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社会的な警戒感強まる

東名高速で常軌を逸した輩が、ワゴン車の家族を執拗にあおって追い回した挙句、最悪の事故に至ったあの事件。

早いものであれから1年以上の月日が流れようとしています。

その他、二輪車を執拗に追い回してけがを負わせる悪質なあおり運転による事故も複数報道されたわけですが、そのたびにあおりは「事故」ではなく「事件」だと思ってきました。

何しろ、事故のような偶発的なものではなく、明らかに人の故意によって引き起こされるわけですから…。

先日、筆者も自家用車にドラレコを付けようと複数のカー品店を周ったのですが、軒並み売り切れで今現在も入荷待ちの状態。

社会的にあおり運転への緊張感が非常に大きくなっていることを実感した身近なエピソードです。

もはやドラレコは最低限の自衛策。

ただ、ドラレコをつけてもあおり運転被害を根本的に予防・解決できるわけではありません。

問題はドラレコを使って具体的にどうするか?

そう思い今回は、

  • ドラレコの映像をどう活用するのか?
  • バイクに乗っている中であおり運転からの被害を受けた場合に具体的にどう自衛するか?

この2点をを掘り下げて考えていこうと思います。

これは絶対許せない!

この稿を企画したのは5月。

ゴールデンウィークが終わって、SNS上にアップされる色々なライダーのツーリングの思い出などを楽しく拝読しているところでした。

しかし、その中の一つに、ライダーならば誰もが戦慄を覚える動画がアップされていたのです。

(投稿された方に許諾をいただき、掲載しています。)

これは許せません!

ご覧のように一台の乗用車が突然、通常の運転で連なるバイクの列を、黄線をはみ出しながら対向車線に出て強引に追い越し。

さらには対向車線を走って来たライダーと危うく正面衝突しそうになった上、前方のライダーの進路に強引に割り込みます。

投稿者の方のツイッターには、この対向車線でぶつかりそうになったライダーのコメントもありましたが、やはり相当恐ろしかったそうです。

現場は山梨県。

筆者のお散歩コースでもある道志みちでの出来事です。

その後この映像は、テレビでも取り上げられ、大きな話題を呼びました。

バイク目線でのあおり運転の怖さを世の人に見てもらえた点で、この映像の役割というのは大きかったと思います。

結果として事故に至らなかったのは幸いですが、明らかに交通治安を乱しているこの車が走り去ってしまったというのが許せません。

同じような状況があったとしたら、このドライバーは同じようなことを平気でするかもしれませんし、その時こそ誰かに不幸が及ばないとは限りませんよね。

もし、ドラレコを搭載した上で「あおり」に相当する危険行為を仕掛けられた際、こうした映像を警察に持って行けば、相手の運転車を検挙してもらえるのでしょうか?

山梨県警察本部に聞いてみた

筆者はこの映像を元に、警視庁とこの映像に映る道志みち(国道413号線)の山梨県側を管轄する山梨県警本部に取材を申し入れました。

残念なことに警視庁からは全くご解答をいただけなかったのですが、山梨県警察本部交通部交通指導課からはご回答をいただけたので、その内容をご紹介しましょう。

山梨県警察本部への質問

質問はFAXにて2018年5月10日に取材申し込みと質問内容を送信。

その後、2018年6月28日にメールにてご回答いただいたものです。

問 撮影者本人がその映像を警察に提出することでそこに映る危険運転車両を検挙することができますか。

答 個別に検討した上で対応します。

問 WEBサイト等で上記に該当する映像を閲覧した第三者が、それを警察に提供することで、そこに映る危険運転車両を検挙することができますか。
答 個別に検討した上で対応します。

問 こういった故意による危険運転、もしくはあおり運転に対して、警察として現在具体的に取られている対策はありますか。
答 関係法令に基づき、取締りを行います。

 ご対応いただいた山梨県警の総務の方は何度も非常に丁寧なご対応をしてくださり、交通部交通指導課の方々にもご協議いただいた上でご回答いただきました。

「個別に検討して対応」

恐らく、「いろいろなケースがあるので一概には言えないし、「こうしたらこうする」という基準のようなものもないので、今ここでこうするとは言えないよ」

ということだと思います。

映像を見て明らかに危険、または悪質と警察が判断するものついては、当該車両が特定であれば何らかのアクションを起こしてくれるのだと期待できなくもないですね。

少なくとも「対応します・行います」というポジティブなお答えなので、ドラレコを装着してその映像を証拠として提出することには一定の意義があると見ていいでしょう。

警察として「あおり運転」に更なる警戒

既に2018年1月16日、警察庁は都道府県警察本部に対し、あおり運転への罰則を強化するよう通達を出しています。

この通達は、「あおり運転に対し、道交法だけではなくあらゆる法律を持って対処せよ」という内容。

例えば相手の運転車が暴力を伴う場合などは「暴行罪」として検挙したり、

その行為をもって運転車を「危険性有帯者」として免停にすることもできるようです。

1月当初に筆者は警視庁に取材させていただいたのですが、これらも現場の警察官の裁量に任せるということで、「こうしたらこうする」という明確なお答えはいただけませんでした。

ただ、そこから半年たった今、高速道路の表示板にも「あおり運転警戒強化中」という内容があります。

なので、あおり被害を受けたとする通報には、以前よりも敏感に対応してくれるのではないかと思います。

こうして、具体的のどうするというところまではわかりませんが、警察としてはあおり運転への対応を強化してくれる姿勢を見せてくれています。

しかし、道路を走るときには常にいざというときを想定して、自衛策というのも考えておく必要があるでしょう。

具体的にどう自衛する?

以前あおり運転を話題にした際、「スタンガンを買って迎撃する」と言った人もいました。

ただ、気持ちはよくわかりますが、それはちょっと違う気がします。

運転上もこちらがマナーを守り、こちらから挑発しないことが大前提。

それでも、無茶苦茶な運転で進路をふさがれ、強制的に停車させられたうえ、猛烈に激高した輩が車から降りてくる?

皆さんは遭遇されたご経験がありますか?

実は、筆者もかつてこの手の輩に遭遇し、メット越しに殴られた経験があります。

車であればこちらが絶対に降りないなど、取り合わないための自衛策は取れますが、バイクの場合はそうもいきません。

当時はバイク用どころかドラレコそのものが世の中にない時代だったので、悔しい思いをした切り泣き寝入りです。

(足立ナンバーの黒いノア、今でも覚えているゾ!)

ただ最近では、危害を加えようとする相手に対し、「この行為はすべて録画している!」と言うと、輩が舌打ちして消えていくというケースも少なくないと聞きます。

少なくとも、ドラレコで証拠を残すということは、相手の好戦性を奪う有効な手段になり得るようです。

もし、ドラレコの装着をためらっているという方は、自衛策の基本として導入されることをお勧めします。

ドラレコ以外の自衛策

ドラレコが良いのはわかっていても、バイク向けのドラレコは車用より割高なもの。

ドラレコの装着がまだという人もいれば、セカンドバイクの通勤スクーターにまでは…。

という場合もあるあるでしょう。

しかし、輩との遭遇はこの後すぐなのかもしれません。

ドラレコはもはやマストなわけですが、相手によってはドラレコ本体を奪われる可能性も払しょくできませんよね。

とにかくドラレコが有効に働かない場合も含め、バイクであおりに遭遇した際の自衛策も考えました。

助けを求め証拠を残す

ドラレコを持っていない場合でも証拠を残す方法はあります。

もしも市街地であおり行為を受けたなら、コンビニやガソリンスタンドなどに駆け込みましょう。

もちろん、交番や警察署がベストですが、役所など公共施設でもいいでしょう。

とにかく防犯カメラが必ず設置されているであろうところに逃げ込むこと。

恐らく「車内避難」ができないバイクにとってはこれが一番手っ取り早く、有効な手段だと思います。

そこで輩が降りて暴れて自分で通報ができなかったとしても、こうした場所では声を上げて第三者に助けを求めやすい環境ですよね。

さらには、とにかく「一人で対応しないこと」、そして「助けを求める」というのがポイントです。

スマホで動画を取るというのも有効な場合がありますが、相手によっては「何撮ってんだバカヤロー」と逆にキレてくることも考えられます。

ですから、確実に防犯カメラに包囲されているであろう環境に相手を誘導すること。

これを常に覚えておくことがライダーの自衛手段として有効なのです。

「通報する」をキーワードに

逃げるは命の役に立つ!

もはや恥ではありません。

相手が車の場合、街道では商店がなくとも路地に逃げ込んだりということも、バイクならできるかもしれませんよね。

しかし、高速道路など、近隣に商店がないような場所でも、輩はやってくるのです。

なるべく早く輩の視界から姿を消すのが最も有効な手段です。

しかし、どうにも逃げ場がない場合には、いかに早く通報するかというのが重要になります。

これを考えていくことにしましょう。

iPhoneをお持ちなら

iPhone8とiPhone8PLUSの場合では右のサイドボタンと、左の音量ボタン(のうち大小いずれか)を同時に長押しする。

iPhone7以前のタイプではサイドボタンを5回早押しすることで、以下のような緊急通報画面を出すことができます。

こちらでSOSをスワイプすると、119(救急)・110(警察)・118(海上保安庁に海難救助を求める番号)を選択する画面に切り替わるので110を選択します。

そして選択後は、3秒間のカウントダウン後に110番に発報され、通話も可能になります。

この機能の良いところは、発報と同時に位置情報もテキストで発信されること。

更にキャンセルしない限り、同じ発信先に経過時間と現在地が変更された場合の位置情報などが変更の都度発信され続けるようになっているのです。

これなら、口が利けない状況でも、何とか現場に警察官を呼ぶことができそうです。

(※絶対に非常時以外では通報しないでください。)

また、iPhoneにもアンドロイドにもロック解除の画面に「緊急」というボタンがあります。

 

この場合はこの後に110番を押す必要があります。

この場合位置情報を発信することはありません。

しかし、2015年の法改正で警察はスマホからの入電に対して発信元のGPS位置情報を把握できるようになりました。

なので、スマホから110番すると指令室の方から「今、○○町○番地付近にいらっしゃいますね?」と確認されます。

これは特に、声を出せない状況下で非常に助かるわけですが、

  • 高速ならキロポスト
  • 市街地なら住所のわかる目印
  • 被害を受けていること

これらをなんとか話すことができれば、より早く警察官を向かわせてくれるのだそうです。

これは一度発報する寸前までの操作を試しておいて、いざというときに慌てないように覚えておきましょう。

 

Siriなどの音声認識ソフトも有効

インカムをスマホと連動させ、音声認識系アプリも通報には有効な手段になるかもしれません。

一刻を争う状況Siriなどの音声認識アプリでスマホから緊急通報をするのが近道です。

特に、高速などを走行しながら輩から逃げている。

そんな時に通報するならこの方法が良いでしょう。

スマホがロック状態でも、iPhoneなら「Hey Siri!」アンドロイドなら「OK,Google」と呼びかけることで起動するように設定しておけばすぐに反応します。

そこで「 緊急通報!」というと119・110・118のどれにかけるか聞いてくるので、「いちいちぜろ!」というとすぐに110番通報ができます。

(※絶対に非常時以外では通報しないでください。)

これも、いざというときにために覚えておきましょう。

当事者だけでは解決しない

筆者は、これまでも「あおり運転」やバイク用ドラレコに関する記事は何本か書いてきました。

いつも思うのは、あおり運転対策はライダーだけに任されるのではなく、もっと公が本腰を入れるべきだということです。

公はライダー目線の救済策を!

警察への取材も何度かさせていただいたのですが、その度にあおり運転の対策としてお話されるのは…。

•相手に一切取り合わない
•窓を開けない
•相手が危害を加えようとした場合はその場で110番

ということ。

つまり被害者が車に乗っていることが前提なのです。

なので、囲いを持たないバイクでライダーがどうやって悪質なあおり運転や、その後の暴力行為などから身を守るのかというのは、公としてきっちり想定されていないように思います。

だからこそ、ライダー自身が想定を深め、それをどう救済してほしいのか?

これをライダーの立場で発信していくことには大きな意義があると思います。

当局はバイク用ドラレコに開発・購入助成を!

あおり運転に類する被害を受けた場合、バイクの場合は命に直結するケースが多く、実際に犠牲者が出ているのは報道に知る通りです。

被害者を泣き寝入りから救済し、またライダー自身に安全運転を促すのもドラレコの大きな役割として期待されるところ。

しかし、メーカーの努力もある中ですが、バイク用ドラレコは車用のものと比較しても購入しやすい値段だとは思えません。

もちろんETC同様、二輪車自体の分母が車とは違いますから、同じようなクオリティーを「バイク用」として求めると高くなるのはわかります。

これは機会あるごとに何度でも書きますが、二輪車ドラレコには国が購入と開発に対して、助成金を出すべきだと思うのです。

現在、台数を限ってですが、二輪車用ETC車載器購入には購入助成金が交付されます。

毎回これが国会で承認されたことは非常にありがたいことですが、社会的にあおり運転への警戒が高まった今、確実にドラレコはETCよりプライオリティーが高くなったとみるべきでしょう。

ライダーの生命はもちろん、交通治安を守るため、バイク用ドラレコの普及は最低限不可欠なもの。

モーターサイクルナビゲーターはまだまだ小さなウェブメディアに過ぎませんが、筆者は執筆を通じ、これからもバイク用ドラレコの普及に向けての環境整備を公に求めていきます。




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