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詳細発表を前に、一介のライダーとしてちょっと吠えてみる

NEXCO各社がETC車載器を搭載したバイクを対象にして実施する「ETCツーリングプラン」(以下TP)。

どうやら今年(2019年)も実施されるようです。

NEXCO各社がTP利用者を対象に行った「ツーリングプラン利用者アンケート」には、

《二輪車業界団体などからは「軽自動車と二輪車の高速道路料金が同一なのは不公平。
二輪車の料金は軽自動車の料金の『8分の5』の料金額が適当」との声があります。
このことについて、考えをお聞かせください》
※軽自動車の料金の『8分の5』=乗用車の半額

という設問があり、「全くその通りである」~「全く不適当である」に「よくわからない」を加えたの5択で回答するようになっていました。

これに対し、「全くその通り」と答えたのは81%、「妥当」とする回答は13%であるとのこと。

実際に「有料道路での2輪・4輪料金分化」を望む声は合わせて94%となっています。

元号も「令和」に改まることですし、国交省の担当局の皆様には3度目の正直ということで、2輪専用料金=乗用車の半額の実現をお願いしたいところ。

しかし、今年も「ETCツーリングプラン」として3年目を迎えることになるようです。

うまく利用すればかなりお得な一方かえって割高になる場合もあり、恵に預かれない場合もあり、利用前にしっかりとした検討が必要なのが難点。

今回は、今年の実施詳細が公式に発表される前に、これまでのTPの在り方を振り返り、今後に向けて微力ながら「せめてこれくらいはしてほしい」という声を上げてみたいと思います。

※数値は一般社団法人日本二輪車文化協会様の3月20日付けFacebookページを参照。

「ETCツーリングプラン」のこれまで

2017年7月14日~11月30日に初めて実施された「ETCツーリングプラン」

初回は社会実験的な要素も多く、


2017年のTPのコースエリア↑

首都圏を中心としたご覧の4コースのみという設定。

2輪に特化した初の割引商品で、各エリアとも2,500円で2日間乗り降り自由でということに注目が集まりました。

しかし、この年のTPは約5万件の利用者数を数えたということですが、一方で首都圏外のライダーがSNS上、「地方無視の方策」と言う声も散見されました。

そうした声もあり、昨年2018年4月27日~11月30日の実施では、エリアが東北から九州までと大幅に拡大。

全13コースが用意され、約8万人の利用があったそうで、これが今年の実施計画に弾みをつけているようです。

ETCツーリングプランのお得な使いどころ

このように、昨年からエリアが拡大され、コースによっては最大3日間乗り降り自由となるETCツーリングプラン。

例えば、昨年の「東北道・常磐道・磐越道コース」を使って以下のツーリングの旅程を設定したとしましょう。

1日目
首都圏から常磐道を北上し、北関東道のひたちなかで降りて港の新鮮な魚介を楽しむ。
その後、磐越道・会津若松で夜のラーメンをいただき、キャンプしながら地酒で晩酌。
2日目
西那須塩原まで行き、千本松牧場を散策してジンギスカンを食べ、付近のキャンプ場でキャンプを張る。
3日目
宇都宮で餃子をいただきながら首都圏に帰る。

もしTPを使わずに、常磐道三郷を起点にしてこのコースを回って東北道浦和に降りたとすると、ETC軽自動車等は以下の通り。

平日ETC
軽自動車等料金
土日ETC
軽自動車等料金
三郷本線
→ひたちなか
2,480円 1,970円
ひたちなか
→会津若松
4,620円 3,240円
会津若松
→西那須野塩原
2,720円 1,900円
西那須野塩原
→浦和
2,950円 2,270円
高速代合計 12,770円 9,380円

E-NEXCO「ドラぷら」を参考に算出。

これがTP利用なら、5,000円で3日間乗り降りした高速代が賄えるわけですから、かなりお得ですね。

また、このほかのコースは平均して2日間3,000円というものが多かったので、計画次第ではTPの値打ちがかなり発揮されたのではないでしょうか。

ETCツーリングプランの問題点とは?

確かに都市部から地方都市へ複数日に渡ってツーリングに行く場合にはお得ではあるものの、TPが適応にならない場合や、逆に料金が一般料金より割高になる場合もあります。

難点その1、TPの基本を理解していないと、まったく適応にならない場合があること

TPの利用要件は、エリア内の入り口ICゲートか、エリア内の出口ICゲートを通過することが基本。

つまり、

ETCツーリングプランの利用要件の基本
  • エリアIC進入→エリアIC下車は当然適応
  • エリア外IC進入→エリアIC下車は適応不可
  • エリアIC進入→エリア外IC下車は適応
  • エリアIC進入→エリアIC下車も適応

ということですね。

ただ、必ずしもそうでない場合があるんです。

実は昨年、上記記事の中で実際に「東北復興支援ツーリング」で石巻方面・「鳴瀬奥松島IC」(←エリア外)までの利用を例として、

  1. TPエリア外の外環大泉IC→東北自動車道上のTPエリア外ICへのルート
  2. TPエリア外の圏央道高尾IC→東北自動車道上のTPエリア外のICへのルート

をTPの難解ポイントの一例として挙げ、実際に検証走行してみました。

昨年の「東北道・常磐道・磐越道コース」は以下のように、


エリアの起点・終点となるICが示されていました。

結論から言うと、「TPエリア外の外環大泉→TPエリア外の東北自動車道へのルート」では、


途中自動的に、TPエリアの起点となる「浦和本線料金所」を経由するので、エリア内はTPが利用でき、

「大泉~浦和までのエリア外料金」+「TP割引料金」「TPエリア北端~鳴瀬奥松島ICまでの外走行分の料金」

という請求になります。

これは幹線高速の入り口ゲートを自動的にくぐる首都高からの進入時も同様です。

しかし、TPエリア外の圏央道高尾→TPエリア外の東北自動車道へのルートでは、


エリア外の高尾ICのゲートをくぐったきり、エリア内の起点ICも終点ICをくぐらないため、

「TP料金は全くの対象外」

となってしまうのです。

基本的に、TPは事前に通行するバイクのナンバーやETCカードの番号を登録し、エリア内のICをくぐったか否かを抽出して請求する仕組み。

もし、このルートでエリア内のTP料金を適応させたい場合には、


圏央道上でエリアの起点となる白川菖蒲ICをいったん降りて、この入り口ゲートから再入線するか、エリア北限のICで同様に乗りなおす必要があります。

なので、先述の「TP利用要件の基本」に倣えば致し方ないところですが、道路の都合に合わせてルーティングしなければならない点は、どうにもスマートではないように思います。

難点その2、事前に料金を比較しないと、かえって割高になる場合も

例えば、私の最寄りICである八王子から富士吉田西桂スマートまでTPを使わずに行くと、

平日ETC
軽自動車等料金
土日ETC
軽自動車等料金
八王子→

富士吉田西桂
スマート
1,470円 1,030円

E-NEXCO「ドラぷら」を参考に算出。

ということになります。

昨年のTPで「首都圏・東名・中央道コース」は3,000円でしたから、乗り降りを複数回繰り返す分には特になりますが、単純な往復では割高になってしまいます。

なので、TPを利用する場合、起点となるICを通過するようにルーティングしたうえで、一般料金を確認して申し込むか否かを検討する必要があるわけです。

簡単に言えば、「いつどこを通っても高速道を安く使える?」というほど単純ではないというのが難点です。

難点その3、エリア跨ぎは割高必至

TPのエリアは、都市部からの移動が中心に設定されています。

ですから、例えば群馬県・高崎以西の地方都市に住むライダーの場合、太平洋側に出るには必然的に複数のエリアに跨ることになります。

また都市部でもエリアの乗り継ぎが必要になる場合もあり、結局TPを使わない方が得ということになってしまうようです。

当初からこの点にはユーザーからの不満の声が高く、せっかくエリアが拡大されたにもかかわらず、「結局これでは地方無視」という懸念も解消されていないようです。

NEXCO各社の方々に提案です

TPには少なくとも上記3つの難点があるので、一介のライダーとして提案したいと思います。

TPとして実施されるならば、もっと自由にルーティングできるようにしてほしい

割引によって料金収入が減ることを懸念するのであれば、利用促進による道路外からの収入増に期待して、そこからのマージンを得ることも今なら可能なはずです。

例えば、高速沿線で協賛企業を募り、商品購入の際のレシートにQRコードを付けて、それを読み込むと利用料金の何パーセントかをNEXCOに入れるようにする等。

今はITの時代、情報をうまく使えば、利用者がどれくらい沿線で買い物をしているかなどを把握し、道路外の収入獲得にそれをつなげていくとも、できないことではないと思います。

それは二輪TPのみならず、すべてのドラぷらプランのお得感をアップさせることにもなるかもしれません。

昨年のアンケートの中には、支出する通行料金やお土産などの購入金額などを聞く設問もありましたから、恐らくこうしたことを既に考慮されているのでしょう。

どうしても二輪料金の一律値下げができないのであれば、TPはJRが国鉄時代から継続して販売している「青春18きっぷ」の様に全国的にどの路線でも使えるようにして欲しいものです。

TPで北海道ツーリングがお得になるならうれしい

これまでのTPでは北海道内の高速道路は盛り込まれていませんでした。

実はETC車を対象としたNEXCO東日本の割引プラン「ドラ割」の中には「北海道ふりーぱす」というものがあります。

これは、上記のフェリーを割引料金で利用でき、しかも北海道内の高速道路がTP同様一定額で乗り降り自由になるという素晴らしい商品なのです。

昨年、モーターサイクルナビゲーターの中でも取り上げてご紹介したのですが…。

  1. フェリー会社によって規定が異なるため、利用方法の把握が難解。
  2. 「1.」によって2輪がサービスを利用できる航路がかなり限定される。

このため、各社の規定を読み込みながらご紹介の記事を作成するのに相当苦労した記憶があります。

今年度版の案内には、2輪を意識した案内が若干盛り込まれていますが、依然2輪には不利な点もあるようです。

やはり、TPの中にフェリーを使った北海道行きを盛り込んで使いやすくしてもらいたいですね。

いつでも安い=地域創生への道

2輪に限って言えば、埼玉県の小鹿野町などが、町おこしのために町をツーリング先として誘致しているのは有名なお話。

ツーリングを地方創生の有力な手段と位置付けて誘致する自治体は他にも幾つかあります。

その中で期待されるのは、やはり「有料道路での2輪・4輪料金分化」。

業界・政界・行政が様々な折衝を続けている中、TPは「有料道路での2輪・4輪料金分化」への足掛かりとして実施されてきたわけです。

以前も例に挙げましたが、かつて4,000円だった東京湾アクアラインの通行料は現在800円。(普通車)

これによってアクアラインの通行量が増して木更津以東の経済が活発化し、これに伴う税収を千葉県が値下げ分の還元に充てているのだそうです。

つまりアクアラインの例は、地域をさらに潤すためにも、道路料金の適正化が必要であることを示している典型例だと言えるでしょう。

ユーザーとしては昨年のTP利用者約8万件という事実を、有料道路料金の適正化を求める声として受け止めてほしいところです。

まとめ

今年は「令和」への改元のため、ゴールデンウィークは通年より長い10連休となります。

これを前に、まもなくNEXCO各社からTPの詳細発表→予約開始という流れになるのだと思います。

いずれにしても不評だった点が一つでも改善されている内容であることを期待したいですね。

それ以上に、ライダーの誰もが様々な利用条件の中で利益を享受できるよう、一刻も早い有料道路での2輪・4輪料金分化の実現を強く望みます。




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