管フレームもレイアウト的な省スペース性や、アルミより安価で強度の高い点を評価されながら積極的に採用するバイクがあります。

ヤマハとしてはコストを落としてこのクラスの間口を広げたいところでしょうから、ことに250であればそちらを選ぶ公算が大ですね。

ヤマハのスチールフレーム技術で思い出されるのは、私が学生時代に乗っていたFZR250(2KR)の通称「水道管フレーム」と呼ばれいていたフレーム


参照元;ヤマハ発動機 FZ250 PHAZER開発者インタビューより

これは1985年発売のFZ250 PHAZER(1HX)から続いたもので、フレームに冷却水を通すことで、ラジエーターを大きくするのと同じくらいの冷却効果を持たせるというアイディアを採用したものです。

このおかげでラジエーターを小さくすることができ、全体の軽量化にも貢献していたわけです。

当時にしてそこまでやるのがヤマハ。

これまでヤマハが培ってきた諸々のアイディアを結集し、クラス標準を下回る軽量な車体で他車を凌駕するほどのパワーウエイトレシオをウリにするというもの、あり得ない筋書きではないと思います。

ヤマハデザインのワクワク感がほしい!

思い起こせば、80年代の4発250登場の時代はバイクブーム全盛の時代。

バイクはレーサーの影をいたずらに追いかけて、レプリカ一辺倒になった時期もありました。

対して現代のバイクファンのニーズは多様化していて、かつてのようなレースシーン1点集中ではないでしょう。

新世代に送る3気筒スポーツがあるとすれば是非、幅広い使い方を許容するような形を望みたいですね。

例えばPHAZERがそうだったように、小ぶりで誰からも親しみやすく、ロングシートでタンデムにも優しい、機能性とシャープなスタイルを持ったものも、今なら新鮮に受け止められるかもしれません。


PHEZERのデザインがオマージュされたものならば、オジサンたちはノスタルジーに歓喜するでしょうね。(笑)

くしくも、来年2020年は4発250の革命児・FZ250 PHEZERの登場から35年目となります。

創業以来、他社にない実に斬新なデザインでファンを魅了し、登場のたびにバイクに新しいテーマを投げかけてくるのが今も変わらぬヤマハの個性。

3気筒250にはコンパクトながら躍動感のあるデザインを期待したいですね。

多車種展開の可能性は?

1つのフレームをプラットフォームとし、複数の車種へ展開をするのが上手いヤマハ。

既存3気筒車種を見るとMT-09を軸としてTracer900やXSR900の3車種があり、NIKENもその派生車種といえるでしょう。

またヤマハは、昨年(2018年)11月のEICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)で、X-MAXをベースに新LMW機構を持たせた「CT-3」という300㏄のプロトタイプを発表しています。


↑LMWの300㏄スクーター「CP-3」

LMWについてもそうですが、やはり3気筒の発展性を信じれば、3気筒YZF-R25からMT-25への展開はもちろん、


↑NIKENの原型ともいえる「01GEN」のデザイン

3気筒250のファーストモデルのヒット次第では、中型免許で乗れるLMW3輪のミッション車の出現もありうるかもしれませんね。

値段はどうなる?

Kawasakiの4気筒復活を予測する記事を見渡してみると、大体90万~100万円近くを売価として予測している記事が多いようです。

恐らくヤマハもオールニューでとなれば、かなりのプライスになるかもしれません。

しかし、3気筒であれば、意外に85~90万円と他の車種より若干手が届きやすいプライスになるのではと期待しています。

「そもそも100万円近い250なんて誰が買うんだよ」という声もありますね。

でも、今も大学の駐輪場を覗けば、80万円越えのCBR250RRが複数台止まっているのも事実。

結構いいバイクに乗ってくる学生さんって意外に多くいるものだなぁと思います。

また面白いのは、そこに混じってバリオスやCBR250RRといった90年代の4気筒250を大事に乗っている学生さんもチラホラいることです。

「安い中古を手に入れて乗っている」という見方も素直なのかもしれませんが、あえて250㏄の4気筒を選ぶ若い世代があることも見逃せない点ですね。

むしろ新車では選べないわけですから「2気筒だけでは飽き足らない」という読みをしてよいでしょう。

2気筒でも4気筒でもない「3気筒250」。

これなら80年代バイクブームのジュニア世代のみならず、その親世代だって熱い視線を向けるに違いありません。

まとめ

さて、ここまではほぼ妄想的な3気筒250予想でしたが、いかがでしょう?

本文にあるように、3気筒250㏄という発想は私がぼんやりと考えて浮かんできた一つのアイディア。

ですが、

『3気筒250㏄』

で検索すると、同じようなことを考えている人は結構いるようで、いくつかヒットするサイトがあり、

あるサイトでは、

「ヤマハは3気筒250を開発している!」

と伝えているところもあるほどです。


つまりこれは、3気筒に対する期待値が静かに高まっているということの表れではないかと受け止めているのですが。

皆さんはどうお感じになるでしょうか?

実は、先日取材でヤマハの開発の方と初めてお会いした時、

「あ、モーターサイクルナビゲーターさんですよね、僕、結構よく読んでるんですよw」

と、おっしゃっていました。

今回はそれを知って書いているわけですが、ヤマハファンの一人として、

「あなたたちならできるはず!」

という期待を込めて書きこんでみました。


ヤマハ発動機日高社長と筆者

いつも先陣を切ってバイクの新しい世界を見せてくれるヤマハ発動機。

この夢の結末は今年のモーターショーで明らかになることでしょう。




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