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MotoEクラスが動き出した

様々なドラマを生んだ2018年MotoGPも最終戦バレンシア終えたばかりですが、「ホンダ+ロレンソ」や「テック3+KTM」のテスト等々、来季に向けた動きが既に動きだしています。

その中で筆者が注目するのは、来期に新設されるMotoEワールドカップ(以下MotoE

2018年2月には来期におけるこのクラスの開催が発表され、

モーターサイクルナビゲーターの中でもこちらの記事でもお伝えしていましたね。

この11月にはMotoEクラスのレギュレーションの詳細が明らかとなり、参戦12チーム18名のライダーのエントリーリストも発表されました。

後述しますが、参加ライダーの顔ぶれが凄い人たち。

「え、あの人も?!」というライダーも参戦しますからそれも見ものです。

バレンシアを終えたへレスでは11月23~25日の3日間に各チームのテストも行われ、いよいよその動きに具体性が増してきました。

MotoEの発展は、来たるべき電動車時代におけるバイクの在り方を方向付けるものとして注目を集めているわけですが、今回はその見どころをお伝えしていこうと思います。

マシンについて

MotoE来季からMotoGPのプロモーターであるドルナスポーツが開催を予定している新カテゴリーのレースで、イタリアのエネルジカ社の電動バイク Ego Corsa(エゴ・コルセ)の1車種で争われるワンメイクレースです。

映像引用元;エネルジカHP/エゴ・コルセ

今シーズンの各レース本戦前に行われたデモンストレーションとしてエゴ・コルセがコースを一周する姿が国際映像にもあったので、ご覧になった方も多いかと思います。

もてぎの日本GPでは、元世界GP250㏄クラスチャンピオンの原田哲也さんがその役を務めたという話題も記憶に新しいですね。


映像引用元;MotoGP.com/原田哲也エネルジカ・エゴコルセ試乗

このエネルジカ・エゴ・コルセは市販電動バイクの「エゴ」をレーサーとして仕立てたマシン。

レギュレーションによると概要は以下の通りで、

  • バッテリーキャパシティーは20Kwh。
  • 最高出力は120kw(約160馬力)まで。
  • 最高速度は270㎞/hまで。
  • ブレンボ製ブレーキ・オーリンズサスペンション・マレケジーニホイールを使用。
  • 全てのマシンは同じパーツで組み上げられなければならないが、サスペンションのセッティングについてはライダーの指向に任せられる。
  • MotoE専用のEパドックという場所に各チームにボックスが用意され、その中で維持管理を行うこと

とあります。

試乗後のインタビューで原田哲也さんも「重さには苦労するが、これまで経験したバイクとは全く違う走り」と話されていました。

エネルジカのHPマシンの詳細を見ると、それがどういうことなのかよくわかります。

0→60mph(約100km/h)加速が2.8秒。

GPクラスのマシンでは2.4~5秒くらいなので、Moto2マシンとおおよそ同等になるでしょうか。

車格は1000㏄のSSくらい、モーターは油冷で車重は260kgあります。

しかし、トルクは200 Nm from 0 to 5000 rpm!

つまりアクセル開け始めからずっと200Nm?

例えばYZF-R1のトルクが112.4Nm  / 11,500 rpmですから、これは間違いなくトルクのバケモノです。

多分コーナー進入のブレーキングでは重さに苦労しながらも、ロケットのような加速で立ち上がっていく感じに?

とすれば、これは相当見応えのあるレース展開になりそうですね。

文末にエネルジカのHPで紹介されているエゴ・コルセの走行動画がありますので、お見逃しなく!

充電設備などについて

エネルは日本でこそ聞きなれないブランドですが、欧米に手広くグループの勢力を強めている元イタリア国営の大手電力会社。

MotoEでは傘下のエネルXが公式スマートチャージ・パートナーを務めます。

エネルXが供給するのは、ソーラーパネルとセミモバイルユニット」と「モバイルユニット」からなるJuiceRoll(ジュース・ロール)と呼ばれるモバイルチャージソリューション。

Eパドック内には各マシンごとにセミモバイルユニットが設置され、セッション間のマシン充電に使用されます。


映像引用元;エネル

グリット上では「モバイルユニット」がマシンへの充電とタイヤウォーマーの電源として使用されます。


写真引用元;エネル/モバイルユニット

これらはマネージメントシステムのついたソーラーパネルに接続されるので、レースは終始ロー・エミッションな環境を維持。

レースの雰囲気も独特なものになるでしょうね。

競技レギュレーション

MotoE選手は他のクラスにもエントリーできるのか?

そういったことも含め疑問もいろいろあるので、さらにレギュレーションを見ていきましょう。

エントリーについて

原文は…、

A rider competing in any Grand Prix class is not permitted to participate in any other non-Grand Prix class at the same event. So MotoE™ riders will not be allowed to race in a Grand Prix class at each of the five dates on the FIM Enel MotoE™ World Cup calendar.

MotoEレギュレーション/エントリーについて

とあるので、早い話、ダブルエントリーは不可。

MotoEライダーは他のクラスのライダーを兼務できないことになっています。

テストについて

There is a ban on testing any electric-powered motorcycle on any road racing circuit for all MotoE official riders

MotoEレギュレーション/テストについて

ここでは、

「どこの道でもサーキットでも電動バイクのテストは禁止。」

と書いてあります。

要はチームごとの非公式テストは禁止という意味ですね。

電動GPマシンですから当然なんですが、「どの道でも」っていうのを実線で消してあるのはなんだか笑えます。

公式テストは既に1回目が先述の通りヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで11月23~25日に行われました。

この後第2回テストが2019年3月13~15日に、第3回テストが4月23~25日に予定されています。

タイヤレギュレーション

Tyre supplier Michelin will be providing one type of front and rear slick tyre and one type front and rear rain tyre per race week-end. The specification may change according the track layout. The number of tyres per specification will be four front slicks and five rears, with an additional three front rain tyres and four rear.

MotoEレギュレーション/タイヤについて

ということで、ここでは

「各チームに同一タイプのスリックとレインがミシュランから供給されるワンメイクで、サーキットレイアウトを考慮してタイやスペックが変更となる場合もあります。

供給本数はスリックの場合フロント4本とリア5本で、レインの場合はフロント3本とリヤ4本となります。」

とありますね。

つまり、チームライダーにとって選択の幅が狭いので、かなりライダーの腕勝負になるわけですね。

これは面白そうです。

MotoE開催予定

MotoEでは他のクラス同様、金曜日に2回のフリー走行、土曜日に予選が行われ、決勝は日曜日(Moto3前)に行われることになっています。

しかし、開催予定はわずか5戦。

MotoGPヨーロッパラウンドとの併催のみでスケジュールが組まれています。

ラウンド 日程 開催国 開催サーキット
第1戦 5/5 スペイン ヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエト
第2戦 5/19 フランス ル・マン-ブガッティ・サーキット
第3戦 7/7 ドイツ ザクセンリンク
第4戦 8/11 オーストリア レッドブル・リンク
第5戦 9/15 サンマリノ ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ

やはり開催エリアについては今後拡大していって欲しいですね。

ただ、サンマリノのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われる最終戦のみ土曜・日曜で2レースが開催予定ということですので、これは期待しましょう。

参加チーム・ライダーの顔ぶれは?

冒頭でもお伝えしたように、参戦ライダーは話題豊富。

とりあえずその顔ぶれを見てみましょう。

チーム名 ゼッケン ライダー ライダー国籍
Alma Pramac Racing #16 ジョシュ・フック オーストラリア
#05 アレックス・デアンジェリス サンマリノ共和国
Ángel Nieto Team #06 マリア・エレーラ スペイン
#18 ニコラス・テロル スペイン
LCR E-Team #14 ランディ・ド・プニエ フランス
#59 ニッコロー・カネパ イタリア
Tech3 E-Racing #04 ヘクトール・ガルゾ スペイン
#78  ケニー・フォーレイ フランス
Trentino Gresini MotoE #11 マッテオ・フェラーリ イタリア
#32 ロレンソ・サバトーリ イタリア
Dynavolt Intact GP #02 ジェスコ・ラフィン スイス
Ajo Motorsport MotoE #66 ニキ・トゥーリ フィンランド
EG 0,0 Marc VDS #63 マイク・ディ・メッリオ フランス
One Energy Racing #38 ブラッドリー・スミス イギリス
Pons Racing #15 セテ・ジベルナウ スペイン
SIC58 Squadra Corse #27 マッテオ・カサディー イタリア

さぁ、どうですか皆さん!

チーム名を読むのは難しくても、それぞれのライダーの名前を見れば、「おー」と唸る人多数。

マリア・エレーラはMoto3に参戦してきた女性ライダー。


映像引用元;MotoGP.com

このクラスの女性ファンへの訴求に一役買ってくれるでしょう。

ロッシとの死闘を繰り広げたセテ・ジベルナウの名前があることは率直に凄いと思います。


映像引用元;Wikipedia/セテ・ジベルナウ

12月15日で46歳となるジベルナウ選手、おじさんの星として筆者も彼のGP復帰を応援したいと思います。

ヘレスで行われた第1回の公式テストでは、1'50.265の1番時計をたたき出したブラッドリースミスが好調を維持

一時は去就が危ぶまれた彼だけに、彼の走りは小びしい境遇にある多くの人に勇気を与えることになるでしょう。

まとめ

先日、EICMAでKIMCOから発表されたSuperNEXの話題をお伝えし、かなりの反響をいただきました。(ありがとうございます!)

電動バイクというと、日本ではまだまだ軟弱なイメージが強いようですが、いずれそれが主流になる日も近いと筆者はみています。

「競争しなきゃいいものは創れん!」

そう言ったのは、かの本田宗一郎氏。

今後MotoEクラスが発展するにつけ、このレースは電動車がいろいろと良い方向に進化していく場になるのだと思います。

一つ残念に思うのは、MotoEがヨーロッパの技術で固められていること。

KIMCOのギヤ・クラッチ付き電動車も凄いですが、日本も無限がマン島TTで「神電7」を6連覇させています。


映像引用元;無限/神電7

日本の匂いが全くしないというか、motoEがもっと多くの国の技術で競われる場になってほしいと思うのは筆者だけでしょうか?

いずれにしてもはじめの一歩、新しく始まるこのクラスにもっともっと注目していきましょう。

エネルジカ・エゴ・コルセがギュイーンと走り出しますよ!

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