中古バイクはこう選べ!整備士が教えるお値打ち車両の選び方!
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はじめに

自動車に比べ、バイクという乗り物は非常に趣味性が強い乗り物であることは、
多くのライダーの方にとって周知の事実です。

その性質上、バイクは非常に生産期間が短期であったモデルも多く、
こうした絶版車を購入するには中古車として入手するのが一般的となっています。

しかし、中古バイクは新車とは異なり、
買ってから不具合に気付かされることもしばしばですよね。

そんな「買って後悔した」という苦い思いをしないため、
整備士生活20年のベテランバイカーに中古バイクの選び方を伝授して頂きました!

モーターサイクルナビゲーター運営陣も前からずっと気になっていた内容を大公開!

まずは「二輪」という言葉の意味に立ち返る

2000年以降のバイクデザインは目を瞠るものがあり、
ストリートファイター・ビッグスクーター・スーパースポーツなど枚挙に暇がないほどです。

見た目によるファーストインプレッションはとても大事ですが、
「オートバイ」という乗り物は「二輪」と呼ばれるように、
2つの車輪で全重量を支える乗り物です。

見落としがち!? 足回りチェック!

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全身を使い、命を乗せて走るバイクはどんな車種にも独自の魅力がありますが、
共通して言えるのは足回りの重要性です。

中古バイクを購入するときは、フロントフォークやサスペンションの状態を確認するため、
まずは実際に跨って加重してみましょう。

この時、通常のライディングポジションだけではなく、
タンデム者の視点から見ることも重要。

タンデムステップにしっかり足を乗せ、グラブバーなどを握り込んで目を瞑り、
ゆっくりと身体を前後左右に動かしてみて下さい。

オイル漏れや錆の補修は意外に簡単で、見た目だけは極上品に見えても、
加重した際の固さまでは偽装できないものです。

目を閉じて視覚による補正が入らないようにすることにより、
直感的にコンディションの良し悪しを知ることができます。

オフ車やネイキッド、クルーザーなどジャンルによって適切な固さは差がありますが、
背筋を軽く伸ばして1分間ほど座った際、シートから違和感を感じなければ柔らかさは合格。

今度は「左足」だけを地面につけ、その場でフロントに加重してみましょう。

通常、スクーターなどのAT仕様でなければバイクは左足でシフトを行う乗り物であるため、
停車時は右足を地面につけるのが普通です。

ここが選ぶ上でのポイントで、敢えて逆の左足で支えることにより、
フロントフォークの捩れを確認することが可能となります。

視認できないレベルの捩れであっても、こうして確認することで違和感として伝わってきますので、
ハンドルの切り返しや加重時の沈み方を中心にチェックし、オイル漏れの有無を確認すれば足回りはOK。

その場で軽くブレーキレバーを握り込み、ブレーキを引き摺っていないか、
フルードの影響による効きの甘さはないかも合わせて確認しておきましょう。

クラッチレバーの操作とシフトチェンジも実際に行い、
クラッチワイヤーの腐食・磨耗度もチェックしておけば万全です。

フロントフォーク・サスペンションの軽度の錆は、
ボンスターなどで優しく磨くことによって簡単に落とせますので、
自分でケアすることを前提の上で値引き交渉の材料にしても良いでしょう。

プロが教えるエンジンチェックの必須項目

足回りのコンディションを確認した後は、最重要ポイントのエンジンです。

実際にエンジンに火を入れ、始動性をチェックすることは言うまでもありませんが、
始動時はスロットルを開けず、アイドリング回転数での安定性を確認しておきましょう。

10~15秒ほどスロットルに触れず、エンジン音が安定していれば安定性は合格点。

今度はポケットティッシュ(持っていなければショップで貰えばOKです)
をそのままエキパイ接続部に近づけ、排気漏れの有無をチェックしていきます。

手で確認しても良いのですが、
冬場だと暖房などによって手の温度感覚が若干麻痺してしまいますので、
ティッシュペーパーでのチェックが一番確実です。

排気漏れのチェックをこの方法で行うと、
エンジンの下部やヘッドも通常より良く見えるようになりますので、
不自然な傷がないかも合わせて確認しておくと良いでしょう。

実際にここまで入念にチェックされるとショップ側としては厳しいものがあり、
下手なごまかしが効かない「目の肥えたお客様」という認識になります。

そのため、この後に難点を挙げて値引き交渉をされると、
現状販売車でない限りはかなりの確率で譲歩させて頂くことになります。

ジャンルによってチェック項目は大きく異なる!

バイクのジャンルは自動車よりも多彩で、
その車種によって大きくチェックポイントは異なります。

外装関係は見たままの状態が全てと言えるため割愛させて頂きますが、
主なジャンルを挙げて重要チェックポイントを説明させて頂きます。

ネイキッド・クルーザーモデルのチェックポイント

剥き出しのフレームとエンジンが基本のネイキッドやクルーザーモデルの場合、
確認しておきたいのはエンジン下部です。

この箇所は路面からの飛び石や飛散物による傷が付き物ですが、
あまりにも傷が多いバイクは要注意。

錆による腐食が発生しているケースも多々あり、程度状態の確認は必須です。

メーカー側もそれは重々承知しているため、
強度の面で問題があることは少ないのですが、
ヤマハの旧車などはエンジン番号が打刻されていないため、
エンジンを乗せ換えていても分かりづらい面があります。

車体の外観は綺麗であっても、
不自然にエンジン下部の傷み具合が激しい場合は訳あり車両の可能性が出てきます。

メーター戻しなどによって実際の走行距離は不明であることも考えられるため、
ここをチェックしておくと後々のトラブルを未然に防ぐことが出来ます。

また、カワサキ車の場合はエンジンヘッドなどからオイル漏れが起こりやすいので、
特定箇所だけ妙な変色がないかも合わせて見ておきましょう。

ストリートファイター・スーパースポーツのチェックポイント

空力効果を高めるためのカウリングを装着したスーパースポーツ(レーサーレプリカ含む)や、
スーパースポーツをネイキッド化したストリートファイターは、
足回りのチェックを入念に行う必要があります。

例えばスズキ・GSRの場合、性能はハイスペックですがリアサスがかなり固いため、
長時間走行は辛いものがあります。

元々の仕様を考えると致し方のない点ではありますが、
サスのこなれ具合は購入前にしっかりと確認しておきたい重要ポイントです。

このため、前オーナーが乗り味を改善するために社外品のサスを組んでいることもあり、
「ノーマルじゃないから避ける」という判断が良いとは限りません。

実際にシートに腰を下ろし、
あらゆる角度に身体を動かしながら乗り味をチェックすることをおすすめいたします。

それと合わせて確認しておきたいのは、カウリングの内側です。

カウル・サイドカバーといった外装パーツは意外に修復の難易度は低く、
パテとサンドペーパー、半田ごてがあれば外見上の形状は元通りにすることが容易です。

そのため、カウルの内側で視認可能な箇所はペンライトなどで照射し、
修復の跡がないか確認しておくことをおすすめいたします。
(現在はスマホのLEDを利用した照明アプリが無料で配布されていますので、
その場でダウンロードして使用するのも良いでしょう)

ストリートファイターの場合は、転倒による外装パーツの破損も多々ありますので、
各部位を触った上で違和感がないかも確認しておきたいところです。

まとめ

中古バイクの選び方いかがでしたか?

実際に整備・販売に携わる方のアドバイスは非常に興味深いものがありますね。

外装は私たち一般のライダーでもすぐ分かりますが、こうした方からのアドバイスを聞くと、
「石橋を叩いてなお検討を重ねる」位の慎重さが必要であることが分かります。

一期一会の出会いという中古バイクだからこそ、
後悔しないためにじっくり選ぶことが大切と言えそうですね。






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